ISO情報

ISO規格要求事項って何?(その2)

 前回に続き、規格要求事項についての少し入り込んだご説明を今回はしていきます。
 前回、規格要求事項とはISO規格の文章の中で「~しなければならない」となっている部分が該当すると共に、その「~しなければならない」となっている全項目をクリアすることで初めて審査に通る、というご説明をしました。この部分はご理解できましたでしょうか。
 下記に、実際の要求事項の一例を挙げておきます。

ISO9001(JIS Q 9001) 4.4.1項より抜粋
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 組織は,品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体にわたる適用を決定しなければならない。また,次の事項を実施しなければならない。

  • a) これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確にする。
  • b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
  • c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し,適用する。
  • d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。
  • e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
  • f) 6.1 の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
  • g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する。
  • h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。

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 上記の条項では「~しなければならない」の文言が2カ所出て来ます。前段の「適用を決定しなければならない」と後段の「また、次の事項を実施しなければならない」です。
 文章自体は続いて書き記されていますが、内容は異なり、前段が一つの要求事項、そして後段が更に別の要求事項ということになります。そして後段の「~しなければならない」はその後に続くa)~h)の各個別項目につながっています。つまりここで記された「~しなければならない」は1回登場する言葉ですが、実際にはa)~h)の8項目すべてにかかる「~しなければならない」なのです。
 このようにしてみていくと、ISO規格要求事項としての文書の中で「~しなければならない」の記載は100カ所程度に出てくる、という説明を前回しているのですが、実際に対応しなければならない項目はその数倍に膨れ上がります。そのためISO対応は大変だ、という意識を持つ方が出てきてしまうのが実情です。
 確かに楽に対応できるとは申しません。一から対応しようと思えばかなり大変になるかもしれません。しかし今あなたが所属する組織が多少なりとも社歴を重ねている会社であれば、会社としての仕組み、お客様とのやり取りというものは一定レベルで出来上がっているはずです。そしてそれらの出来上がっている仕組みの基本部分こそがISOの規格要求事項と重なっている部分になってくるのです(特にISO9001の場合)。ISO14001のように環境分野に特化した規格対応となると、今あなたが所属している組織で出来ているかどうかは何とも評価判断はできませんが、組織として継続しているイコール一定レベルのマネジメントができているということは間違いありません。
 そこからそれぞれの会社組織におけるISOの有効活用法を考えて行って欲しいのです。
 規格要求事項がどのようなものか、ご理解進みましたでしょうか。ご質問がある場合は下記のフォームから遠慮なくお問い合わせください。
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