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経営者が取り組む必要があることって何?(その4)

 さて、経営者が取り組む必要があることのシリーズ4回目になりました。今回は少し前段階に戻りましょう。今まではシステムを構築し、運用する段階で重要なマネジメントレビューを取り上げましたが、今回は構築段階からのお話です。第三者認証を取得する上で大事なことは、取得を目指すぞ、という経営者の号令なのですが、そこはまあ、あまりご説明せずともイメージしていただけるのではないかと思います。よって今回は、号令をかけた後、経営者が行わなければならないことについて触れたいと思います。
 さあ、それは一体何でしょう。
 いきなり答えをご説明するのではなく、少し遠回りをしますね。
 経営者にとって大事なことは組織を経営し、きちんと利益を出して(公的機関は除きます)組織を継続させることです。そのためにISOの認証取得が役に立つと思うからこそ、認証取得の号令を出すわけです。さあ、その決断をするベースには何があるかを考えてみていただきたいのです。
 組織を経営していく上で大事なことは何か、ということになるのですが、色々な考え方はあるとはいえ、やはり私は理念(言葉は別な言い方でも全く構いません)であろうと思っています。経営理念とか、ビジョンとか、社是と言われるものです。歴史のある組織であればたいていの場合、成文化されていることと思います。経営をしていく上で一番のベースになる、根幹をなす概念になります。
 この理念をベースにして、経営計画というものを作っていくわけです。場合によっては中期経営計画という名称で運用されているかもしれませんね。経営者にとって、自分の会社はどのような歴史があり、今どのようなお客様にどのような製品(サービス)を提供して成り立たせているかはよくわかっていることです。そしてそれを継続させていくために、そしてさらに発展させていくめに何をしていけばよいか、ということも色々なことが頭の中にあります。その中の大事な一つが、自社の製品(サービス)の質をいかに確保し、より良いものにしていくか、ということなのです。そのために何をすべきか。ここまで来ると経営者も色々と悩みます。そして一部の経営者はISO 9001の認証を取得することでそれを成し遂げよう、と考えるのです。なぜそう考えたかと言えば、ISO 9001の認証取得により、対外的なアピールができる、というメリットも一つではありますが、やはり顧客満足を追求する組織の仕組みを構築したり、品質の改善を継続的行う仕組みの構築ができる、という魅力を理解したうえでの判断なわけです。
 つまり経営者が行わなければならない大事なことは、なぜ、ISO 9001に取り組むという経営判断をしたのか、どのような組織、そして仕組みを作っていきたいのかをしっかりと社員の皆さんに説明することが大事なことになるのです。
 そこを怠ると、ただ単に商業主義的にあるいは取引先から言われたから、という観点で自社はISOに取り組む判断をしたのだ、という思いを社員の皆さんに植え付けてしまうのです。残念ながらこのような雰囲気になってしまうと前向きな気持ちそして行動を引き出すことは困難になります。
 なぜISOが自社に必要なのか、それを自分の言葉でしっかり語る。これは「やるぞ!」と号令をかけた経営者の方にとっては必ずやっておいて欲しい大事なことなのです。