平林良人の『つなげるツボ』Vol.293

—————————————————————
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.293 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ― 
*** 個人の行う活動6_内部診断と内部監査34 ***
—————————————————————
前回に続き内部診断と内部監査について、個人の行う活動について
お話しします。今回はその6になります。前回は全員が標準を守る
ようになるにはどんなポイントがあるのかについて説明をしました
が、今回はその続きになります。

■□■ ルールを守る組織になる ■□■
組織は担当者に守れるだけの能力を身につけてもらい、守れる環境
(例えば時間)を整えます。加えて業務標準書を作るだけの能力を
身につけてもらい、その作成・改訂に参加してもらいます。人は他
人の作ったルールにはおうおうにして反発しますが、自分で作った
ルールは守るものです。

担当者は標準の内容を知っており、その通りやる技能もやる気も
もっていたにもかかわらず、ちょっとした気の緩みからミスが発生
する場合も少なくありません。しかし、これらのミスは原因とはと
らえません。ミスは「あること」からの結果であり、不適合の原因
を人(担当者)には求めないことが大切です。もし不適合の原因を
人に求めますと、原因への対策は人に取ることになります。

■□■ 人が関与する不適合への対応 ■□■
人的ミスが関係する不適合を効果的に防止するためには、作業方法
(部品、材料、設備、治工具、作業指示書、手順などを含む)に対
して対策を考えます。業務に関する総合的な工夫・改善、すなわち
作業のエラープルーフ化が不可欠になります。
組織の現場である生産、サービス提供、設計開発などで行なわれ
ているエラープルーフ化の方法には様々なものがあります。
それらは次に示す2つの考え方から成り立っています。

1) 業務ミスが起こらないようにする。
2) 起きた業務ミスが品質トラブル、事故にならないようにする。

ミスを発生させない最も効果的な方法は「業務を行わない」ことで
す。これが不可能な場合には、業務を「人の代わりに機械(AI)
にやらせる」「人にとって容易なものにする」ことが考えられます。
これらは未然防止の基本的な考え方であり、それぞれ「排除」、
「代替化」、「容易化」と呼ばれます。
例えば、製品をワイヤーで吊る時に当て木(製品にきずを付けない
ため)をすることを忘れるミスに対して、ワイヤーの代わりにナイ
ロン製の吊具を用いるというのは、当て木をするという作業を必要
ならしめる吊具の特性を変えて、当て木をする必要をなくしており、
排除によるエラープルーフ化の一例と言えます。

代替化の例としては、作業指示票の見間違いによる誤品組付に対し
て、送られてきた部分組立品の形状を治具やセンサで検知し対応す
る仕様の部品箱にランプをつける方法があります。

容易化の例としては、手順の抜けや回数不足等のミスを防止するた
めに作業の内容と順序を一覧表にします。また、出庫作業における
部品の数え間違いを防止するために内部を仕切って入る部品の数を
一定にした専用の通い箱を用いるなどがあります。

■□■ ミスを拡大させない ■□■
ミスによる影響が拡大するのを防ぐ方法としては「ミスを検出し
処置する」、「ミスの影響を緩和する」の2つがあります。これら
はそれぞれ「異常検出」、「影響緩和」と呼ばれます。
異常検出の例としては、車の両側に誤った種類のタイヤを組み付け
るミスに対して、タイヤ置き場の取り出し口にセンサを取付け、取
ったタイヤの種類が右と左で一致しない場合には工具が作動しない
ようにする、または警報ブザーがなるという方法があります。

影響緩和の例としては、誤って柱にぶつけても傷が付かないように
柱に緩衝材をまいておくなどがあります。