ISO情報

新社会人のきみへ —– ISO攻略(レベル1) —–(その30)

6.3 ISOマネジメントシステム規格誕生の歴史

第二次世界大戦後、ヨーロッパには戦勝国の常駐部隊であるNATO(北大西洋条約機構)軍が駐留していましたが、軍では調達する物品の品質問題に手を焼いていました。
NATO軍の購買部門は、母国の標準化団体に対策を打ってくれるよう依頼するのですが、その結果がISO9001規格を生むきっかけになったといわれています。アメリカでは、1979年に品質マネジメントシステム規格が制定されました。フランス、カナダ、英国等でも同様な主旨の国内規格が相次で制定されましたが、中でも英国の標準化団体であるBSI(British Standard Institute:英国規格協会)が1979年に発行したBS5750規格は、ISO9001規格の誕生に大きく影響を与えたといわれています。

BS5750規格は、Quality systemsとタイトルにあるように品質マネジメントシステムを規格にしたものです。アメリカの規格、英国の規格が購入者からの要求をベースにしていたことが、将来制定されることになるISO9001規格の性格を決めることになりました。

そのような動きの中、ついに1987年ISO9001規格が生まれたのです。但し当時はまだマネジメントシステム規格という言葉、概念は存在しませんでした。1987年に発行されたISO 9001規格のタイトルは「品質システム」とマネジメントという言葉はまだ入っていなかったのです。そしてその後、ISO9001規格は改訂が重ねられていくのですが、第3版となった2000年における改訂時に内容が大幅に拡充、刷新され、そのタイトルもついに「品質マネジメントシステム」と「マネジメント」という言葉が使われるようになり、現在に至っています。

しかしながら、実はマネジメントシステム規格と言われるようになった源流はISO 9001ではなくISO 14001の環境規格の方にあります。環境規格であるISO 14001は1996年に初版が発行されたのですが、既にその時からタイトルに「マネジメントシステム」という言葉が用いられています。
当時はまだ品質と環境を統合したマネジメントシステムを運用しよう、という機運はあまり生まれていなかった時期でもあったため、あまりこの事実は認識されていないかもしれませんが、ISO規格は着々と変化してきているのです。 因みにISO 9001は現在第5版、ISO 14001は第3版が最新版規格となっています。

(次号へつづく)