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                                              (5月9日更新)

PDCAとプロセスアプローチ“その9 プロセスマネジメントとは(2)”

E受講生:

プロセスマネジメントの続きについてお話を聞かせて下さい。
T講師: ミシガン大学のラムラーとブラーシュ博士(Geary A.Rummler、Alan P.Brache)は、1990年発行の「Improving Performance」において、この全体最適を組織においてどのように実現すべきであるのかを説明しています。プロセスマネジメントにおける9つの変数を定義し、これらの変数を管理することで組織の全体最適が把握できパフォーマンス向上に寄与させることができると提唱しています。
これは、アメリカの産業界で実際にプロセスマネジメントを導入する際に実証済みの方法論であるとして、特に1990年〜2000年にかけては、フォーチュン1,000社の70%以上の会社が、このプロセスマネジメント方法論から何らかの影響を受けたといわれています。
E受講生: ラムラーとブラーシュ博士の話をもう少し詳しく聞かせて下さい。
T講師:

ラムラーとブラーシュによると、総ての組織は、@組織レベル Aプロセスレベル B業務レベルの3つの階層に分けて考察するのがよいとしています。そして、この3つの階層ごとに、それぞれ@目標、A設計、Bマネジメントの3つの変数を定義しています。従って、全部で9つの変数が定義されますが、これらの管理の方法論を詳しく説いています。
いずれにしても、プロセスマネジメントを論じていると、最後にぶつかるのは評価の問題です。評価指標が明確でないプロセスマネジメントは香りのしないコーヒーみたいなものです。評価指標の問題は、プロセスフローにおけるプロセス移行の責任権限の問題、ひいてはコミュニケーション(打診、依頼、受理、委託、受託、協調、命令、確認、承認等)の問題につながっていきます。
上記の例でいうと、階層間例えば組織レベルとプロセスレベル、あるいはプロセスレベルと業務レベルとの間のコミュニケーションの問題です。加えて、部門(機能)間、例えば、設計と製造間、製造と技術間のコミュニケーションの問題も多くあります。
ISO9001:2000規格の4.1には「品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする。これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする」という要求事項がありますが、ここでいう相互関係とは、コミュニケーションの問題であるともいえるのです。
組織のプロセスを明確にすること、プロセスの順序と相互関係を明確にすることは、プロセスマネジメントにおいて要諦の一つですが、その核心はコミュニケーションの問題にあります。日本式TQCには、品質保証体系図、業務フロー図という手法があります。多くの会社が品質保証体系図を作成しています。品質保証体系図には、部門名と業務プロセスは規定されていますが、階層は品質保証体系図には規定されていません。階層間の業務のやり取りは、打診、依頼、受理、委託、受託、協調、命令、確認、承認等に及びますが、これらの責任権限を含む階層間のコミュニケーションルートは、下位文書(手順書、要領書)に決められているのが普通です(自部門は無論のこと、他部門を含むコミュニケーションルートも重要)。しかし、品質保証体系図と下位文書(手順書、要領書)の複数の文書に規定されている内容を、一元的に理解しようとすると、頭の中に組み上げられるものは人によってばらつきます。品質問題の多くがコミュニケーションギャップ、ミスによって起きていることを考えると、品質保証体系図、業務フロー図等には、階層の次元を追加し、コミュニケーションルートを明確にすることがよいのですが・…。

E受講生: ISO9001規格の4.1にある「…プロセスの順序及び相互関係を明確にする」の規定はどの程度書けばよいのか迷っています。

T講師:

そうだと思います。「…プロセスの順序及び相互関係を明確にする」目的は何かをよく確かめないと、空振りに終わる可能性があります。やたらと緻密に作成してみても日常業務の中に使用されないようでしたら意味はないのです。多くの人が一目見て理解できるように、部門、プロセス、階層の3次元を1枚の画面に表示する組織機能図(品質保証体系図、業務フロー図等)も提案されています。

E受講生:

そうですか。当社でも採用できるかどうか検討してみたいと思います。どうもありがとうございました。

(バックナンバー)

PDCAとプロセスアプローチ“その8 プロセスマネジメントとは”
ISO9001:2000規格の修正(amendment) その1
PDCAとプロセスアプローチ “その7 バランススコアカードとは”
PDCAとプロセスアプローチ “その6 方針管理とは2”
PDCAとプロセスアプローチ “その5 方針管理とは”
PDCAとプロセスアプローチ “その4 誰がPDCAを言い出したか”
PDCAとプロセスアプローチ “その3 PDCAによる管理”
PDCAとプロセスアプローチ “その2 PDCAの制約”
PDCAとプロセスアプローチ “その1 PDCAの落とし穴”
7.2.1 「製品に関連する要求事項の明確化」“c)法令・規制要求事項とは”(1)
7.4 購買“購買製品には測定機器も含まれるのか”
8.2.2 内部監査 “QMSが個別製品の実現に適合しているとは”
5. 2 顧客重視
8.2.3 プロセスの監視及び測定“総てのプロセスを監視、測定するのか・・・”
8.2.2 内部監査 :プロセス及び領域の状態と重要性とは?
8.2 測定、分析及び改善 「一般」 : ここですることは?
3.定義 「顧客」について
7.3.3 設計・開発からのアウトプット“様式とは”
7.2 「顧客関連のプロセス」営業を顧客と考えるが・・
7.5.2 「・・・プロセスの妥当性確認」の適用除外
7.3.4 設計・開発のレビュー“参加者は”
7.1 製品実現の計画“製品に対する品質目標”とは
7.2.2 製品に関連する要求事項のレビュー“記録を維持すること”
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化“組織が必要とする・・・”
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化“顧客が明示していないが・・・”
7.5.2  「製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認」における特殊工程
7.6 監視機器及び測定機器の管理における記録
7.2.1a) 顧客が規定した要求事項
7.1 実行に適した様式
7.1c) 検証、妥当性確認、監視、検査および試験活動とは
7.3 設計・開発 の除外について
7.1 製品実現の計画:製品の定義
7.1 製品実現の計画:その他のプロセス
7.1 製品実現の計画:“該当するもの”
7.1 製品実現の計画:品質計画書
適用除外2
適用除外1
8.5.1 継続的改善:継続的改善の位置付け
8.5.1 継続的改善:継続的に改善するとは
8.4 データの分析:供給者に関連する情報
8.4 データの分析
8.3 不適合製品の管理:影響に対して適切な処置
8.3 不適合製品の管理:特別採用
8.2.4 製品の監視及び測定
8.2.3 プロセスの監視及び測定
8.2.2 「内部監査」原因の除去
8.2.2 「内部監査」独立性
8.2.2 「内部監査」・・・効果的に実施され
8.2.2 「内部監査」品質マネジメントシステムが・・・
8.2.1 「顧客満足」情報の監視
8.1 「一般」統計的手法
8.1 「一般」プロセスを計画し、実施するとは
“〜を含む”とは要求事項?4
“〜を含む”とは要求事項?3
“〜を含む”とは要求事項?2
“〜を含む”とは要求事項?
8.5.1 継続的改善:品質マネジメントシステムの有効性とは
8.2.3 プロセスの監視及び測定;どのプロセスを監視及び測定するのか
8.2.2 内部監査;原因の除去とは
8.2.4 製品の監視及び測定;製品とは
8.2.4 製品の監視及び測定;当該の権限をもつ者
8.2.4 製品の監視及び測定
7.6 監視機器及び測定機器の管理
4.2.2  品質マニュアル;“文書化された”手順とは
4.2.2 品質マニュアル;品質マネジメントシステムを規定するとは
4.2.3 文書管理;レビューとは
4.2 文書化に関する要求事項;組織が必要と判断した文書とは
4.1 一般要求事項;a)b)プロセスの明確化と相互関係
「依頼者」とは誰?
4.1 一般要求事項;アウトソースと購買の違い
4.品質マネジメントシステム;品質マネジメントシステムとは
5.4.1 品質目標
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画
     
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