ISO情報

ISOの審査はどのように行われるの?(その3)

 本項3回目に入ります。前回は審査には2つの段階があることの概略と、組織としての要望をどんどん認証機関側に伝えましょう、というお話をしました。
 今日は審査当日がどのような流れになるのかのご説明をしたいと思います。
 審査が何日間連続で行われるかは組織の規模によって異なります。中小企業であれば1日で終わるケースもありますし、中小企業であっても、審査員が一人で来る場合は1日では終わらず2日間(1.5日というのもあります)の審査問うことにもなります。
 国際的なISOの審査ルールで組織の従業員数によって審査工数が決まっているためなのです。

 さて、審査が1日で終わるケースで考えていきましょう。
 朝一番で審査員が主導で行う初回会議で審査が始まります。その初回会議では、出席者の確認から始め、審査の目的、審査範囲、その日の計画について、事前すり合わせ情報と違いがないかどうかの確認を行います。適合、不適合という言葉の定義や、どのような状況になれば合格となって、認証証(登録証)発行に行き着くのか、という説明をなされます。そこで双方質問がなければ通例15分程度で初回会議は終わります。なお初回会議にはトップの方の参加が必須と思ってください。どうしても緊急事態が起きた場合は別ですが、初回会議のみならず最終会議もトップが出席しないことには本来得られるべき審査を受ける効果が落ちることは間違いありません。ご注意ください。

 そしてこの紹介会議以降がいよいよ審査本番ということになります。複数名の審査員でチームが構成されていればその段階以降、審査員は役割分担に応じで審査対象部署に散っていくことになります。
 但し、多くの場合は初回会議終了後はトップ(経営者)インタビューを行います。そこで得られる情報は全審査員にとっても貴重な情報のため、複数名審査員がいる場合でもここまでは散り散りになることなく、全審査員がトップインタビューに参加するケースが一般的です。
 そしてトップインタビューが終わると、審査員は各現場部署に出向いて(場合いよってはその場所に当該部署の責任者が資料等を携えてやってきて)審査が始まります。
 基本はISO規格に要求事項に対して、組織の活動が合致しているかどうかを評価判定しますが、組織がISO要求事項以上にレベルの高い規定を設けてそれで日頃の業務を行う仕組みを構築している場合は、その仕組みに基づいた組織運営がなされているかどうかも審査対象となります。

 審査は規格要求事項に書かれている内容を、要求事項の項番に沿って聞いていくものではありません。組織の業務の流れに沿って、それが規格要求事項と照らし合わせて問題ないかどうか、組織の業務の流れの中で規格要求事項の内容が網羅されているかどうかを見ていくことになります。

 昔のISO審査では規格要求事項の項番通りに順番に確認していく、というスタイルの審査が行われていましたが、それでは組織にとっての価値が低い、ということを審査をする側、受ける側双方が感じ、審査の進め方に関する理解、認識を深めていくことによって、審査のやり方も変化(進化)を遂げてきました。
 但し一部の認証機関では旧来型の審査がまだ行なわれている、という声も聞こえてきます。以前は、ISO規格要求事項の項番通りのISOマニュアルを作成するようにと認証機関側が組織に求めていたところもあるのですが、そのような対応をする認証機関はだんだん生き残れなくなってきました。認証機関そして審査員にも正直、力量の差があります。是非組織の皆様には、その力量差を見抜く目を持っていただきたいと思います。
 次回に続けます。