ISO情報

ISOの認証取得って大変なの?(その5)

 認証取得に向けての進め方についてお話をしてきましたが、5回目の今回で一旦の区切りをつけましょう。
 今、作られている皆さんの組織の仕組みとISOの要求事項の照らし合わせをし(ギャップ分析という言い方をします)、不足部分を補っていくことで、仕組みのリニューアルが終わると、次はその運用になります。新しくなった仕組みを全社に浸透させなければなりません。そのやり方は色々なやり方がありますが、ある程度の規模までの組織であれば全社教育のような形でイベント的に伝えることが良いと思います。もちろん数百名も社員の方がいらっしゃるような組織であればそうはいかないでしょうから、ISO推進担当(ISO事務局)の方が、各部署を回って説明会をする対応も必要になるでしょう。
 その後、それぞれの部門で新しい仕組みを踏まえた日ごろの運用に移ります。そこで疑問やさらなる手直しの有無を確認し、これで良いだろう、という段階に来ると、次は内部監査の実施です。創業間もない、あまり大きな規模ではない組織にとっては、この内部監査は今まで持っていなかった仕組みかもしれません。ISO認証を目指すために新たに取り組む必要がある事項ということになりますので、少し注意を多めに払って欲しいと思っています。
 ISOの内部監査員は、特に決められた資格があるわけではありません。組織内で、内部監査員の任命手順・基準を決めていただき、それに則って任命し、その方々が内部監査を実施すればよいことになります。任命のための教育訓練も社内で取り組む形で全く問題ありません。大事なことはどのような内容で、力量をつけるか、その内容をしっかりと決め、本当にその力量が身についていることを自分たちの組織として保証できるかどうかです。
 保証と言うと堅っ苦しいイメージになりますが、どのような形で第三者に説明できるか、ということです。そして第三者が納得できる手順があればさらに安心できますよね。
 さて、内部監査は、どの部門にどれだけの時間をかけて行えばよいか、ISOの規定上は一切の指定はありません。すべてが自分たちで考えて実施すればよいことになります。いずれにせよ大事なことは、なぜそのような計画としたのか、その理由を明解にこちらも第三者に説明できるようにしておくことです。
 そしてもう一つはマネジメントレビューです。これは経営者自らが主体的に行う必要があるものです。できれば会議の議事進行すべての経営者の方が行うことができれば理想ですが、なかなかそうもいかない部分もあるでしょうから、ナンバー2の方がうまくサポートしながら進めていく必要があります。
 マネジメントレビューも言葉に踊らされることなく、今までそれに該当する内部対応がどのようなものであったかを踏まえて、仕組み構築を行っていただきたい部分です。今まで定期的な経営会議を行っていれば十分それはISO規格で言うマネジメントレビューに該当するはずです。ISO認証取得のためにマネジメントレビュー会を新たに設置し、規格の詳細条項の内容確認をする場を設ける組織もあるのですが、それが最適解とは一概には言えない点も是非念頭においていただきたいのです。
 肝心なことは、経営者が自ら掲げた経営方針、経営計画に合致するパフォーマンスが出ているのか、その上で、ISOの要求事項に合致しているかを自分自身で確信を得るために会議を行うことです。もちろん今までお話ししてきたように、ただ単にISOの要求事項に合致した自組織の運営ができているかどうか、の確認ではなく、お客様満足を確実に得ることができているかどうか、組織運営の仕組み(人材育成などを含みます)の改善が進んでいるかどうか、です。これを経営者自らが自分できちんと状況把握し、その上で、この先どのような推進を図っていくかの判断を経営者にしっかり行ってもらうことが大事なことです。
 さて、5回にわたりお届けした今回のシリーズ、ここで一旦の区切りとさせていただきます。次回は経営者に関しての話に入っていきましょう。