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新社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その20)

 

4.1 標準化とは

先に標準化は生活の利便性向上に欠かせない、という話をしました。私たちは日常生活において様々な場面でこの標準化の恩恵を被っています。
例えば通勤のシーンで考えてみましょうか。読者の皆様は多くの方が電車通勤か車での通勤をされていると思います(少数の方は自転車通勤、徒歩による通勤、ということかと思います)。

まず電車通勤で考えれば、まずは駅まで徒歩等で行って、改札口を通りますね。その際、定期券を昔は駅員さんに見せていましたが、今はかざす方がほとんどでしょう。いわゆるICカード乗車券(交通系電子マネーという言い方もされていますね)を皆さんは持ち活用されていると思います。このICカード乗車券にはいくつもの種類があることはご存知でしょうか。発行当初は関東のICカード乗車券では関西で電車に乗ることができませんでしたが、2013年に全国のICカード乗車券の相互利用が開始され、出張に行った時などでも都度切符を買う必要がなくなり本当に便利になりました。

難しい説明をすると、非接触型ICカード方式を採用している電子マネー機能付き乗車カードという標準化が図られたカードによって、この相互利用が可能になったのです。情報のやり取りの方式が統一されている(標準化されている)からこそできる技、ということになります。

さて、通勤シーンに戻りましょうか。
少し長い時間軸にはなりますが、今の交通網は10年、20年前とは様変わりになってきました。何が変わってきたかというと、特に首都圏での話になりますが、鉄道会社が違うのに、あるところから電車に取ったら相当先までその電車に乗ったまま行けるようになったということです。私鉄各社でこの状況が多く生まれています。相互乗り入れがどんどん進んだわけです。首都圏の方でないとわからないかもしれませんが、従来は私鉄3社それぞれ運営を行っていたある路線で相互乗り入れを行ったことによって、神奈川県から東京都を通って埼玉県まで1本の電車でずっと行ける、という状況が起きています。

これはなぜできるかというと、まずは線路です。線路の幅が規格で決められ、私鉄各社の車両もその規格に合わせて作られていることで、各社が保有していた車両で他社の線路の上を走ることができるのです。もし線路の幅が各社でバラバラであればこのような相互乗り入れは全くできないわけで、これも標準化の恩恵ということになります。
(相互乗り入れでかえって混雑がひどくなった、座ることができた路線だったのに座れなくなった、という負の部分もある点はここでは目をつぶっておいてください。)

車通勤の方のことも少し触れておきましょう。まず車を運転する際は道路のどちら側を通りますか。もちろん左側ですね。これは交通規則で定められているから、ということになりますが、日本の運転免許証をお持ちの方はすべてこのことを理解したからこそ免許を交付されているわけで、これも標準化が行なわれている一つの事例です。さらに交通規制に用いられる信号。赤、黄、青の3色ですが、これも全国どこに行っても色及び並び順は同じですね。これも標準化ができているからこそ、ということです。

(次号へつづく)