7つの段位1 | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.40 ■□■
*** 7つの段位***
—————————————————–
(本号は東日本大震災の影響によりメールマガジン配信はされておりません:メルマガ編集局)

テクノファ代表取締役の平林です。

今回も内閣府の専門タスク・フォースについて発信させていただきます。

前回段位という言葉を紹介しました。なにか柔道のような感じですが、段級位制(だんきゅういせい)は、武道・スポーツ・書道・珠算・囲碁・将棋など広範な世界で技量の度合いを表すために使われています。

■□■ 1~7段 ■□■
段級位制においては気をつけなければならない事があります。

それは数字の大きさです。級位を表わすときには、数字の多い方から少ない方へと上っていきます。10級→1級

段位を表わすときはその反対で数字の少ない方から多い方へと上っていきます。1段→7段

囲碁の世界では、例えばは棋士を呼ぶ際、「梅沢由香里五段」「瀬川四段」のように、氏名または名字の下に段位をつけて呼称することが通例です。

英語では「初段=first degree black belt(黒帯1度)」のように意訳する場合と、「初段=shodan」とそのまま表記する場合があります。

今回のタスクフォースでは段位を7つに設定しています。

■□■ 1段はエントリーレベル、7段はトッププロ ■□■ 
1段は初級レベル/エントリーレベルとWGでは呼び、入門者のレベルを想定し、最初の入り口のレベルとして幅広い知識を勉強してもらい「わかる」というレベルになってもらおうと考えています。

2段は「何かできる」レベルです。できるといってもまだ指導を受けながらのレベルです。しかし「わかる」から「できる」にジャンプすることは大きな飛躍です。

3段はひとりでできるレベルでスペシャリストと呼んでいます。組織で言えば、一人前として周りから認められるレベルだといってよいと思います。

4段はこの制度の要になるレベルで「プロ」です。名実ともにその分野では自他共にお金を稼げるプロとして認められるレベルとして位置づけています。

5段~7段は上級プロです。指導したり、改善を達成したり、ひゅ評価したり、検証したりいろいろな業務を想定しています。

トッププロとよばれる7段になれば、国内だけでなく国際的にも活躍する人材に位置づけようとしています。

■□■ 環境関係が活発 ■□■
私は環境関係のカーボンマネジメント人材WGにいますが、他の2つ(介護、農業)に比べて、より活発に活動がされているといってよいと思います。

WGメンバーには、経営側から経団連、日本商工会議所、労働界から連合、産業界から東京電力などがはいっており、大学の有識者、TVでお目にかかるコメンテーターなど誠に多士済々のメンバーで議論していると、日本の環境分野は誠に成長産業であると感じます。

先日はNHKのTVクルーも取材に来ました。NHKでも4月にはクローズアップ現代で、「環境問題とはなにか」を取り上げるようです。

■□■ カーボンマネジメントに代表される環境問題 ■□■
そもそも「カーボンマネジメント」とは何でしょうか。ある先生は「CO2というべきでカーボンというのは誤りである」といっているように、現在の課題は炭素にあるのではなく二酸化炭素にある、二酸化炭素の増大が問題になっているのです。

炭素は人間の体は言うに及ばず(人体の乾燥重量の2/3は炭素)、およそ地球上の有機物すべての構成原子ですから、その先生のおっしゃるとおりでしょう。

さて、その二酸化炭素の大気中の量が人為的な理由で産業革命以来急速に増加し、地球温暖化の原因になっているとして、1990年頃から国際社会で問題視されてきました。

二酸化炭素の増大と地球温暖化の因果関係はこれまた議論の真っ最中でいろいろな説が発表されていますが、一つ真実なのは「大気中のCO2が増大している」ということです。

これは明らかに地中にあった化石燃料を大量に消費した結果であり、その地球環境に対する影響はいろいろなところに現われてきているといってよいでしょう。

■□■ LCA的見方の重要性 ■□■
LCAとはLife Cycle Assessmentの略語で、日本語では適切な役が無いため「ライフサイクルアセスメント」と呼ばれています。

化石燃料を大量に消費しないようにするために、いろいろな活動が提唱されています。

これまで提案されてきている、省エネルギー、リサイクル、リユース、あるいはリジュースなどは、いずれも化石燃料を削減する結果につながります。

しかし、本質的に社会に貢献するためには、個々の活動だけではなくシステムとして組織に埋め込まれた活動が必要となってきていると考えます。

ここでいう「本質的」ということは、組織の諸活動の最上流、例えば企画部、開発部、設計部などで組織の製品を企画したり、開発したり、設計したりする際に「LCAを実施」し、製品の地球環境に影響を与えない最適価を求めるような活動が望まれるのではないかと思う次第です。