Daily Archives: 2022年1月12日

平林良人の『つなげるツボ』Vol.342

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.342 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ナラティブ内部監査46***
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ナラティブ内部監査シリーズも最後です。
実践し効果が確認できたならば、第5ステップに進みます。第5
ステップは「解決したことを水平展開、歯止めして改善する。さ
らに、改善したことを革新へのインプットにする。」となってい
ます。
・第1ステップ : 今行っている内部監査をレビューする。
・第2ステップ : どのような内部監査を行いたいか、行うべ
         きかを組織内でコンセンサスを得る。
・第3ステップ : 内部監査員、被監査者の共同作業の基盤を
         作る。
・第4ステップ : 発見された問題(不適合、観察事項、気づ
         き事項)などを解決する。
・第5ステップ : 解決したことを水平展開、歯止めして改善
         する。さらに、改善したことを革新へのイ
         ンプットにする。
改善の効果は歯止めされなければなりません。歯止めとは坂道に
止まっている車両の車輪が動かないようにする木製、鉄製の道具
を言いますが、まさしく改善が元に戻らないようにする活動を意
味しています。

■ 効果の水平展開 ■
ここで言う「水平展開」は歯止めの前(あるいは並行して)に行
う活動です。改善を行った部署とは異なった部署、部門などに同
様なことを行うことを意味しています。当然のことですが、行っ
た改善がすべての部署、部門で同様な効果を発揮するわけではあ
りません。しかし、組織の中における改善が同じ組織の中であり
ながら他の部署、部門に展開されず、改善した部署だけで限定的
に行われているという例は多く見受けられます。

■ 改善の歯止め ■
水平展開したら歯止めです。坂道で車が動かないように車止めに
使う木製或いは鉄製の道具が歯止めですが、インターネットで自
動車部品のカタログを見るといろいろなタイプの歯止めが売られ
ています。
道具の「歯止め」に倣って、元に戻らないようにすることを改善
の歯止めと呼んでいます。具体的にいいますと、改善したことを
「見える化」することです。関係者に改善したことのやり方を周
知徹底させ,確実に実施できるようにするためには、関係者が忘
れないように、何らかの形で見える化すること、すなわち文書
(見える化)にしておくことが必要です。
文書にもいろいろなタイプがあり、絵であったり、チャート(管
理図、チェックシート)であったり、手順書であったりします。
さらにそれらの文書に基づいて関係者に教育・訓練することも忘
れてはなりません。歯止めがきちんとされないと,せっかく進め
てきた改善がそのときだけの活動になってしまうことになります。

■ ナラティブ内部監査シリーズも最後 ■
ナラティブ内部監査シリーズもこの46回をもって最後です。内部
監査の形骸化が叫ばれ、何とかしたいという企業の皆様のお声が
出始めて早20年にもなろうかと思います。パフォーマンス向上に
寄与できる内部監査にしたい、という多くの組織の皆様のご相談
に、できるだけ具体的に有効性が期待できる内部監査のやり方を
お伝えしてきたつもりです。
今後の課題は今まで述べてきたことを実践することにあります。
幸い昨年後半、ナラティブ内部監査を実践してみよう、事例を作
ってみようという私の呼び掛けに呼応していただいた11社の方々
と、今後具体的な実践活動をしていく予定となっています。
2022年6月頃には何らかの実践報告が出来るのではないかと思
います。
今後ともナラティブ内部監査にご興味を持っていただければ幸い
です。

■ 改めてナラティブとは ■
2022年の正月休みにハラリの「サピエンス全史」上下巻を読み
ました。世界で500万部売れてベストセラーとなっている本で、
皆さんの中にも既にお読みになった方もいらっしゃると思います。
3年前のNHK/BS放送の3人の識者対談で彼が発言中に「ナラ
ティブ」という言葉を3,4回使ったのですが、「ナラティブ内
部監査」と名付けた所以はこのハラリの発言にあったとは以前
お話した通りです。
その元になっているところを「サピエンス全史」上巻から引用
します。
「サピエンスが発明した想像上の現実の計り知れない多様性と、
そこから生じた行動パターンの多様性は、ともに私たちが<文化>
と呼ぶものの主要な構成要素だ。(略)認知革命以降(7万年
前)は、ホモ・サピエンスの発展を説明する主要な手段として歴
史的なナラティブが生物学の理論に取って代わる。」
少し難解ですが、次回から正月に読んだ本に触れたいと思います。