ISO 9004:2018持続的成功を達成するための指針-18 | 平林良人の『つなげるツボ』

★動画版はこちらから→https://technofer.info/contents/55
—————————————————–
■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.238 ■□■
**ISO 9004:2018持続的成功を達成するための指針-18**
—————————————————–

イノベーションはどのようにして起こすのでしょうか?
前回はハイアール、ファーウエイ、サムソンなどの実情を大まかな
数字で紹介しましたが、彼らがこの20年で起こしたイノベーションを
日本でも起こそうとした場合どんな方法があるのか探ってみました。

■□■ イノベーションとは ■□■

ISO 56002:2019 では、その箇条8.3でイノベーションのプロセスを
次のように説明しています。

・機会の特定
・コンセプトの創造
・コンセプトの検証
・ソリュ-ションの開発
・ソリュ-ションの導入

まずは、どんなところに革新を起こそうとするのか決めなければなりません。
それが最初の「機会の特定」です。
次に必要なことは「コンセプトの創造」です。既存のアイディア、新しい
アイディア、潜在的なソリューション、創造性などを駆使してコンセプトを
作ります。

新規性、リスク、実現性、実行性、望ましさ、持続可能性の程度及び知的財産権
などに関してアイディア、潜在的なソリューションを評価します。
次は「コンセプトの検証」ですが、前のプロセスで創造したコンセプトを
インプットにして、例えばテスト、実験、パイロット試験および調査などを駆使して
検証をします。重要なことは、利用者、顧客、パートナーなどの目で検証する
ということです。

■□■ ソリュウションの開発 ■□■

「ソリュ-ションの開発」がイノベーション推進のカギになります。
ここでは概念から具体的なソリュ-ションを開発する、すなわち価値実現モデルを
開発することが必要です。ソリュ-ションを内部で開発するか、買収、ライセンス供与、
提携、外部委託などを通じて開発するかを慎重にかつ大胆に検討します。

さらに、宣伝、生産、供給、提携及び環境保全などソリュ-ションの実現に付帯する能力
についても計画を策定しなければなりません。
ISO 56002:2019によるとこのようなストーリになるのですが、このソリュ-ション開発の
インプットになるイノベーションのコンセプトは世界のベストプラクティスからもたらされねば
なりません。

例えば、スマホでいえば、前回話をしましたハイアール、ファーウエイ、サムソンなどが
どのような競争力を持っているのかを知らなければその上をいくイノベーションは起きません。

■□■ ソリュ-ションの導入 ■□■

価値実現モデルを含むソリューションが完成したならば、ソリューションの開始、
実施または提供などにより、利用者、顧客、パートナー及びその他の利害関係者が
ソリューションを利用できるようにします。ソリューションの導入進度、並びに利用者、
顧客、パートナー及びその他の利害関係者からのフィードバックの監視もします。

ソリューションを導入した結果は、金銭及び金銭以外の価値の実現として組織に
アウトプットがもたらされますが、目標に沿った結果が得られれば一連のプロセスは
終了したことになります。

■□■ イノベーションのプロセスの要点 ■□■

ISO 56002:2019「イノベーション・マネジメントシステム」における要点と、
それを超えた他の知見からの要点は次回お話しします。