■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.27  ■□■

■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.27  ■□■

    *** 提供する製品 ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

今回は「マネジメントシステムには良い設計が必要」として、
その4【d)提供する製品】についてお話をしたいと思います。

ミャンマーの両替の続きから話を始めたいと思います。

■□■ ブラックマーケットにもいろいろある? ■□■

私はてっきり歩いて行くとばかり思っていましたから、ボーイが
タクシーを呼ぶ身振りをしているのを見てまた不安になりました。

どのくらい遠くへ行くのだろう、そもそもタクシー代も持ち
合わせていないし・・・。

10分くらいメイン道路を走ったでしょうか、とある空き地に
車は止まりました。ここからは歩いていくようです。俺の後を
付いて来いという身振りに従って2、3分路地から路地に入って
いきました。

薄暗い粗末な小屋に着きました。玄関ともいえない入り口に男が
一人立っていました。横を見ると便器が丸見えのトイレと風呂
でしょうか、コンクリートむき出しの、そこから汚水が流れ
出している、何ともいえない臭いの中で両替が始まりました。

■□■ 運転手は日本語を話し出した ■□■

1万円で100ドル貰い(それをホテルでチャットに替える;
なんだかんだといってもまだ米ドルは機軸通貨であることを実感)、
意外と良心的だと思いニコリとすると、いままで苦虫を潰した
ような顔をしていた両替のオヤジがやはりニコリとし、3枚
現地紙幣をくれました(約300円)。

何となく胡散臭い路地から車に戻り、帰路に着いた車内で、
ずーっと無口だった運転手が、急にしゃべりだしました。横浜
伊勢崎町、中華街、神戸、名古屋、東京などすらすらと日本の
地名が出てきます。

自分は60歳になるが、55歳まで船員をやっていて、世界中を
回っていた。日本へも何回も行ったと嬉しそうに話しかけて
きました。

■□■ 提供する製品による影響 ■□■

ブラックマーケットの両替が「製品・サービス」とは、少し
おかしいとも思います(遵法でない)が、政府が公式の両替所を
認めていない以上、我々のような外国人には、やはり貴重な
製品・サービスといわざるをえません。

戦後の日本では一般人が外国通貨を入手できなかったように、
ミャンマーの今日も丁度そのような状況にあるようです。

組織が市場に提供する製品・サービスは、まことに種々さまざま
です。

製品には製品そのものが持つ雰囲気があります。いくら多くの
言葉を使用しても、例えば品位、感性、日常性、家庭内、企業
向け、海外、前向き、成人、危険、安全、突発性、夢など
いろいろな用語を駆使しても伝えきれない多くの雰囲気の要素が
あります。

製品の持つ特徴(と一口ではいえない)、まさしく雰囲気を
適切に把握していないと、マーケットから締め出されてしまいます。

■□■ 製品の自画像 ■□■

皆さんは、自分たちの主要製品の自画像を描いたことがあり
ますか?組織に見えていて顧客に見えないものがあるかと思えば、
顧客だけにしか見えていないものもあります。

組織が思っていたことが、実はマーケットでは異なって受け
止められていたという事例は多くの事例の示すところです。

このような製品のもつ特徴、雰囲気は当然ISO9001:2008の序文の
「0.1一般」の言うように、組織の品質マネジメントシステムに
影響を及ぼします。

■□■ 製品の特徴の及ぼす影響 ■□■

序文0.1一般では、【この規格は,品質マネジメントシステムの
構造の画一化又は文書化の画一化を意図していない】といって
いますが、供給している製品が異なるのですからこの記述は
ごく当然のことです。

製品の特徴が品質マネジメントシステムに与えるであろう影響
には次のようなものがあります。
・製品要求事項が変わる
・資源が変わる
・インフラストラクチャーが変わる
・設計が変わる
・製品の実現化が変わる
・検査が変わる
など、バリューチェーンと呼ばれる「基幹プロセス」に影響を
及ぼします。

反対に影響を与えないものに文書管理、記録の管理、方針・
目標管理、内部監査、データ分析、マネジメントレビューなどは
影響を受けない、いや変えてはいけないものです。

変えてはいけないものとは、「マネジメントプロセス」であり
「支援プロセス」です。