平林良人の『つなげるツボ』Vol.289

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.289 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** 個人の行う活動2_内部診断と内部監査30 ***
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コロナ禍における内部診断のお話をしています。前回から個人
の行う仕事に焦点を当てています。組織のパフォーマンスは個人
のパフォーマンスの集積と言えます。総ての個人のパフォーマン
スが向上すれば組織が受ける便益は大変大きなものになります。
今回も個人活動に対する内部診断のチェックポイントを考えた
いと思います。

■□■ 内部診断 技術の視点 ■□■
どんなに優れたマネジメントシステムがあっても個人が正しく
行動しないと業績の向上につながりません。特に個人に内在す
る知識、技術、技能は重要であり、これらが不十分ですとせっ
かくのマネジメントシステムも生きてきません。組織を構成す
る人々に対して、必要な知識の習得と技術及び技能の保有のシ
ステムを内部診断で確認しましょう。
品質保証の車の両輪と言われるものは、管理と技術です。前回
は管理特についてお話しをしましたが、今回は技術について内
部診断の視点を考えてみたいと思います。

■□■ 技術の標準化 ■□■
技術は、組織にとって持続的存在のための生命線に位置付けら
れます。組織の製品・サービスの核心にある技術は「固有技術」
と称され、可視化(標準書、手順書など)され最大の注意を
払って組織内部に保管管理されます。
技術標準書類については、以下のような3つの使途をポイント
として内部診断すると良いと思います。
 (1)オリジナル用
 (2)教育・訓練用
 (3)現場活用用
(1)オリジナル用は、製品・サービスに関する総ての知財を組織
的に蓄積する目的で作成します。

(2)教育・訓練用は新人の教育訓練に使用する目的で、オリジナ
ル用から対象者業務範囲に応じて必要な項目を選んで作成した
入門編です。対象者業務範囲とは、企画、営業、設計、技術、
調達、製造、品証などの組織の機能を言います。
教育・訓練用は初めての人にも分かるようにできるだけ丁寧に
記述しますが、組織のノウハウなどは除外します。製品・サー
ビスの着手から完成までを初心者の視点で対象者業務範囲別に
作成します。

(3)現場活用用は、教育・訓練用の中からさらに、対象者業務範
囲別に業務のポイントに焦点を当てて作成します。
例えば、製造ですと加工条件や設備の運転条件などに焦点を当て、
標準作業用に作成することになります。
現場活用用は作業のポイントが一見して分かることが大切です。
どの程度詳しく記述するかですが、使用する従業員の教育・訓練
のレベル程度によって異なり、ポイントを絞れば絞るほど教育・
訓練の必要性が高まります。

■□■ 技術標準書の作成のチェックポイント ■□■
技術標準書は原則現状をそのまま作成しますが、業務が一定の
安定度に達したと思える時期に作成します。技術標準書には次
の2つのタイプがあります。
(1)知的財産として残す技術標準書
(2)現行業務の技術標準書

今回議論している技術標準書は後者ですが、(2)においては、標
準書を最新化するという重要な業務が残ります。技術標準書を改訂
する仕組みを確立しておくことが大切です。

■□■  個人用手順書(技術)の診断 ■□■
製品・サービスの品質保証に関する個人用標準書に関しての診断ポ
イントには次のようなものがあります。
1. 標準書は、製品・サービス品質に影響を与えるものをカバーし
ているか。
2.製品・サービス品質に関する評価方法と判断基準が示されているか。
3.問題発生時の応急処置が示されているか。
4.実施可能な標準になっているか。
5.Industrial Engineering(IE)の面からみて適切か。
6.標準書の間に矛盾はないか。
7.標準の実施者、および標準の改訂者は明確になっているか。
8.現場の知恵が入っているか(経験豊かな現場の班長・組長などの知恵)。