コミュニケーション2 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.32 ■□■

    *** コミュニケーション ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

コミュニケーションの目的は信頼感を深めることにあるといいますが、
どんな方法があるのでしょうか。
コミュニケーションの方法にはいろいろなものがあると思いますが、
Vol.30に引き続き、今回はコミュニケーションについて考えてみたい
と思います。

今回も宜しくお願いいたします。

■□■ コミュニケーション ■□■

ビジネスにおけるコミュニケーションは極めて重要です。
お互い相手を知ることによって、初めてビジネスはスタート
できるからです。

コミュニケーションにはいろいろな方法、手段があります。
お互いが信頼感を深める一番よい方法は、face to faceと
いわれる、お互いが顔をみておこなうコミュニケーションです。

一般にpersonalな手段による方法がコミュニケーションに適していると
いわれます。
反対にprocess志向な手段はコミュニケーションには適していません。
その代表がE-mailによるコミュニケーションでしょう。
E-mailではあまり信頼感を深めることはできないのです。

中間に位置するのが電話です。コミュニケーションの方法として
直接相手と接触するのではないのですが、声を聞くことによって、
E-mailでは得られない感触を得ることができます。

感触を得るといいましたが、この感触にはいろいろなものがあります。
つまり感触とは、「相手の言動からそれとなく感じとること」をいいます。

したがって次のようなことから、感触が得られるでしょう。
 ・表情から 
 ・身振りから
 ・手振りから
 ・体の動きから
 ・声の抑揚から

よくbody language といいますが、体全体を使っての表現は
人により多くの感触を与えることができます。

■□■ Webinar ■□■ 

webinar(web seminarが語源)というコミュニケーションの方法が
あります。
発想は20年前からありました。
その当時は、ビデオ会議とよんでいました。
遠隔地にいる者が、たとえば東京本社と大阪支社との間で、
電話回線を使って画像を送りながら会議をするという方法です。

当時のビデオ会議は、10秒ごとにお互いの静止画像を見て
議論をするというものでしたから、議論している内容と顔の
表情とがずれてしまい、なんと言うか本物の感触は
得られませんでした。

あれから20年、回線は銅線から光ファイバーにかわり、
送信できる情報量は飛躍的に大きくなりました。
10秒ごとの静止画面がいつしか動画にかわり、
それも連続動画になりました。

個人向けとしても、スカイプというコミュニケーション手段が
無料で提供されるようになり、格別に便利になりました。

webinarは、多数の人が参加できる画像つきのセミナー
(電話会)です。東京本社と大阪支社の間にのみならず、
香港支社、US支社など、グローバルにコミュニケーションを
とる方法として、ここ1、2年急速に利用が進んでいます。

webinarはパソコンをつないで、パワーポイントを映すことが
できるので、多数の人が参加するセミナー、会議、教育研修など
に適しているといえます。

■□■ 研修のあたらしいスタイル ■□■

研修会で、webinarを使用するスタイルが急速に進んでいます。
日本でも始まっていますが、海外、特に欧米では活発に
使われています。

講師は事務所にいて、受講生は自分のworking placeで、
visualな画像によるon line授業を受けることができるのです。

一箇所に集まる必要がないので、コストパフォーマンスは
高いと企業には評判のようです。

私も実は、先週シンガポールで試す機会がありまして、
なかなか工夫されていると感じました。

しかしながら問題は、コミュニケーションの感触です。
講師としては受講生の反応をon timeで得たいのですが、
感触は声の抑揚からでしか得られません。
その点が、授業中受講生に質問を促しようと思っても、
限界があることを身をもって知らされました。

■□■ 電話はできるだけ短く? ■□■

コミュニケーションの手段として電話が盛んなころ、私は製造会社に
いましたが、電話について繰り返し注意されたことがありました。

「電話は短く!」というものでした。
電話で5分以上も話しをしていると、上司から睨まれたものです。
ところがある時、この話を知合いのAさんにしたら、
「自分の会社では『ようやくきみも、1時間話ができるように
なったね』と誉められた」というのです。

この話を聞いたとき、私は何を言っているのか
意味が分かりませんでした。

Aさんは、「電話で顧客に自分の話を聞いてもらうにはいろいろな
工夫がいる。時勢のトピックス、経済情勢、今後の見通し、故事来歴
など、いろいろなことを知らなかったら自社商品の説明を聞いてもらう
ところまで、たどり着けない」と・・・

Aさんは、15年前に証券会社で富裕層顧客に電話セールスをして
いたそうです。

5分間では感触を得ることが難しい電話でも、1時間も話せば
確かに期待する感触が得られると思いました。

(平林)