2026年2月18日
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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.545 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
*** ISO9001キーワード「内部監査」:AIエージェントの活用1 ***
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今回からISO9001キーワードに「9.2内部監査」を取り上げます。内部監査にAIエージェ
ントを活用する話です。内部監査に関しては、長い間、形骸化、マンネリ化、有効性につ
いて多くの皆さんから指摘がされてきています。近年、社会で話題になっている品質不正
などは内部監査で発見されなければならないと思いますが、現実は内部監査員が人である
限りは、忖度、知って知らぬふり、自分の責任ではない等の理由を付けて見逃している可
能性を捨てきれません。
■□■ AIエージェントによる指摘 ■□■
人間は内部監査に限らず、何かを行う場合は、状況に合わせて仕事をしますが、AIエージ
ェントは人間のような冗長性すなわち余裕を持ったメカニズムは無く、教えられたことに
だけを基準に誠実?に仕事をします。
例えば、「4.2利害関係者のニーズ・期待」に準拠して内部監査をするように教え込むと、
ニーズ・期待と実態の違いはすべて不適合として指摘してくれます。そのようなAIエージ
ェントをどのように作るのかが関心事ですが、AIとして有名になったChatGPT(OpenAI)
以外にこの2年位の間にGemini(Google)、Copilot(Microsoft)など数多くのAIが発売
されてきています。昨年暮れには実績のあるAI企業3社が共同してAI技術標準をオープン
ソース(Linax)に寄贈すると発表しました。そんな背景もあり、今は自作AIエージェント
を作ることが流行りになってきています。自社専用の内部監査AIエージェントを作ると素
晴らしいと思います。
■□■ AIエージェントによる業務の例 ■□■
AIエージェントに内部監査を実施させると効果を出してくれる内部監査の業務には次のよ
うなものがあります(10業務をピックアップ)。
1) 年間監査計画の作成
組織の不適合傾向、クレーム履歴、工程変更可能性、外注先における問題、組織が考え
る重要工程などをインプットすることで、内部監査で重点を置くべき領域をリスクベー
スで自動抽出し、監査計画案を作成する。
2) 監査チェックリストの自動生成
組織の組織図、標準書(部門規程、各種指示書、手順書、工程標準、チェック基準など)
及び過去に指摘された事項などを読み込みさせることで、監査のチェックリストを自動
作成する。
3) 文書レビュー
印譜とされた文書について文書間の不整合(最新化されていない)、記録網羅性(抜け)
などを自動検出し、管理文書上の不適合を指摘する。
4) インタビュー計画作成
現場従業員に質問をし、基準との食い違いが無いかをインタビューでチェックする計画
を作成する。職場/工程別に確認すべき項目を事前調査し、どんな質問をすべきかをリス
トアップする。リストアップに当たってはインタビューすべき人、順序を考えながら質
問の深掘りをする。
5) 現場監査の記録作成
インタビュー結果記録から現場監査の観察事実を確認し、もしあれば食い違いとその根
拠を明確にする。
6) 記録の吟味と不適合(観察/改善)の判定
文書レビュー及び現場監査で作成した記録に基づき、要求事項との対応付け、指摘する
かどうかの判断を行う。
7) 原因分析と是正処置の案の作成
被監査者に替わって、指摘した不適合(観察/改善)に対する原因分析、修正処置、是正
処置の案を作成する。
8) 是正処置のフォロー
被監査者の行う是正処置について期限アラートを出したり、提出された是正処置の適切
性についてのコメントを作成する。
9) 監査報告書の作成
監査責任者及び経営層向けに監査報告者を作成する。監査報告書には、監査計画、チェ
ックリスト、インタビュー計画、不適合報告書、是正処置報告書などを添付する。
10) 監査プログラム改善提案
次回監査に向けての提案を作成する。提案には再発防止のためにに行う有効性確認の時
期、次回重点監査領域などを含めて作成する。
