SDGインパクト基準15 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.362 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** SDGインパクト基準15 ***
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目標8. 「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全
かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・
ワーク)を促進する」の続きです。
目標8にはイノベーションに関する記述が小項目8.3にあります。

■■ 8.3起業、創造性及びイノベーションを支援する ■■
8.3には<生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベー
ションを支援する開発重視型の政策
を促進するとともに、金融サー
ビスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を
奨励する>という記述があります。

8.3はイノベーションを目標にしているわけではありませんが、イノ
ベーションを支援する開発重視型の政策の必要性を目標にすること
を奨励しています。

残念ながら、日本におけるイノベーションはここ30年不振の中にあ
ると言っても過言ではなりません。多くの企業がイノベーションに
対してそれなりの努力をしているにもかかわらず結果が出てこない
のです。

■■ IMD「世界競争力年鑑」日本の総合順位 ■■
日本の世界競争力の総合順位は1989から4年間1位であったものが
2019年には30位にまで下がってしまいました。IMDとはスイスに
ある著名な研究所ですが、この間日本の中では目立ったイノベーショ
ンは起きていません。

そこで日本政府は、2015年から「オープンイノベーション」への取り
組みを政策に掲げました。
主な政策は次の通りです。
 1.国内大企業によるアクセラレーションプログラムの創設、
 2.コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の拡大
 3.スタートアップと連携するための「出島」型組織の設置
この政策を具体的に推進しようと 2019年2月経団連は「Society 5.0
実現に向けたベンチャー・エコシステムの進化」を発表しました。
主な政策は次の2つです。  
 a)「既存事業の継続・成長」と「新規事業の探索・投資・開発」を明確に区別 
 b)大企業に集積する人材、資金、技術、知識・データなどの資産
をスタートアップに投入

■■ 「価値創造マネジメントに関する行動指針」 ■■
2019年4月、経済産業省は ISOが発行したISO56002:イノベーション
マネジメント規格(指針)に準拠した「日本企業における価値創造マネジ
メントに関する行動指針」を発表しました。
そして次のような具体的な政策の展開を2020年以降推進しています。
 (1)我が国におけるイノベーション・マネジメントシステムの状況を把握
 (2)約40社の経営層・ミドル・現場担当者との対話
 (3)第四期の「イノベーション100委員会」を開催
 (4) 大企業経営者、アクセラレーター、スタートアップ経営者との議論

■■ 「第4次産業革命」 ■■
因みに、行動指針には「第4次産業革命」という概念がうたわれています。
第1次~4次までの産業革命の定義は次のようなものです。
・第一次産業革命 18世紀 内燃機関(蒸気機関車)
・第二次産業革命 19世紀 電気(電話、電球、蓄音機)
・第三次産業革命 20世紀 コンピュータ(オートメーション)
・第四次産業革命 21世紀 デジタル(IoT、AI、ビックデータ)

第4次産業革命の変化のスピードは早く、かつ、急激であり、世界は大き
く変化しています。デジタル化やグローバル化の進展にともない、これま
で存在しなかった新たな製品・サービスが出現し、更に新しいビジネス・
企業・雇用が創出されるサイクルがどんどん加速化しています。

第4次産業革命下では、同質的なコスト競争から付加価値の獲得競争への
構造変化が起こる
ため、デジタリゼーションを企業経営者が本格活用し、
差別化をはかり、付加価値の高い製品・サービスをスピーディに創出・
獲得することが極めて重要になります。

次回はISO56002:イノベーションマネジメント規格(指針)について触
れたいと思います。