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平林良人の『つなげるツボ』Vol.119

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.119■□■
*** システムは繋がっている ***
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■□■ システムの定義 ■□■

システムは「相互に関連する又は相互に作用する要素の集まり」
(ISO9000:2015箇条3.5.1)であり、お互いに繋がっています。

■□■ システムは日本語では系? ■□■

システムという言葉は、抽象度の高い一般的な概念であるため、
用いられる文脈に応じていろいろな日本語を当てることができ
ます。しかし、本質概念が西欧のものであるためピッタリと当て
はまる言葉がなく、翻訳においてはシステムというカタカタが
採用されました。

カタカナでない日本語を考えると、最初に上げられるのは「系」
であろうと思います。その他、仕組み、体系、制度、方式、機構
などのいろいろな言葉を当てることができます。

我々は、よく「有機的に繋がっている」と言いますが、システムの
本質をよく表した言葉であると思います。

■□■ 自然システムと人工システムの違い ■□■

有機的に繋がっている、という言い方から連想されるものは我々
人間の体とか植物などの生命体でしょう。

有機とは、一般に炭素Cを含む化合物をいいますが(一酸化炭
素,二酸化炭素や炭酸カルシウムなどの簡単な炭素化合物は
無機物に分類される)、この生命体の特徴は何と言ってもすべ
ての要素が繋がっていることです。それに対して人工的に作っ
たシステムは十分に繋がっていないことが多いようです。

■□■人工のシステムは切れている?■□■

我々は、日常生活の多くの場面で「システム」という用語を使っ
ています。例えば、コンピュータシステム、教育訓練システム、
交通安全システム、そしてマネジメントシステムなどです。

我々はこれらの人工的なシステムが時々設計された通りに機
能しないことを経験的に知っています。それは多くの場合、要素
が十分に繋がっていないことから発生しています。システムを
構築している要素が切れることからいろいろな問題が発生して
います。

■□■マネジメントシステムの要素■□■

我々のマネジメントシステムにはどのような要素があるでしょう
か。

まず「人」が上げられますが、次には情報、知識、IT、機械、設
備、材料、土地、建物、お金、そして顧客、請負者、外注、競争
者、行政、法律、規格など、組織で事業活動を行うに必要なも
のはすべて要素と考えられます。 

これらの要素が繋がっていることがシステムの効果的な運用に
不可欠なことです。

■□■ISO要求事項も繋がっている■□■

ISO規格の要求事項も繋がっています。規格の意図を適切に把
握するには、要求事項のいろいろな繋がりを考えなければなり
ません。

ISO9001:2015規格を例にすると、次のような繋がりを見ることが
できます。

箇条4.1 組織の目的 →5.2.1a) 組織の目的

箇条4.1 意図した結果 →4.4.1g) 意図した結果 →5.1.1g) 意図
した結果 →6.1.1a) 意図した結果 

箇条4.1 組織の能力 →4.2組織の能力 →4.3組織の能力 →
5.1.2(組織の)能力 →7.1.1a)(組織の)能力 →8.2.3.1(組織の)
能力 →8.3.4b)(組織の)能力 →8.4.1c)(組織の)能力 →8.5.1f)
(組織の)能力 →8.4.2組織の能力 →8.4.2c)1)組織の能力

■□■ 箇条4.1 「組織の目的」 ■□■

箇条4.1に記述されている「組織の目的」と箇条5.2.1a)に記述さ
れている「組織の目的」は同じものです。「組織の目的」は、一般
には定款に書かれていますが、組織が公表している理念、ミッ
ション、ビジョンなどにも示されています。その意味で「組織の目
的」は、組織ごとに異なるものです。

●4.1 組織及びその状況の理解

組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その
品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能
力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければな
らない。

●5.2.1 品質方針の確立

トップマネジメントは,次の事項を満たす品質方針を確立し,実
施し,維持しなければならない。

a) 組織の目的及び状況に対して適切であり,組織の戦略的な
方向性を支援する。

ここで重要なことは、組織の目的を自分たちの会社(組織)の具
体的な目的に書き上げてみることです。

■□■ 箇条4.1 「意図した結果」 ■□■

箇条4.1に記述されている「意図した結果」は2か所の「意図した
結果」と繋がっています。一つは、5.1.1g)に記述されている「意
図した結果」です。

二つ目は、6.1.1a)に記述されている「意図した結果」です。
「意図した結果」は組織ごとに考えなければならないものです。

●4.1 組織及びその状況の理解

組織は,組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その
品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能
力に影響を与える,外部及び内部の課題を明確にしなければな
らない。

●5.1.1 一般

トップマネジメントは,次に示す事項によって,品質マネジメント
システムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなけ
ればならない。

g) 品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成するこ
とを確実にする。

●6.1 リスク及び機会への取組み

6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき,組織は,
4.1 に規定する課題及び4.2 に規定する要求事項を考慮し,次
の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しな
ければならない。

a) 品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成でき
るという確信を与える。

ここでも重要なことは、意図した結果を自分たち会社(組織)の
具体的な意図した結果に書き上げてみることです。