平林良人の『つなげるツボ』Vol.137

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.137 ■□■   
*** QMSの再構築 ***
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■□■ QMSの成果が出ない ■□■  

「QMS(ISO9001)構築の効果が出ていない」と感じている組織
が増えています。つい最近も中小企業の社長さんと審査について
お話しする機会がありました。

■□■ 指摘をしない審査員 ■□■

「私から見ても、どうしてもおかしいと思っています。なぜ、
審査員はこれを指摘しないのか。よほど聞こうと思いましたが、
担当者がこれでいいと言うので我慢していました。」

よほど審査員が指摘しないことについて強く感じたとみえ、
私にまでその憤懣をぶっつけてきました。

審査員にも問題があるかもしれませんが、組織にも問題があるよ
うに思います。
理由は、担当者がこれでいいと言い、社長も結局はその通りにして
いるからです。

これには後日談があり、社長の鶴の一声で審査機関を変更した
という結末もありました・・・。

■□■ QMSの成果が出ない ■□■ 

組織がISO9001の構築に取り組んでも、成果が出ない、というこ
とにはいろいろな要因が絡んでいると思われます。

ある講習会で「本業が忙しくてISOをやっていられない」という声
を聞いた時には思わず耳を疑いました。
本末転倒なこの嘆きは多くの組織の実態を表しているように思います。

「どのようにすればQMSの効果が出るのか」への答えは、ずばり
「効果が出るQMSを構築する」ことに尽きると思います。

何か禅問答のようですが、QMSは活用する組織の人々の「ニーズと期待」
に合致すれば必ず効果が出るものです。

■□■ それぞれのニーズと期待 ■□■

筆者の調査によるとトップマネジメントのQMSに対するニーズと
期待は「顧客価値創造の向上」であり、ミドルマネジメントの
ニーズと期待は「計画通りの業務推進」でした。
また、一般従業員のニーズと期待は「仕事が楽になる」ことでした。

QMSというシステムの中に浸かっている組織全員は、QMSからイン
センティブを得ることができるならば、必ずや有効にQMSを活用し、
その結果QMSは組織にとって不可欠なものになります。

その成果として、組織のプロセスとその結果(提供する製品/サービス)
は良好なパフォーマンスを示すことになります。

■□■ それぞれのニーズと期待 ■□■

ISO9001:2015「箇条1 適用範囲」には次の記述があります。

「組織が,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満た
した製品及びサービスを一貫して提供する能力をもつことを実証す
る必要がある場合。」

現在QMSの効果が出ていないと思う組織は、早急に製品及びサービ
スを一貫して提供する能力を吟味すべきです。

QMSの再設計は、組織の「能力」を洗い出し、階層ごとにどのような
能力が必要とされるかを明確にし、それをインプット事項に採用する
ことです。

こうすることで、従来よりも効果の上がるシステムを構築すること
ができると思います。

特に次の2ステップを推奨します。

1.能力への「ニーズと期待」を調査する。 
2.得られた「ニーズと期待」をQMS構築のインプット事項として
必要な能力を得る。