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新社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その13)

 

2.3 経営の目的と目標

あなたが今所属する会社では、将来のことについての意見交換、議論をする機会はどれくらいありますか。なかなか日々の溢れるような仕事に向き合っていると、20年後、30年後という遠い将来について言葉を交わす機会はないかもしれません。ですが、その会社も創業の時には必ず将来のそして遠大と言ってもよい思い(「志」という言葉がぴったりくるでしょう)を創業者が持ち、会社を起こしています。
このような話をするときに、よく持ち出されるのがソニーの創業者のひとり、井深大氏の起草した設立趣意書です。
「東京通信工業株式会社設立趣意書」としてソニーのホームページに掲載されていますので、一度見ていただければと思います。

その中でよく取り上げられるのは、会社設立の目的の中のある言葉です。目的に関して8項目が箇条書きで挙げられているのですが、その第1項で「自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」の言葉は本当にあちこちで見聞きするほど多くの人々の心を捉えています。

世界的ベストセラーとなった書籍「ビジョナリー・カンパニー」ジム・コリンズ著、日経BP社でもソニーのことが取り上げられています。この書籍も有名な本で発刊から既に25年以上経ち、この本の中で賞賛された企業がその後没落してしまったという批判はあるものの、一読の価値はとてもある本です。
学ぶべきことは、経営者のみならず全ての社員が近視眼的思考に陥ることなく、会社の将来を意識することはとても大事である、ということです。そしてそれはその会社にとっての目的という言葉で考えることの大事さにつながります。企業存立の目的と言ってもよいでしょう。何を成し遂げるのか。単に今日、明日の売上を立てる、ということではなく、世の中にどのような価値を提供していくのか、何を成し遂げようとしている会社なのかが世の中の人々にまで明確に伝わる会社が、高く評価され、結果として売り上げ伸ばし成長していきます。
その会社の大きな、そして遠大な目的を新入社員であっても、あなたが理解することは社会人としての第一歩であると共に、大事な基本作法です。

1.3で、自社を知るという観点で説明をしましたが、それよりもさらに大きな捉え方が必要であることをここでは理解してください。ここまで深められてこそ、本当の意味で自社を知る、ということができたと言えるようになります。 また目的という一般名詞がそのまま会社の中で使われているとは限りません。会社の目的とは何か、ということに対して、それぞれの会社では別な言葉を用いているケースが多くあります。
「創業の理念」、「社是」、「ビジョン」、「経営理念」などという言葉はよく用いられます。「目的」という言葉を見つけることにやっきになるのではなく、目的に該当することを自分の会社ではどのような言葉を用いているかの調査、認識から始めることをお勧めします。

(次号へつづく)