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ISOの認証取得って大変なの?(その4)

 前回は、身の丈に合った仕組みを通じてISOの認証を取得しましょう、というお話をしました。
 復習になりますが、前回ラグビー選手のお話を出したのを覚えておられますか。体重100㎏が問題かどうか、という例題のお話です。くどいようですが、もう少し補足すると、女性のダイエットで考えてみていただきたいのです。例えばとても素敵な洋服を見つけたが、今の自分の体形ではサイズが合わない、さあどうするか、というときで、なおかつその女性が標準体型の健康な方である、と考えてみてください。その洋服を着るようになるためには相当なダイエットをしなければならない、そして実際にダイエットを始めたが、急いで成果を出そうとして体調を崩してしまい、なかなか回復せず、本当の病気になってしまった、というケースを想像してみてください。ダイエットを始める前までは健康体で充実した毎日を送っていたわけです。そうすると、この素敵と思えた洋服は本当にこの女性にとって良い出会いだったのでしょうか。違いますよね。
 ISOの認証取得にもこれと同じ危険性が潜んでいるのです。今の健康状態がよりよくなるのであれば取り組む価値があります。しかし悪くなるのであれば、残念ながらその判断は誤っていたことになります。
 繰り返しますが、ISOの認証取得はそれほど難しいことではありません。ですがその使い方を間違えると毒になってしまう危険性があります。是非明確な目的意識を持って、健康な人がダイエットをしてかえって体調を崩すようなことにならないように取り組みを図っていただきたいと思います。
 『品質マネジメントシステムの採用は、パフォーマンス全体を改善し、持続可能な発展への取り組みための安定した基盤を提供するのに役立ち得る、組織の戦略上の決定である』(ISO 9001:2015 0.1一般)とISO規格の中でまずは謳われています。最後の「組織の戦略上の決定」ということへの意識を持っていただくことが出発点になるのです。
 従って、これから認証取得をお考えになっているという段階であれば、まずは自分たちの現在の仕事の進め方に問題はないかどうか、改善点はないかどうかの確認から入ることが大事なことになります。自分たちの仕事のやり方を再確認し、まずはそのやり方で良いのだ、ということへの自信を持っていただきたいのです。その上で、ISOの要求事項との照らし合わせを始めていきます。そしてもし、すべての要求事項をカバーしていると考えられるのであれば、すぐにでも認証審査を受けても良い、ということになります。
 とは言え、さすがにそのような組織は少ないかもしれません。足りないところが見つかれば、それをどのように補うかを考えていくことになります。その際の注意点は、決してその追加対応が、それまで持っていた自分たちの仕組みの改悪にならないように進めることです。