2026年2月25日
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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.546 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
*** ISO9001キーワード「内部監査」:AIエージェントの活用2 ***
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AIエージェントによる内部監査は内部統制においても有効なものです。AIには現在のとこ
ろ人間のような冗長性は無いので(近い将来はもっと人間に近づくと言われている)、教え
たとおり厳格に監査を行います。
AIエージェントに教え込む事項は、ISO9001:2015箇条9.2にある要求事項になります。
要求事項として規定されている項目をAIにどのように教え込むかについてお話していきた
いと思います。
■□■ ISO9001内部監査に関する要求事項 ■□■
まずはISO9001箇条9.2 内部監査にある要求事項をおさらいします。
9.2.1 a) 次の事項に適合している。
1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項
2) この規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。
9.2.2 a) 頻度,方法,責任,計画要求事項及び報告を含む,監査プログラムの計画,確
立,実施及び維持。監査プログラムは,関連するプロセスの重要性,組織に影響を
及ぼす変更,及び前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。
b) 各監査について,監査基準及び監査範囲を定める。
c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために,監査員を選定し,監査を実施
する。
d) 監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。
e) 遅滞なく,適切な修正を行い,是正処置をとる。
f) 監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として,文書化した情報を保持する。
■□■ 組織自体が規定した要求事項 ■□■
箇条9.2.1 a)には、「1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事
項」とありますが、組織が規定している要求事項は多くあります。今回行う監査に関係し
た要求事項を教えればよいか、すべての要求事項を教え込むのがよいか迷いますが、今後
継続してAIエージェントを使おうとする場合は、AIに「品質マネジメントシステムに関
するすべての要求事項規定」を読み込ませることが良いと思います。読み込む標準文書の
代表的な例を掲げます。
・就業規則
・組織規程
・取締役会管理規定
・株主管理規定
・株主総会規定
・組織図
・組織分課分掌規程
・部門管理規定(組織図及び分課分掌規程に書かれている部門、例えば
経営企画、経理、人事、法務、総務、IT室、内部統制室、開発、営業、設計、技
術、購買、品質保証、製造(施工、サービス提供)、顧客サービス、ロジステック
スなどすべて部門の管理規程)
・部門の業務手順書(同上)
・部門の業務に関係するチェックリスト類(同上)
■□■ この規格の要求事項 ■□■
箇条9.2.1 a) 2) には、「2) この規格の要求事項」とありますが、この規格とはISO9001
のことですので、「~しなければならない」とISO(JIS)規格に規定されているところは
すべてAIに教え込みます。
この時に確認しなければならない重要なことは、ISO(JIS)規格に書かれていることが自
社の具体的な規定に落とし込まれていることです。ISO(JIS)規格はすべての組織に共通
に理解できる文章で書かれており一般的で抽象的な表現になっています。組織は1社1社
異なりますから、Cが求めていることを具体化して規定しておかなければAIは監査におけ
る基準として「この規格の要求事項」を使うことができなくなってしまいます。ISO(JIS)
規格はwhat(なにを)ということしか要求していませんので、who(だれが)、when(い
つ)、where(どこで)、how(どのように)を加えて規定しておかなければなりません。
ISO(JIS)規格を自社規定に落とし込んでいる組織では、改めてISO(JIS)規格要求事項
をAIに覚え込ませる必要はありません。
■□■ 有効に実施され,維持されている ■□■
箇条9.2.1 b)には「有効に実施され,維持されている」という要求事項があります。この
要求事項をAIエージェントに監査させることは現時点では困難です。この要求に対しては
人間が現場の従業員にインタビューしてその返事を動画、写真、文字などの落としてAIに
インプットすることが必要です。また現場に存在する記録も人間が抽出してAIエージェン
トに教え込むことが必要です。ただ、このつなげるツボNo.543 ISO9001「文書化した情
報」6:AIエージェントと文書管理 に詳しく書きましたので参考にしていただけると良
いと思います。
