平林良人の『つなげるツボ』Vol.325

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.325■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ナラティブ内部監査29***
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312号からこれまで、第3ステップについて、下記1~5までの説明
をしてきました。
1.コミュニケーション
2.自己理解
3.他者理解
4.よく聴く
5.よく伝える(アサーション)
6.個人と組織の共生

前回からは「6.個人と組織の共生」について、話をしています。前
回組織と個人が共通の目標を持つことで個人と組織の共生が進むと、
いう中でMBOについて触れました。MBOを活用して個人と組織の
共生を推進するポイントについて話を続けていきたいと思います。

■ 個人にとってのMBOの意義 ■
個人と組織の共生に向けて、個人からみてのMBOの意義には次のよ
うなものがあります。
(1) 自分の役割を明確に把握できる。
 組織の中にいて自分の居場所に居心地の悪いことがありますが、目
 標が明確になることで自分の役割を明確にすることが出来ます。
(2) 働き甲斐が感じられる。
 目標を明確にして、マイルストーン(区切り、ステップ)ごとに結
 果が明確になることで、個人の貢献度合いがはっきりして、働き甲
 斐が感じることができる。
(3) 自分のやっていることに自信がもてる。
 結果が見えることで、良くも悪くも個人が結果を把握することが出
 来、結果ではなく行ったことに自信を持つことが出来るようになる。
(4) 上司の期待がわかっているので、安心感がもてる。
 上司の考えていることが見えないと不安になるが、共通の目標が見
 えることで仕事への取り組みに安心感が生まれる。
(5) 仕事の段取りがつけやすい。
 目標への取り組みの手順が明確になり仕事に無駄をなくすことがで
 きる。
(6) 参画感がもてる。
 共通の目標に自分も参加しているという気持ちが高まる。
(7) 自分の考えが活かせる。
 目標、手段の共有化があることで実践段階での自分の進め方に自信
 を持つことが出来る。
(8) 自己啓発の手がかりが得られる。
 仕事を進める過程で自己啓発のチャンスを見つけられる。

■ 組織にとってのMBOの意義 ■
個人と組織の共生に向けて、組織からみてのMBOの意義には次のよ
うなものがあります。
・部下がやっていることに確信がもて、部下に期待を寄せられる。
・権限委譲がしやすくなる。
・仕事の予定が立てやすくなる。
・仕事に共通理解が生れる。
・上司への報告がしやすくなる。
・仕事ぶりの判定や業績評価がしやすくなる。
・部下育成の手がかりがつかめる。
・部下をモティベートできる。
・仕事の改善のポイントがつかみやすくなる。
・仕事の結果がまとめやすくなる。
・自己および組織の目標を明らかにできる。

■ 社会から見たメリット ■
個人と組織が(MBOを活用してもしなくても)お互いの共生を図る
ことができると、社会から見て次のようなメリットがあります。
・社会のリソースが有効に活用される。
・社会の労働生産性を上げることが出来る。
・日本の国際競争力が上がる。

日本社会の話になりますと、因みに、日本の世界競争力ランキングは
2020年世界で63カ国(先進国)中34位です。そして、先進国では
一番物価の安い国になりました。
https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20201008.html

IMD(International Institute for Management Development:国際
経営開発研究所)は毎年先進国競争力年鑑を作成し、三菱総研が翻
訳してHPに発表しています。1989年から4年間世界1であった
日本が、この30年に間に34位にまでランキングを落としています。
ランキングのもとになるデータは、各国の政府が公表する統計と、
対象国の企業経営層によるアンケートになっています。データは、
四つの大分類、「経済状況」、「政府の効率性」、「ビジネスの効
率性」、「インフラ」からなり、さらに20の再分類に分かれてい
ます。
<三菱総研HPより>
日本の総合順位の変遷を見ると、同年鑑の公表が開始された1989年
からバブル期終焉(しゅうえん)後の1992年まで1位を維持し、
1996年までは5位以内の高い順位を維持した。しかし、金融システ
ム不安が表面化した1997年に17位に急落し、その後は一時的に上
昇する年はあったものの、基本的には20位台の中盤前後で推移した。
その後、2019年には30位となり、最新版の2020年では過去最低の
34位まで落ち込んだ。