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新社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その16)

3.2 PDCAサイクル

サイクルという言葉自体、あまり聞きなれないかもしれませんね。ライフサイクルとか核燃料サイクルという使い方をするのですが、いずれにせよ、一つの輪をイメージするとよいでしょう。


上司から指示された仕事に一生懸命に取り組んで、期待された成果をあげることは新入社員の人にとってはとても大事なことです。まずは上司に認められる仕事をすることが入社後の当面の目標になりますが、その際に、ただ単に言われたことだけをする、という視点からもう一歩踏み込むことができればより良いということです。但しここで踏み込むと言いましたが、その視点は深掘りするということではなく、俯瞰する、という方向性ですので間違えないようにしてください。

俯瞰する、という少々難しい言葉を使いましたが、「木を見て森を見ず」ということわざを聞いたことがあるのではないかと思います。自分の仕事に集中していけばどうしても木をじっくり見る、更にそれを深掘りしてみる、ということが必要になってきます。但し意識がそこばかりに行くと、全体を見ることがおろそかになってしまいます。ある一本の木にだけ一生懸命気をつけても、森全体の状態がわかっていないと判断を間違うことになりますよ、ということをこのことわざでは伝えようとしています。

それと同じことがPDCAサイクル全体をしっかり見ることが大事ですよ、ということにつながります。新人の内は関与する仕事の多くはDoの部分であったりCheckの部分の仕事のはずです。そこに注力することは必要ですが、森であるPDCAサイクル全体が理解できているのと理解できていないのではやはり仕事の取り組み方、そして成果の出し方に違いが出て来ます。
PDCAサイクルは、A(つまりAct)で終わりではなく、一旦出て来たAの部分が次のPの部分へとつながっていくことによって、継続性が生まれると共に、継続的改善が初めて進むようになります。
そのことを「PDCAを回す」という言い方が世の中では用いられているのです。

少し話が膨らみますが、企業活動は、年度という区切りはありますが、基本的には終わりはありません。たとえば2030年には当社解散します、などと宣言する会社にあなたは入社しようとは思いませんよね。
結果として事業に失敗して倒産、解散ということになるリスクはどの企業も背負っていますが、いずれも、期限を区切って事業をするのではなく、ずっと続けることを原則として経営は行われます。企業会計も同様の原則で行われるため、ゴーイングコンサーンという概念で処理が行なわれるのです。ゴーイングコンサーンという言葉も日常生活においては全く使いませんが、社会人として覚えておいて欲しい用語であり概念です。

(次号へつづく)