内部診断と内部監査15 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.271 ■□■    
*** 内部診断と内部監査15 ***
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新型コロナウイルスはいったんコントロールされたかに見え
ましたが、また感染が広がり出しました。3月からのコロナ禍
の経緯をみますとコロナが終息するには相当後ろの世界になり
そうです。もしかするとインフルエンザと同様に生涯付き合っ
ていかなければならないウイルスかもしれません。
引き続き営業プロセスの内部診断についてお話しします。

■□■プロフィットセンター‐営業プロセス■□■
営業プロセスの業務は、大きく分けると新規営業、既存営業、
営業支援(電話営業、営業事務)に分けることができます。
当然のことですが会社によって分け方、名称は異なります。
自社の分課分掌規程を当ってみてください。
新規営業は、取引も面識もない会社に対して、電話や直接
訪問など何かしらの方法でアプローチし、新規顧客として
獲得をする活動のことです。
既存営業は、顧客の現状抱える課題を深堀りすることで、
自社商品と絡めた課題解決方法を提案します。現状の取引
とは別の案件が発生する可能性もあるほか、顧客との信頼
関係が深まることで別顧客の紹介を貰えるかもしれません。
営業支援は、内勤営業とも呼ばれるもので、社外にいる営業
担当者が顧客との交渉などに注力できるように、社内での
事務業務をサポートする仕事です。

■□■ 営業プロセス診断の視点 ■□■
営業プロセスの診断で特に留意すべき視点は、(1)「業務プロ
セスの明確化」,(2)「業務の標準化」,(3)「業務管理の見え
る化」の3点だと思います。
営業業務には次のようなプロセス例がありますが、まず(1)自社
の業務プロセスがどの程度明確化になっているか診断します。
・広告
・訪問
・製品・サービスの説明
・見積もり
・提案
・契約
・納品
・代金回収など
その際、個々のプロセスについては,集めるべき情報(インプット),
次のプロセスに引き渡すべき情報(アウトプット)がはっきり
されているか診断します。

■□■ (2)業務の標準化 ■□■
訪問営業においても,直接訪問、店頭セールス,ネット販売など
の様々な形態があります。また、顧客及び代理店などの声を聞き
ながら,多様なニーズを持つ顧客への対応を個々のケースとして
処しており,個人の能力に依存して業務を多くあります。このた
め,プロセスの標準化があまり進んでおらず、個人が行っている
営業活動を見てみると,いくつかの共通するステップや行動が
あります。
逆に,成功したケースの出来栄えを比較すると,成功したケース
には一定のパターンを見つけることができます。したがって,
成功パターンを標準として定め,守ることをすれば営業目標を
計画通り達成する可能性が高くなります。自社の営業プロセスが
どの程度標準化されているかが2番目の視点です。

■□■ (3)業務管理の見える化 ■□■ 
営業の基本的な仕事は、電話をかけ相手企業のキーマンや決裁者
とのアポイントを得ることです。日頃からアポイントをうまく
得るには、話し方の訓練など営業の基礎となるスキルを身につ
けることが必要です。しかし、このような努力が実らないと
業務目標は達成できません。電話を掛けることは手段であって
目的ではありません。
営業プロセスにおいても管理項目を設定することが必要です。
営業の管理項目というとすぐに売上げが思いつきますが,これ
だけではプロセスに対する適切な評価にはなりません。例えば,
訪問営業は,訪問(引き合いの創出)→提案→デモ→契約→
納入→フォローという一連の活動になります。最終の評価項目
売上だけでなく、一連の活動に対応して,訪問件数や訪問計画
達成率,引き合い件数/訪問件数,デモ依頼件数/提案件数,
契約件数/デモ件数,納期遵守率などを可視化することを考え
るのが推奨されます。このように活動と対応づけた管理項目を
設定することで,最終目標との結びつけもでき、また結果に
結びつかない活動も見えるようになります。業務管理を効果的
に行うためには,次の点を診断するとよいでしょう。
– 日報等を活用し,日々の営業活動の進捗状況を把握してい
 るか。
– 上司と部下が,営業活動の進捗状況の情報の共有し,次の
 処置を検討しているか。
– 管理項目はグラフなどを活用し,職場に掲示しているか、
 など