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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.213 ■□■
*** 標準化―ISO 9001-7 ***
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ISO 9001箇条4.3にある「適用可能性」について述べています。
例えば、箇条9における監視、測定はどんな対象に対して行うのかは
組織が決めることですが、どのように決めるかの方法に「ギャップ分析」
があります。
ギャップ分析は「正当性」を示す方法の一つでもあります。
正当性とは、箇条4.3に記述されている組織が勝手に“監視、測定を
適用しない”と決めてはいけないことを要求しているキーとなる言葉です。
■□■ ギャップ分析の例2 ■□■
先週に引き続きISO 9001:2015箇条「9.1.3 分析及び評価」に関する
ギャップ分析をした例を示します。
AをISO 9001要求事項、Bを組織の実態とします。また、
ギャップがある場合は○(適用する)、
ギャップがない場合は×(適用しない)、
ギャップが少しある場合は△(適用する)
で示します。
先週はa)~d)まで行いましたので、その続きe)から始めます。
e) リスク及び機会への取組みの有効性 、
(分析)組織では「事業リスク」として次のようなものを上げている。
1.地震の発生
2.火災の発生
3.取引先の倒産
4.不良品の市場への流出
5.取引先からの不良品の流入
6.原材料の供給切れ
7.運送業者の事故
これら1~7について、起こるかもしれない頻度と起きた結果の
影響の大きさを見積り、リスクへ対応の優先順位を決めている。
リスクは、いつ、どこで、どのような状況下で起きるのか予測
できないので、万が一起きた時にどのように対応するのかの
手順を策定してある。
一方、機会については、箇条「9.3.2マネジメントレビューへの
インプット」及び箇条「9.3.3 マネジメントレビューからの
アウトプット」に,「 改善の機会の決定と処置」があり、これに
対応して適切に運用している。
(結論)△ AとBの間にギャップがあるかどうかは、
箇条「6.1リスク及び機会への取組み」の解釈次第であるので、
次の要求事項を吟味して、一部でも対応する必要があるか
どうかを決定する。
「次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定
しなければならない。
a) 品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成
できるという確信を与える。
b) 望ましい影響を増大する。
c) 望ましくない影響を防止又は低減する。
d) 改善を達成する。」
f) 外部提供者のパフォーマンス 、
(分析)毎月の品質会議で「購買先の評価」を報告している。
評価項目は次のとおりである。
・受入検査率
・納期遵守率
・支給品への対応状況
(結論)× AとBの間にはギャップはない
→ 既に該当のISO9001要求事項は実施しているので、
新たに行うことはしない。
g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性
(分析)箇条「10.3 継続的改善」には次の要求がある。
「 組織は,品質マネジメントシステムの適切性,妥当性
及び有効性を継続的に改善しなければならない。 組織は,
継続的改善の一環として取り組まなければならない必要性
又は機会があるかどうかを明確にするために,分析及び
評価の結果並びにマネジメントレビューからのアウトプットを
検討しなければならない。」
組織では、e)で述べたように「リスク及び機会」における
機会を、品質マネジメントシステムの改善にまで広げて
運用している。
(結論)× AとBの間にはギャップはない
→ 既に該当のISO9001要求事項は実施しているので、
新たに行うことはしない。