国家戦略プロフェッショナル検定 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.57  ■□■

*** 国家戦略プロフェッショナル検定 ***

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■□■ 内閣府 実践キャリア・アップ戦略 ■□■

 先の選挙で民主党政権から自民党政権へと変わりました。

この「内閣府実践キャリア・アップ戦略」は、民主党政権下での
政策でしたので、自民党政権になると路線変更があるかもしれない、

もしかすると中止になるのではないかと心配の向きもありましたが、
「カーボンマネジャー段位制度」については、先の内閣府委員会
(12月19日)で今後のスケジュールが示され、
政府として推進することが明確になりました。

内閣府ホームページをご覧ください。

http://www5.cao.go.jp/keizai1/jissen-cu/carbon/shiryou/2012/1219/12thshiryou.html 

「カーボンマネジャーキャリア段位制度平成24年度事業スケジュール」

 実践キャリア・アップ戦略は、普及をはかるために

    「国家戦略プロフェッショナル検定」

 というネーミングを使用することになっています。

■□■ 実践キャリア・アップ戦略■□■

 そもそも「実践キャリア・アップ戦略」とは何かを説明します。
これは、日本の今後の課題と戦略についてです。キーワードは、
少子高齢化、高齢者介護、エネルギー確保、食糧自給率向上、
そしてキャリア段位制度などです。

 実践キャリア・アップ戦略である、国家戦略プロフェッショナル検定
の第1次対象分野に、カーボン(エネルギー)、介護、農業(6次産業化)
が上げられています。

 実践キャリア・アップ戦略を説明するために、
最初、日本の今後の課題についてお話しします。

 日本は、バブル崩壊後の、1990年~2010年代の20年において、
幾つかの基本的な課題に直面しています。

■□■ 少子高齢化 ■□■

 その一つは少子高齢化です。社会が成熟化すると子供の数が少なくなる
といわれますが、日本も例外ではなく戦後のベビーブームの後、1人の女性
が一生の間に産む子の数(出生数)が一貫して下降してきています。

 戦後間もなくの時期は、1年間に250万人を超える新生児が
誕生していましたが、 ここ10年においては、何とその半分以下の、
およそ110万人程度しか1年間に子供が生まれていません。

 日本の人口構成は、第1次ベビーブームの1947年から1949年にかけて
生まれた世代と、第2次ベビーブームの1971年から1974年にかけて

生まれた世代の2つにピークがありますが、それ以降の世代においては、
出生数が著しく減少したため、若い世代の人口が急激に減少しています。

 さらに国民の高齢化の問題です。

厚生労働省の統計では、高度経済成長により衛生状態の改善と、
医療水準の向上が著しくはかられ、国民の平均寿命が年々延びました。

今日においては、世界一の長寿命社会を実現しています。

 1985年には男74.78歳、女80.48歳であったものが、
2009年には男79.59歳、女86.44歳となっています。
 
 今後の予測では、2055年には、男83.67歳、
女90.34歳になろうかとみられています。

 このこと自体は大変喜ぶべきことですが、平均寿命が延び、
高齢者数が増加するにつれて年金、医療などの社会保険負担が
急激に増加するという問題を抱えるに至っています。
 
 日本社会の高齢化のスピードは予測を超えたレベルで進んだ結果、
今日では高齢者一人を現役世代3人が支えなければならないという
状況となっています。

このまま少子高齢化社会が進んでいくと、2030年頃には、
現役世代1人が高齢者一人を支えなければならない構図になると
いわれています。

■ 国家戦略プロジェクト ■

 第1次ベビーブームの人達が高齢者(65歳)の仲間入りをしました。
 
 日本は物質的には豊かになりましたが、人口構成の変化に伴い、
いろいろな歪みが出てくることを想定しなければなりません。

日本は少子高齢化という大きな基本的な課題を抱えながら、
成長分野における新たな職業能力育成・評価制度を必要としています。

 21世紀の国の在り方を考えていかなければならないのです。
このような背景から、政府は日本の復活のための
21の国家戦略プロジェクトを立ち上げました。

21の国家プロジェクトは次のような7つのテーマの下にあります。

①環境・エネルギー 
②健康(医療・介護)
③アジア
④観光立国・地域活性化
⑤科学・技術・情報通信
⑥雇用・人材
  ⑦金融

 ⑥の雇用・人材では、日本の将来の成長分野に向けての人材戦略、
すなわち国民の職業能力育成とその評価制度が重要なポイントになります。

 雇用・人材においては成長分野の第一グループとして、「介護・ライフケア」
「環境・エネルギー(これには林業を含みます)」「食・観光」の
3分野が取り上げられました。

 この3分野が実践キャリアアップ制度の最初の3分野、
「カーボン(エネルギー)」「介護」「6次産業(農業)」となっています。

■ カーボンマネジャー ■

 テクノファでは、実践キャリアアップ制度の最初の3分野、
「カーボン(エネルギー)」「介護」「6次産業(農業)」の研修に
取り組むことにしました。

 来年早々、まずは「カーボン(エネルギー)」の分野で
「カーボンマネジャー」の研修を開始します。

 この研修は内閣府の承認下で行う予定でおりますが、
詳しくは次号でお話しさせていただきます。

 本年は、テクノファの研修をご愛顧いただき
誠にありがとうございました。

 来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

以上