平林良人の『つなげるツボ』Vol.212

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.212 ■□■    
*** 標準化―ISO 9001-6 ***
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ISO 9001箇条4.3にある「適用可能性」について述べています。
例えば、箇条9における監視、測定はどんな対象に対して行うのかは
組織が決めることですが、どのように決めるのかの方法に
「ギャップ分析」があります。

ギャップ分析は「正当性」を示す方法の一つでもあります。
正当性とは、箇条4.3に記述されている組織が勝手に“監視、測定を
適用しない”と決めてはいけないことを要求しているキーとなる言葉です。

■□■ Vol.209における「~するために」 ■□■

組織が監視、測定することができる対象は、無限に近いといって
いいほど多くあります。
Vol.209では、規格にはたくさんの「~するために」という表現が
あると述べました。いま話題にしている監視、測定についても
次のように書かれています。

「9.1.3 分析及び評価 :
組織は,監視及び測定からの適切なデータ及び情報を分析し,
評価しなければならない。 分析の結果は,次の事項を評価するために
用いなければならない。

a) 製品及びサービスの適合
b) 顧客満足度
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性
d) 計画が効果的に実施されたかどうか
e) リスク及び機会への取組みの有効性
f) 外部提供者のパフォーマンス
g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性」

■□■ ギャップ分析の例 ■□■

「9.1.3 分析及び評価」に関するギャップ分析をした例を示します。

AをISO 9001要求事項、Bを組織の実態とします。また、ギャップが
ある場合は○(適用する)、ギャップがない場合は×(適用しない)、
ギャップが少しある場合は△(適用する)で示します。

a) (分析)毎月の品質会議で「製品及びサービスの適合」状況を確認している。
確認のために、品質管理部では監視、測定データを収集しグラフ化して製品
及び・サービスの適合状態を見える化している。
 (結論)× AとBの間にはギャップはない 
  → 既に該当のISO 9001要求事項は実施しているので、新たに
    行うことはしない。

b) (分析)毎月の品質会議で「顧客満足度」状況は確認している。
現状は、顧客からの要望、苦情、クレームなどをまとめている。
しかし、積極的に顧客の声を収集していないので、販売店チャンネルを
活用することを考える。
 (結論)△ AとBの間には少しギャップがある 
  →顧客満足度のデータを収集することを検討し、実行する。

c) (分析)現状は、「品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性」
を評価することは行っていない。どんな情報、データを収集することで品質
マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を評価するのかを検討する。
 (結論)○ AとBの間にはギャップがある 
  →品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関しての監視、
   測定をどんな対象に対して行うのを検討し、実行する。

d) (分析)現状は、「計画が効果的に実施されたかどうか」は評価している。
事業部長方針が各部門に展開され、課実行計画により各種課題の達成、
各種問題の解決に向けて業務を行い、その結果は四半期ごとに評価している。
 (結論)× AとBの間にはギャップはない 
  → 既に該当のISO9001要求事項は実施しているので、新たに行うことはしない。

9.1.3 分析及び評価 のe) リスク及び機会への取組みの有効性 、
f) 外部提供者のパフォーマンス 、g) 品質マネジメントシステムの改善の必要性に
ついては、来週ギャップ分析してみたいと思います。