研究テーマは「組織構造分析」 | 平林良人の『つなげるツボ』

■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.11  ■□■
 
      *** 研究テーマは「組織構造分析」 ***

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このメルマガは、(株)テクノファ及び平林良人が何らかの
ご縁でつながった皆様方にお送りさせていただいております。
このメルマガは1万名以上の方々にお読みいただいています。

■□■ 組織のプロセス分析 ■□■

テクノファ代表取締役の平林です。

今回は東京大学大学院工学系研究科の共同研究員のお話を
させていただきます。私は昨年から共同研究員になりましたが、
研究テーマは 「組織構造分析」です。

では宜しくお願いいたします。

■□■ 共同研究員とは ■□■

昨今は、日本の大学においても産学協同が盛んです。アメリカ
の大学は昔から産業界とのつながりを重要視して、大学で創造
されたこと、開発されたことを産業界のビジネスに結びつけて
きました。

大学と産業界の一体となったエネルギーがアメリカの新しい
ビジネスを起こしてきたのですが、一方で大学が実利に走り
すぎて真理探求への力が削がれているとの懸念、指摘もあり
ました。

アメリカはいろいろと言われてはきましたが、日本の産学協同
はアメリカと比べると、掛け声ばかりで、今日に至るまであま
り成果が上がっていないというのが通り相場です。

日本でも、アメリカほどでなくてもよいから、もっと大学と産
業界の結びつけを強くして、お互いが補完し合いながら成果を
上げていくことが期待されているのです。

大学における共同研究員制度は、そのような背景のもとかなり
以前から存在している制度です。

■□■ 組織構造分析とは ■□■

組織とはふしぎな存在で、放っておけばいろいろな問題が起き
ますが、まったくだめな方向に行くかといえばそうでもなく、
誰かがリーダーシップをとってほどほどのところで落ち着き
ます。

組織とは、生物学的にいうと「ほぼ同形・同大で、働きも似通
った細胞の集団で集まって器官を構成する」ものですが、社会
学的には、「社会を構成する各要素が結合し有機的な働きを有
する統一体」であるといわれています(広辞苑)。

また品質管理においては、「責任、権限及び相互関係が取り決
められている人々及び施設の集まり」と定義されています
(ISO9000)。

一般的な広範な概念から個別な品質管理における概念まで
いろいろありますが、共通に言えることに次のようなことがあ
ります。

1.同じものの集まり
  (ほぼ同形・同大で・・・、各要素が結合・・・、人及び
  施設の集まり)。
2.つながっている
  (集団で集まって・・・、有機的な働き・・・、相互関係
    が・・・)。
3.目的をもっている
  (器官を構成する、働きを有する・・・、取り決められて
    いる・・・)。

我々の企業組織も、1、2、3という要素は同じですが、一つ
付け加えなければならないものに「効果的」という要素があり
ます。

「組織とはふしぎな存在で放っておいても誰かがリーダー
シップをとるようになる」と言いましたが、誰かがリーダー
シップをとってくれるのを待っていては競争に負けてしまい
ます。

■□■ 効果的とは ■□■

そこで企業組織には普通ピラミッド型の組織構造があります。
これは古今東西の軍隊組織を真似たもので、組織の最高指揮官
のもと一糸乱れず目標に向かって、組織全体として成果を上げ
ようとするものです。

ただ、軍隊は単純に物理的強さを求めますが、企業組織は経済
的強さを求めるがため、いろいろな要素がからんできます。

企業は市場で勝たねばなりませんが、そのためには収益を
上げ、その収益を投資にむけ、顧客から支持される製品を
開発し、また売上を伸ばすというサイクルを継続しなければなり
ません。

企業が市場で勝つとは、これら一連のことを競争相手よりも
効果的に行うことです。

そのための組織構造とはどのようなものがよいのでしょうか。
必ずしもピラミッド型の組織構造がよいとはいえないのです。

■□■ 最重要課題は「製品」をつくる固有技術 ■□■

他の視点も組織にとって重要です。組織構造はあとからついて
くる課題であって、競争に勝つためにはまず「製品」が優れて
いなければなりません。
市場で顧客から評価される製品、すなわち顧客が買いたくなる
製品・サービスを継続的に市場に提供することが最重要課題
です。

顧客は気まぐれです。市場はいつも動いています。経営環境は
時代と共に変化していきます。

常に変化していく環境に適合した製品を市場に提供し続ける
ことはそれなりの戦略がないと実現することはむずかしいで
しょう。

まずは、製品を開発し、製造(又はサービス提供)していく
固有技術がないと企業は市場で勝つどころか、存在すること
さえ許されなくなってしまいます。

■□■ そして業務の進め方に焦点を当てる管理技術 ■□■

更にいえば、継続的に顧客から評価される製品、サービスを
市場に提供する業務の進め方が重要です。

ここで思い出されるのはISO9001のプロセスアプローチです。
プロセスとは何かという難しい定義は今後のメルマガに譲る
として、プロセスとは簡単に言えば業務のことです。業務の
進め方に焦点をあてる、すなわちプロセスアプローチも私の
共同研究員としての課題です。

そういうことで、私の東京大学共同研究員としての課題と
ISO9001プロセスアプローチとはしっかりとつながっていま
した。