見た目と中身 | 平林良人の『つなげるツボ』

■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.19  ■□■

*** 見た目と中身 ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

今回は「見た目と中身」についてお話をしたいと思います。

今回も宜しくお願いいたします。

■□■ 見た目と中身 ■□■

前回お話した「東京都検証主任者講習会及びその修了試験」の
経験は、私に次のようないろいろなことを連想させました。

1.見た目と中身
2.ISOの世界の、負のスパイラル
3.資格制度の将来

今回は「見た目と中身」について考えてみたいと思います。少々、
世俗的な例から入らさせて頂きます。

皆様、若かりし頃を思い出してください(10代の読者の方が
いたらすみません)。

若い頃は、私自身もそうでしたが、日常生活の中での異性に
対する興味、話題、行動などは何といっても大きな比重を占める
ものです。その際、初めは、どうしても外見に目を向けがちでは
ありませんでしたか。

それがだんだん、成長していくと共に、そして、更には結婚を
意識するようになって、外見だけでなく、相手の内面により多く
目を向け、その人との価値観の共有といったことを重要視して
いくようになるのが一般的な例ではないかと思います。

つまり、見た目よりも中身重視に変わっていくわけです。

■□■ 見た目と違う新鮮さ ■□■

東京都の検証主任者講習は、見た目では国による法規制講習会
及び修了試験と変わるものではありません。

しかし、内容は前回お話しましたように、国による法規制講習会
及び修了試験とは一線を画すものでした。

民間に定着した「ISO14001の研修会及びその修了試験」とも
異なりますし、昨今広がりを見せている「エコアクション21」とも
異なるものでした。

世の中には各種の講習会及び修了試験がありますが、すべてが
少しづつ違う、今回の「東京都の講習会及び修了試験」は大きく
違う東京都独自の考えに基づく制度であるといえます。

このように事前の情報ではうかがい知れないコンテンツ(講習会
及び修了試験の内容)に触れたときは、新鮮な驚き、戸惑い、
期待などを覚えるものですが、それらは後の行動に圧倒的な
影響を与えます。

これは異性への見方が外観から中身にシフトしたときに感じる
新鮮さと同類のものといっていいでしょう。見た目と違う、
それぞれが違う、だからこそ引かれるのでしょうが、だからこそ
悩むのかもしれません。

■□■ すべてが少しずつ違う ■□■

見た目は同じでも、内容が違う、少しずつ違う、このことは
人についても同じことです。

先日、「横浜労災病院メンタルヘルスセンター」の山本晴義先生の
講演があるのを見つけ、約45分の短いセミナーでしたが参加して
きました。

山本先生は、国の事業の位置付けで、メンタルヘルスについて
「メール無料相談」を行っているそうです。

メールの総数は、何と年に6,000通以上。

その全てに対して山本先生本人が読んで24時間以内に必ず返
信を出すということでした。

どうやって、その時間を確保しているのか驚くほかないのです
が、何よりも、例えば金曜日に入ったメール、今、自分がこの
メールへの返答を出すのを週明けに延ばしてしまったら、
メールを出してきた人は、週末に自殺をしているかもしれない。

だからこそ、すぐに返信を出さなければならない、という話には
ドキッとするものがありました。

しかも、一つひとつの内容が全部違うから、当然返事は総て違
う。

■□■ 見た目と中身のギャップ ■□■

「メールは、返信を出さない限り相手は無視されたと感じる。
これがメンタルヘルスの基本なのです。」という説明にも、
大いに頷かされるものがありました。

加えて、働く人にとってのメンタルヘルスとは、
1.周囲と良い関係ができている
2.周囲の人たちに役に立っている
3.仕事など日々の活動に生きがいを感じる
4.自分の存在意義を感じる

で、特に2、4が重要との説明でした。

こちらも、大いに頷くと共に、深く考えざるを得ないものがあ
りました。

働く人のメンタルヘルスは、見た目と中身のギャップに注意す
る必要があります。
1.自分では周囲と良い関係ができている、と思っているが
そうではない。
2.周囲の人たちに役に立っている、と思っているがそうで
はない。
などです。

最近のIT系企業のように、社員は客先に継続駐在していて上司
とのフェース・トゥー・フェースのコンタクトは殆どない状況
は、非常に心配であるという趣旨の話も出ました。