ロンドン物語8 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.430 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ロンドン物語8 ***
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8日間の滞在中、私は久しぶりにイギリスのテレビを見ました。
30年前の赴任時代は毎日時間があればTVを見ていましたが、
それは英会話を上達させるにはTVを見ることが一つの有力な
手段であると思っていたからでした。

■■ 英語が聞き取れない ■■
私のエプソン赴任時代はイギリスにはテレビ局は4つしかあり
ませんでした。BBCが1と2の2局、ITVとチャンネル4
という民放が2局あるばかりでした。しかし、今回の旅行で思
い知ったのですが、多くのチャンネルがあり、それもヨーロッ
パ大陸のチャンネルもあって20くらいの選択肢があり、時代
の変化を感じました。
テレビを見て愕然としたのは内容が聞き取れないことでした。
30年前はこんなはずはなかったと思いながら、はたと気が付
いたのは、この30年間ISO規格作成で海外出張した時以外
ほとんど英語を使っていなかったことです。

■■ BBCと民放 ■■
多くのチャンネルは、日本と同様、民放であって、それ故に多
くのコマーシャルが入り見づらく感じました。民放もどこかで
BBCとつながっているらしく、日本の民放同士のような競争
はほとんど感じられず、やっている内容もBBCよりドラマが
多いという程度でさしたる違いは無いように思われました。
BBCと民放の違いはコマーシャルがあるかないかという程度
のことで、内容に大きな違いを感じなかったのは、私の英語力
の故だったかもしれません。それでも、今回も日本のテレビと
は全く異質の世界がそこにあり、全く違った感覚で短い8日間
を過ごしました。

■■ 100年経っても変わらない ■■
 私がイギリスに住んでいたのは、1986年から1992年
にかけてのことですので、当時のテレビの話は旧聞に属すると
思いますが、今回改めてあまり違っていないと感じました。
イギリスは、風景や家並みを見るとわかると思いますが、100
年経ってもほとんど変わらない国です。もちろん、習俗も制度
もほとんど変わらないというお国柄であると思って、30年前
に経験したテレビ番組について少しお話をしようと思います。

■■ テレビ番組の6つの領域 ■■
海外に行ってその国のテレビを見ると、もっとも手っ取り早く
その国の国情を知ることができます。もちろん、ある程度の語
学力あっての話です。イギリスに限らずどこの国でもテレビ番
組は次の6つの領域に分かれると思います。
1.ニュース報道番組
2.政治討論番組
3.ドラマ番組
4.音楽番組
5.コメディー、バラエティ番組
6.スポーツ、自動車レースなどの番組

テレビはわざわざ出かけて行かなくてソファに座ったままいろ
いろな経験ができます、特にスポーツなどは現地へ行けば遠く
にしか見えない場面をクローズアップして見せてくれます。
もちろんお金もかかりませんし、時間的にも余裕というおつり
までがきます。

■■ 語学の練習 ■■
海外でさらに良いことには、新しい単語や表現を知り、「こう
いう時はこんなふうに使うのか」と現地でなくては経験でき
ないニュアンスを会得できます。さらに、自分でも口真似を
して、いわばシミュレーションをしてみると発音や話の呼吸
(イントネーション)を知ることができます。
若いころは、いつも「テレビなんか見て遊んではいけない」
という、なにか強迫観念みたいなものがあり、なんとなくう
しろめたい思いで見ていましたが、イギリスでは「英語の勉
強の為」と胸を張って納得して見ている自分がいたことを思
い出しました。