ISO情報

経営者が取り組む必要があることって何?(その3)

 前2回でマネジメントレビューについてのお話をしてきました。なかなか進まずに恐縮です。今日こそは進めていきますね。
 さて、認証を取得している組織では多くの場合、年に1回のマネジメントレビューを行っていると思います。ISO9001の規格要求事項の中では、会議の議題として、これらのことは必ず含めるかどうか検討してください、ということが決められています。少々回りくどい言い方ですが、必ずインプットに含めてください、ではない点が要注意です。検討の結果自社にはふさわしくないと思えば、それらを会議議題として取り上げる必要はないということです。ただし念の為申し上げますが、議題とするかどうかの検討は必ずしてください。
 そして会議のアウトプットについては、こちらはこれらのことを必ず入れてください、ということが決められています。このレベルの対応で審査対応は問題なく終えられるわけです。これらのことにきちんと取り組んでいただき、レビューをしていただければ、品質に関する保証という観点では、しっかりとした取り組みをしている、と実証することにつながっていきます。だからこそISOに取り組む価値があるわけですし、第三者認証という制度がここまで広がってきたわけです。具体的にどのような要求事項が列記されているか見ていきましょう(ISO9001より引用、ISO14001においても基本同内容と思って構いません)。

  • ●会議にインプットする検討を加える必要がある事項
  • a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
  • b) 品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
  • c) 次に示す(下記の1)~7)のこと)傾向を含めた,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
    • 1) 顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック
    • 2) 品質目標が満たされている程度
    • 3) プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合
    • 4) 不適合及び是正処置
    • 5) 監視及び測定の結果
    • 6) 監査結果
    • 7) 外部提供者のパフォーマンス
  • d) 資源の妥当性
  • e) リスク及び機会への取組みの有効性(6.1 参照)
  • f) 改善の機会
  • ●会議で結論を出し、指示を出す必要がある事項(アウトプット)
  • a) 改善の機会
  • b) 品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性
  • c) 資源の必要性

 さあ、いかがでしょうか、まず数が揃っていないことに驚かれたでしょうか。インプットについては、緩やかな制約にしてしまうと品質を保証する、ということにつながらなくなるリスクが高まるので、ある程度の項目数が並んでいます。一方で、アウトプットは3つしかありません。極めて基本的かつ重要な項目が限定されて要求されている、と理解してください。これだけでも一応十分とは言えるのですが、できればこれは本当の最低限のものであって、これにどれだけ上乗せするかは組織自らの判断が入るべきもの、と捉えていただくとよいですね。
 是非、審査におけるぎりぎり合格を目指すのではなく、自分たちの会社の製品なりサービスなりを本当にお客様に胸を張ってお勧めできるようにするために、マネジメントレビューでしっかりと組織内をコントロールしていって欲しいと思います。それが経営者に求められている発揮すべきリーダーシップの一つなのです。