タグアーカイブ: ISOマネジメントシステム

平林良人の『つなげるツボ』Vol.144

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.144 ■□■
*** ISO9001:2015規格の解釈2 ***
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■□■ マネジメントシステムを確立する ■□■
ISO9001をはじめISO14001、ISO27001などすべてのISOマネジメントシステム規格には、お決まりの「XXXマネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、かつ、継続的に改善しなければならない」という文言があります。

ISO9001:2015においては、箇条「4.4.1品質マネジメントシステム及びそのプロセス」に次のようにあります。

「組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。」

■□■ なぜ確立したあと実施するのか? ■□■
ある時、受講生の方から次のような質問を受けました。
「品質マネジメントシステムを確立し、実施し、・・・とありますが、なぜ「確立」した後に「実施」し、「維持」するという記述があるのですか?確立してあれば当然実施されているわけですし、維持もされたているはずです。最後の、「継続的に改善する」という記述は理解できますが。」

改めて読んでみると、確かに受講生の方の疑問はもっともだと思います。

■□■ 英文はestablish ■□■
「確立する」という英文は“establish”という単語です。
明治以来?“establish”は「確立する」と訳すのが一般的です。

JISQ9001でも1987年の初版の翻訳から一貫して「確立する」と訳しています。

そこでオックスフォード辞典を引いてみました。

・“to start or create an organization , a system , etc.”
・“set up”
・“that is meant to last for a long time”

■□■ 英単語には多くの意味がある ■□■
ご存じのように、英単語には多くの意味を持つものがあります。
ひとつの意味しかないという単語のほうが珍しいでしょう。

“establish “も同じです。ここでは“to start or create an organization , a system , etc.”か“set up”という意味が妥当です。

日本語で言えば、「用意する」、「準備する」「計画する」、少し意訳して「設計する」など、まだ実行に入る前の段階を意味していると解釈することが妥当です。

■□■ プロセスを確立する ■□■
マネジメントシステムと同様にプロセスを確立するも同じです。

ISO9001:2015箇条「8.3.1製品及びサービスの設計・開発」に次の記述があります。

「組織は,以降の製品及びサービスの提供を確実にするために適切な設計・開発プロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。」

 ■□■ マネジメントシステムとプロセス ■□■
組織は、マネジメントシステムとプロセスを設計しなければなりません。
「設計」という言葉が重たいという向きには、「計画」という言葉でもよいと思います。

いままでの「品質マネジメントシステムを確立する、プロセスを確立する」を「品質マネジメントシステムを計画(設計)する、プロセスを計画(設計)する」に変更して、読んでみると今までとは異なるイメージを描くのではないでしょうか。

では、マネジメントシステムとプロセスを計画(設計)するとはどういうことをしなければならないのかを次号でお伝えしたいと思います。

平林良人の『つなげるツボ』Vol.130

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.130 ■□■
*** コンサルタント募集 ***
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■□■ ISOマネジメントシステムの黎明と歴史 ■□■
ISOマネジメントシステム(ISOMS)が日本に入ってきて今年
で28年になります。1989年をISOMSのスタートの年としたのは、
私の記憶ではこの年に日本で最初のISO9001の認証書が
発行されたからです。

もしJABが設立された年(1993年)をISOマネジメントシステム
のスタートの年とすると今年で24年になります。

今回の2015年版は、QMSもEMSもこの歴史の中で一番大きな
改訂であると思います。

■□■ ISOマネジメントシステムの構築 ■□■ 
2008年版から2015年版への移行(QMS)、2004年版から
2015年版への移行(EMS)は、コンサルタントの方に新たな
需要を提供しています。改正された基準規格に適合する
システム構築を組織に指導する人材が求められています。

今回の2015年版は、ISOMSの原点に戻って、パフォーマンス
評価を要求しているなど、組織にはクリアすべき課題が
いくつかあります。
1.トップがその気になること。
 ISOMSに取り組むリーダーシップを取ること。
2.現在の事業推進のプロセスを分析すること。
3.基準となる規格(ISO9001:2015、ISO14001:2015)を理解
すること。
4.期待する成果に向かって、部分最適(部署)から全体最適
(組織全体)に全員の考えが変わること。

■□■ ISOMSコンサルタント ■□■
1990年~2000年にかけて、多くの組織がコンサルタントの力を
借りました。
本来は組織が自分でISOMSを構築することが理想なのですが、
そこは餅屋は餅屋で、その世界に詳しい方のサポートを貰った
方が適切に、早くISOMSが構築できるわけで、当時は多くの
コンサルタントの方が活躍されました。

■□■ コンサルティングの要諦 ■□■
コンサルティングの仕方については、いろいろな方が、いろいろな
意見を言っておられます。コンサルティングといっても対象が
異なれば当然、必要となる知識、力量、対応方法などは異なって
くるでしょう。

しかし、コンサルティングの要諦はそんなに変わるものではない
と思います。
1.顧客の期待とニーズ(要求事項)を理解する。
2.要求事項をより深化させ、より良い方向を提案する。
3.コンサルティング実施前にいろいろなオプションを示す。
4.コンサルタントは多くの引き出し(知識、知見、技術、技能など)
を持っている。

■□■ その他の要件 ■□■ 
その他の要件として、次のようなことが言えるのではないかと
思います。
1.コミュニケーション能力がある。
2.論理的な説明ができる。
3.感情に走らない。
4.ものごとを大きく俯瞰できる。
5.細部にも気を使う。
6.顧客の理解レベルを察知できる。

ISO9001:2015、ISO14001:2015年が発行されて、早いもので、
1年が経過しました。多くの組織がパフォーマンスの上がるI
SOMSを構築して移行したいと行動を始めています。

まずは移行審査に対応する、次に競争相手との差別化の
ためにも成果の上がる、すなわちパフォーマンスの向上を
求めるISOMS構築を目指す組織が増えています。

平林良人の『つなげるツボ』  Vol.1

■□■ マネジメントシステムはつながっていますか ■□■

テクノファ代表取締役の平林です。

このメルマガは、(株)テクノファ及び平林良人が何らかの縁でつながった
皆様方にお送りさせていただいております。

皆様方には当社の研修セミナーをご愛顧いただき改めて厚く御礼を申し上げ
ます。

このメルマガは、私が活動している周辺情報をあまり硬くならず、といって
あまり気軽なものにならず、何らかの形でお役に立てるような情報をお送り
することを目的としております。

では宜しくお願いいたします。

■□■ つなげるツボとは何か ■□■

マネジメントシステムの要諦は、

『 いろいろな要素をつなげる』   ことです。

つなげるにはそれなりの勘とコツすなわちツボがあります。
ツボにはいろいろなものがあります。

 - 活動をつなげるツボ

 - 手順をつなげるツボ

 - 設備をつなげるツボ

 - プロセスをつなげるツボ

 - 知識をつなげるツボ

 - 人をつなげるツボ

 - 人の心をつなげるツボ

■□■ どんなツボが発信されるのか ■□■

このメルマガでは、マネジメントシステム、ISO国際会議、品質管理学会、
環境プラニング学会、東京大学大学院授業、上場企業監査役活動、キャリア
カウンセラー、及び研究会(排出権取引など)について、その時々のトッピ
ックスをお伝えしたいと思っています。

■□■ 国際会議で 「仲間をつなげる」 ■□■

この第1号では、ISO9001:2008追補改正にかかわることから、「仲間」につ
いてのお話しをしたいと思います。

●ISOの国際会議とは?(ご存知の方は読み飛ばして下さい)

ISO(国際標準化機構)は世界160カ国あまりの国が加盟している非政府組織
で、電気以外の工業製品の標準化を扱っています。
本部はスイス、ジュネーブにあり、日本は経済産業省JISC(日本工業標準調
査会、事務局:財団法人日本規格協会)が加盟しています。

ISOは、過去80年、専門技術委員会(TC)において約2万種にも及ぶ各種規格
を審議制定してきました。

私は2003年から、そのうちのTC176〔品質保証〕(1980年設置)に参加して
きました。

TC176では品質マネンジメントシステムの規格ISO9001を審議しています。TC
176に参加している約100カ国の代表(日本代表は飯塚悦功東京大学教授)は、
規格の中に自分たちの主張を如何に入れようかと腐心していますので、常に
沸騰した議論がされています。

●仲間をつくる

国際会議でのツボは、 『仲間を作ること』 です。

日頃あまり交流のない海外の人と仲良くなるには、言葉の問題もありますが、
ポイントはその人に関心を持つことだろうと思います。

その人は、何歳くらいなのか、

子供は居るのか、

専門は何か、

どんな趣味を持っているのか、

何語をしゃべるのか、

出身国はどんな国なのか、

等々、

その人に関心を持つといろいろな話題が尽きません。

自分のことについても同じように話しをし、相手にも自分のことに関心をも
って貰えたら、まずはスタートラインに立てたと思ってよいと思います。

次にポイントとなるのは、

自分の頭の構造をできるだけ相手に分かってもらうこと、

と同時に

相手の頭の構造を知ることです。

頭の構造というのは、論理の立て方のこと、或いは考え方のことを言います。

同じことを考えても、最終着地への行き方には、いろいろなルートがあります。

結論(落としどころ)を先に考えて、そこから(未来から)現在に戻ってくる
考え方と、現在を起点に将来を考えていくルートでは、結果は同じであっ
ても、議論がそこかしこで噛み合わないでしょう。

前者の思考方法を backcast、

後者は forecast というそうです。

そういえば、forecastというのは天気予報みたいなことを言いますから、現
在を起点にして明日がどうなるかと思考することで、なるほどとうなずける
話です。

●TC176での出会い

さて、先月発行されたISO9001の追補改正版(ISO9001:2008年版は、2008年
11月15日に発行)は、2003年ルーマニアのブカレストでISO9001:2000の定期
見直しが決議されたのを受けて、議論がスタートしました。

初めて出席する国際会議で、私は、誰と仲良くなろうかと周りを注意深く観
察しました。

300人を超える出席者の中から適切だと思われる人を探し出すのは、なかな
か難しいものです。

全員が出席する総会では、まず会議の雰囲気を肌で感じることとし、2日目
に小委員会に分かれて議論を詰めていく場で仲間を求めることとしました。

そこで見つけたのは、

ドイツの故クリスと、
アルゼンチンのハラショ

でした。

後で知ることになりますが、私を含めた3人は、

1944年生まれで、当時59歳で同年でした。

今でも不思議ですが、何となく近寄って仲良くなろうとした3人は、同じ年
の生まれでした。

横道にそれますが、国際会議での議論ぶりは、

ISO専門雑誌アイソス2月号(2009年1月10日発売:2月号特集ISO9001はこう
変わった-ISO9001:2008追補改正版はこう議論されこのように決まった )
に詳しく掲載されますので、ご覧になってください。

テクノファ HP にも、掲載記事の抜粋を紹介しています。
弊社HPの「最新情報」12月10日付け掲載記事
「ISO9001はこう変わった(平林良人のISO奮戦記)」をご覧ください。

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●「仲間をつなぐ」ポイント

クリス(残念なことに2007年に亡くなってしまった。)とハラショとは、そ
れ以降、言いたいことを言える仲に段々となっていけました。

「仲間をつなぐ」ポイントは、自分をオープンにすること、自分の地を隠さ
ないことだろうと思います。と、同時に相手の人間に関心をもつことも要点
ですね。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回の第2号もどうぞお楽しみに。