文書の整理整頓_内部診断と内部監査28 | 平林良人の『つなげるツボ』

—————————————————————
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.287 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** 文書の整理整頓_内部診断と内部監査28 ***
—————————————————————
内部診断における文書の整理整頓の2回目です。前回は一般的な
文書管理についてお話ししましたが、今回はPCに保管されている
電子文書の内部診断についてです。
ISOマネジメントシステムの審査が始まった当初、1995年当時か
ら20年くらいは、文書審査で確認するものは紙に印刷された文書、
それもファイルに綴じられ背表紙に文書名が記されているものでした。
現在はほとんどの企業が文書をPC、それも大容量でかつ従業員が
誰でもアクセスできるサーバーに保管するようになりました。
したがって、審査においては文書ファイルを見るのではなく、サー
バーの画面を見ることが多くなりました。

■□■ サーバー内の文書のラベル名 ■□■
文書はサーバーにフォルダおよびフォルダ内のファイルに保管
されています。
フォルダは更に同一のグループ単位でまとめられているのが通
常です。フォルダには収納されているファイルを代表する名前
(ラベル)が付いていますが、このフォルダに付けられている
ラベルが診断のチェックポイント1です。

  キーワード キーワード例
分類 ○○標準、○○設計プロジェクトなど
部署名 人事部、技術部など
年月 <令和元年〇〇年>
<2020年〇〇年〇〇月>

チェックポイント1
 ・ラベル名は適切か
 ・ラベル名どおりに保管されているか

■□■ サーバー内の文書の保管期間 ■□■
文書の保管期間は文書管理規定で決められたとおりになっている
でしょうか。文書には標準書類と記録類の2種類があります。
1つの文書が標準書と記録の2種類を兼ねている場合もあります。
例えば、外部文書などはそうです。業務の標準になったり、実行し
たことの記録になったりします。

通常、標準書の保管期間は永久です。通常と言ったのは、組織体制
が大きく変更になったり、吸収合併、製品・サービス中止などが起
きますと永久でなくなります。永久でなくなった文書を「保存」
(保管とは違うことに注意)するかどうかは組織の決定です。
また、記録も同様で、通常は保管期間は有期ですが、中には永久保
存というのもあります。記録には法律で保管期間が決まっているも
のもありますので留意しなければなりません。

内部診断のチェックポイント2は保管期間です。
・保管期間は規定通りになっているか。
・保存フォルダは現在使用している使用フォルダと明確に区分さ
れているか。

■□■ サーバー内の文書保存 ■□■
保管と保存は違います。保管は現在使用している文書への対応です
が、使用されなくなったものを管理する場合は保存という言葉を使
います。上述した永久保管でなくなった文書などはここで言う保存
対象になります。
例えば、記録が保管期間を過ぎたが念のため取っておきたい場合は
保存期間を決めて廃却しないことが行われます。開発部、技術部な
どが作成した「技術資料」なども、アーカイブと称して保存してい
るケースがあります。

サーバーは文書ロッカーと違って場所を取りませんので、メモリ容
量の大きくなった現在では無限に近いような保存が可能ですが、保
存にもコストが掛かることには留意しなければなりません。
保管と保存の概念の違いは、文書(記録を含む)を「いつまで使う
のか」と「いつまで取っておくのか」の違いです。

内部診断のチェックポイント3は保存に関しての項目です。
・保管期間の過ぎたものは廃棄されているか、または保存フォル
ダに移動してあるか。
・保存している文書の一覧リストはあるか。