みなさまへのタイムリーな情報発信ツールとして、2008年12月にメルマガを創刊いたしました。
「つなげる」をテーマに「つなげるツボ」と名付けた本メールマガジンは、 代表の平林良人がISO/TC176/SC2の国際委員、ISO9001:2008審議経験、東京大学講師、環境プランニング学会副会長などの活動を通して日頃感じている、 マネジメントシステムとはいろいろな要素をつなげることである
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2012年01月25日
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----------------------------------------------------- ■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.47 ■□■ *** いろいろなQMS*** ----------------------------------------------------- ■□■ トップダウンとボトムアップ ■□■ 組織経営において、事柄をトップダウンで行っていくのか、 ボトムアップで行っていくのかについては、当然のことながらやり方に 違いが出てきます。 これは発想の原点が変わることによってマネジメントの仕方が 変化するためですが、これらの違いがどのようなものであるのかについては 多くの人がいろいろな場面で感じているところではないでしょうか。 いろいろな世界にトップダウン思考、ボトムアップ思考があります。 中世を支配した天動説はまさにトップダウン思考の象徴です。 ガリレオの地動説は否定されたまま100年がたちましたが、 その間トップダウンが導きだした通説(宗教界の唱える天動説)の考えが 宇宙の真理を隠蔽してきました。 すなわち、地球が宇宙の中心であるという絶対的な思想が長い間 真実を隠してきたということです。 組織にも似たような誤りがないでしょうか。 QMSは「こうあるべきだ」といわれ、自分たちの実態を顧みずに従順に 盲目的な規定を定めていないでしょうか。 組織経営の世界では、欧米式の経営はトップダウン、日本式経営は 全員参加のボトムアップと言われてきましたが、トップダウンと ボトムアップの発想というものは、品質管理や組織経営ばかりでなく いろいろな場面で使われるのです。 ところでQMSにおいてもトップダウンを否定しませんが、 トップダウンだけで全てを律しようとすることには無理があります。 現場における様々な実態を知り、そこから規定を決め、規定を作成する ボトムアップの考えで検証することが必ず必要です。 ■□■ ドーナッツ現象化の防止 ■□■ 通常、システムをデザインする場合、経営の目的や製品・サービスの 現状や目指すべき姿を思い描き、そこから必要となる要素、たとえば 先行投資、人材育成などをトップダウンで計画します。 しかし時間が経つといろいろな変化が出てきます。 ほころびも出てくるし、経営環境も変われば競争相手もどんどん変わります。 このような状況においては計画と事実の検証が必要になりますが、 このようなときこそトップダウン、ボトムアップ両方からの見方が必要です。 QMSを構築することはできたが、品質が少しも良くならないと 組織の経営者が言われるのは、このギャップをそのままに放置しておくからです。 世の中すべてが動いているのですから、ある時間が経過すれば 2つのもの(計画と実態)にギャップが出てくるのは当たりまえです。 トップダウンとボトムアップ、2つの思考方法を組合せればヒントは 必ず見つかります。 仕組みを作っても中味が良くならない(質がよくならない)と言われる 「ドーナッツ現象」をなくしていきたいものです。 計画と実態のギャップの例には次のようなものがあります。 ― 規定類 ― 新旧混在した帳票 ― 古い管理図やQC工程表 ― 要員の教育訓練 ― 作業環境 人が変わる、部署が変わる、製品が変わる中で 更新が欠かせないものばかりです。 質を確保するバックグラウンドの変化に追いついてけないと 標準化は崩れ去ってしまいます。 ■□■ コミュニケーション能力 ■□■ 最近他人と対面してうまく話が出来ない大学生が増えてきているという。 会話は専らメール、話すことが減ったからだというが 組織に入ってのコミュニケーションは大丈夫だろうか。 組織の中では確かにメールもコミュニケーションツールですが、 それにもまして重要なものは対面しての直接コミュニケーションです。 ISO19011でうたわれている倫理的で、心が広くて、外交的で、 観察力・知覚が鋭く、粘り強く、決断力があり、 自立しているという資質はバラバラに見えるが、 つながってコミュニケーションが上手であるということになります。 言い放しでなく心を広くもち、観察力をもって聴く≠ニいう切り口を 大切にしないとコミュニケーションは成立ません。 最も大切なのは互いの顔を見ながらのコミュニケーションですが、 観察力があると相手の顔から情報が得られるし、 知覚が鋭いと声の調子から感情を察知できます。 QMSの有効性を確認するために行う内部監査も コミュニケーション次第で効果が出る、出ないが決まってきます。 内部監査が指摘と応酬のみに終わってしまうことが少なくありません。 人の心は見えませんが、表面的には見えない心の行間に隠れたものを 顕在化できるのはコミュニケーション次第です。 (2011/10/13発行) -------------------------------------------------------------- ■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.48 ■□■ *** 第2の頭脳*** -------------------------------------------------------------- ■□■ 自律神経 ■□■ 人間の体には第2の頭脳があるそうです。 この頭脳は胃腸システムに存在し脳が考えることとは異なる思考をし、 胃腸のコントロールをしているのだそうです。 よく自律神経といいますが、脳とは別に自分で勝手に動くゆえに自律と 言われるのでしょう。 しかし、第2の頭脳といえども体全体は第1の脳(本当の頭脳)によって コントロールされているわけですからまったく勝手に動くことはできません。 脳と胃腸の頭脳が一致した思考にならない場合には、体はストレスを感じ それが故に健康を崩すことになるそうです。 逆に、体のすべてを脳がコントロールしているわけではなく、 ローカル(胃腸)にも自律したシステムをもたせているところに 体の素晴らしさがあると思います。 ■□■ マネジメントシステム ■□■ 組織経営でもこのアナロジーが使えると思います。 組織全体のコントロールは脳に当たる経営者の役割です。 しかし、組織の全てにわたって目を行き届かせることは現実困難です。 胃腸システムのようにローカルな自律システムが組織経営にも必要です。 権限移譲ということがよく言われますが、組織の分課分掌の規定は極めて 重要なものです。 マネジメントシステムは体と同じようにトップ(第1の頭脳)のもとにありますが、 第2の頭脳として自律して動かなければなりません。 私はその役割は事務局にあると思います。積極的に動く事務局と そうでない事務局とではマネジメントシステムの運用に大きな差がでてきます。 勝手に動くと事務局は体と同じようにストレスを感じることになりますが、 活動する方針については第1の頭脳に従うが、 日常の運用(活動)は胃腸と同じように自律的に動かないと、 組織はマネジメントシステムを蔑ろにしてしまいます。 事務局のみならず、すべての人が自律的な第2の頭脳になるべきですが、 そのためにはモチベーション(やる気)が必要です。 ■□■ キャリアを考える ■□■ モチベーションを持つ方法の一つは自分のキャリアを考えることです。 テクノファでは定期的にキャリア・カウンセラー(キャリア・コンサルタント)コースを 行っていますが、昨今のISOマネジメントシステムの実態をみるにつけ 人と人とのコミュニケーションの大切さを強調せずにはいられません。 マネジメントシステム文書はきれいに整っていますが、 システムが表面的にだけしか機能しておらず形骸化している組織がありますが、 この組織には第二の頭脳がないのでしょう。 実情を見ると標榜しているものとは明らかに違う、 これでは認証を信用したユーザーや消費者の期待を裏切ることになるのでは ないかというようなケースも見受けられます。 肝心なことは、システムという枠組みだけを整えるのではなく、仕事をする人が、 要求事項の中身を理解し、システムを自分の仕事の中に定着させるような機能を 果たしていることです。 つまり、システムに心を入れることが大事です。 それには働く人の仕事へのモチベーションが不可欠です。 今している仕事は自分にどう関係しているのか、上司と部下の関係、給与の問題など、 組織の中には仕事と人を巡っていろんな軋轢があります。 それらを考えずに、従業員に無機質にマネジメントシステムを要求してみても、 血の通った仕組みにはなりません。 日常の事象を管理するときに重要なのは人の品質です。 だからこそ人を理解でき、人を適正に評価でき、 適切な方向に導いていけるようなリード役の人材がいないといけません。 ■□■ キャリアコンサルティングコース ■□■ 研修の中でどういった悩みがあるのか、受講生の方に聞くと、 「上司から日常期待されていることがはっきりしない」、 「自分は一所懸命やっているつもりでも評価されない」などの理由で、 社員の生産性が落ちたり、退社したりするなど、いろんな問題がわかってきます。 キャリア・カウンセリングでよく「自分の内面を見る」と言いますが、 企業も内面を見ることが求められます。 外からは立派な会社に見えても、自分の職場にどんな悩みや不満が渦巻いていて いるのか、ふたを開けて中を見ようとしない経営者が時折見られます。 これでは企業はよくなりません。それを見える形にする働きかけが重要です。 それでも、現場の中間管理者は、何とか頑張ろうとしています。 そういうときに、企業のキャリア・カウンセラー(キャリア・コンサルタント)が、 トップとミドルの架け橋になり、ミドルに働きかける力、 さらには組織の風土改革の担い手となることが期待されています。 しかし、その前提にはトップの理解と教育が大きな課題です。 私どもが研修させていただいたISO審査員が指導するのは中小企業さんが 多いものですから、そういう話を社長さんにもします。 大企業であればカンパニーや事業部クラスのトップには直接お話しして、 従業員の声を聴く耳を持ってもらうようにしています。 キャリア・コンサルタントが企業に常用雇用されていると安定感があります。 キャリア・コンサルタントが働く人にじかに対面できるようになっているからです。 キャリア・コンサルタントの手によって、従業員のメンタルヘルスや 休職などについていつでも相談に応じられるように、十分な数の キャリア・コンサルタントが企業内に設置され、いつでも接触できるような 土壌ができることがこれからの日本の課題だと思います。 また、マネジメントする立場の人、例えば役職では部課長以上に 人間の行動心理を勉強させ、キャリア・コンサルタントの資格を持つことが 当たり前という意識が産業界に醸成されればいいと思っています。 ■□■ 当社のコース ■□■ 実際、私どもの養成コースには部下のすすめで部長が送り込まれてくる ようなこともあります。 ISOの事務局の方もきます。 楽しみながら受講していただいて、人が成長するとはどういうことかを しっかり学んでいます。 そういう心得のある部課長の下では、従業員が活き活きと気持ちよく仕事ができ、 気持ちよく仕事ができれば成果が上がり、成果が上がれば仕事が面白くなる、 というよい循環に入ります。 個の活性化によって組織の効率や生産性が上がるようになり、日本の産業界は まだまだ伸びると思います。 それが社会貢献につながると思います。 企業が永続していくために、従業員が満足していなければ、 顧客満足度が生まれないと言われます。 お客様、従業員、企業の「三方よし」になるには、従業員の気持ちを受け止める 人材が必要ですし、トップがそう思うことが大事です。 キャリア・カウンセラー(キャリア・コンサルタント)の養成を通じて、 そういう考え方を広めていきたいものです。 カリキュラムは実践的な教育を目指しており、通学15日間と一流講師から じかに学べる機会を重視しています。 受講料も他団体と比較して決して高くありませんので、 中身をよく見ていただいて検討していただければと思います。 さらに今後は、資格ホルダーのフォローを充実していきたいと考えています。 (2011/11/28発行) 株式会社テクノファ メールマガジン編集局
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