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オーダーメードの講師派遣型研修について(その4)

【前提条件その3:事務局の方の関与度合い】

最後の条件になります。この条件は、研修を受ける方々の方ではなく、研修を企画する方々についての条件になります。
企業内の研修は、企画運営される事務局の方がいらっしゃるわけですが、私たちとお付き合いのある事務局の方々はやはりしっかり自社全般のこと、そして自社におけるマネジメントシステム運用のことを考えておられる方々がほとんどです。その中でも今回お話しているような難度の高い研修を企画運営される組織の事務局の方々は、受講される方々の属性について把握されておられることが、こちらにもよく伝わってきます。
社歴がどれくらいなのか、内部監査員の初期教育はいつ頃受けているか、そして現在のその人の仕事や立場(管理職なのかスペシャリストなのか等)について把握しておられるのです。
もちろん大きな会社になればなるほど、普段の仕事で接触があるわけではない方も受講を希望され参加されているケースもあるはずです。ですが、詳しくお聞きしたことはありませんが、受講希望者を募る段階で、希望理由をいろいろな角度から本人にインプットしてもらうべく促しているな、ということを感じるケースがよくあります。ある企業では、参加希望者だけでなく、その上司の方からも研修に向けての希望、期待のコメントをもらって本人の意識高揚につなげているところもあります。
そしてこれらの組織の事務局の方々は、ほとんどのケースで研修期間中、ずっと研修室内の常駐しておられます。講師の監視、ということもありますが、それよりも受講されている方々の理解がどれくらい進んでいっているのかを自分の目のしっかり確かめよう、という強い意欲があるのです。そしてそれは講師側にも伝わってきます。そのような気持ちを持った方がいる場ですから、研修会場内には良い意味での緊張感がみなぎることになるわけです。
もちろん受講される方々は、日頃一生懸命業務に取り組まれているが故に、研修中にその疲れが出て、眠気との戦いになって、研修受講に集中できなくなるケースもあります。講師側から見ていると、眠気に襲われているな、という方は幸か不幸かよく見えてしまうのですね。事務局の方も研修スタート時には眠ったりしないようしっかり集中して受講するように、という注意喚起は行いますが、多くのケースではいちいちそのことで叱責をするようなことはしません。その方がたとえある時、集中力を失っていたとしても、肝心の部分の理解ができ、演習でアウトプットがしっかりできていれば、その研修受講は十分に成果があった、と評価できるわけですから(講師はそのように持っていかなければならない責務もあるわけで)、一時の居眠りなどの些細なことにこだわる必要はないのです。
「木を見て森を見ず」ということにならないよう、事務局の方もそこはわかったうえでの対応なのです。

ただし、終了後には、本当に気になる方については意見交換をします。複数日にまたがる研修であれば、翌日は互いにその人に少し目を向ける度合いを高めて対応しましょう、ということを確認しあいます。
このようなやり取りが事務局の方とできれば講師としても不安を抱えることなく研修を進めることができるわけです。事務局の方の関与が研修成功における一つの要素であること、これでだいたいお判りいただけるのではないかと思います。

以上、内部監査員の初期教育と経験者のスキルアップ教育を合体させるオーダーメード研修の成功の秘訣をお伝えしました。ご参考になれば幸いです。

(テクノファ代表取締役 青木恒享)