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附属書SLキーワード「組織の能力2」 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.69■□■

*** 附属書SLキーワード「組織の能力」***

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■□■④プロセスの運用及び監視に必要な資源を確実に利用する能力 
   ⑤定められた製品特性の監視及び管理をする能力■□■

 私は、講師をしていて事務局の皆さんとお話しする機会が結構多くあります。

マネジメントシステムの運用で相談を受けるお困りのNO.1は
「如何にうちのトップにISOを理解してもらうか」です。

今回のキーワード、「組織の能力」についてトップとお話しする機会をもつことを
お勧めします。

■□■ どんな能力を組織は必要とするか ■□■

 今回は、④プロセスの運用及び監視に必要な資源を確実に利用する能力、
⑤定められた製品特性の監視及び管理をする能力 の2つの能力について
お話をしますが、この2つはトップが必ず関心を持つ能力です。

 なぜそのようなことが言えるのかというと、
この2つの能力は経営の効率に直結する能力だからです。

ISO9001など経営に役立たない、認証証を維持できていればそれでよい、
と考えておられる経営者が”もし”居たとするならば、
ぜひこの2つの能力向上の効用を説明してください。

■□■ ④プロセスの運用及び監視に必要な資源を確実に利用する能力 ■□■

 この④でいう「プロセス」とは何でしょうか。

ISO9000の定義には「・・・一連の活動」と定義されており、
日常の業務だと理解できます。

それはそれとして、もっと大きくとらえると、
プロセスとは組織が行わなければならない使命、
役割を実現する手段を意味していると思います。

 組織は現実的な生き物です。

実現する手段はまさに組織の生命線です。

その手段がミスを起こせば、場合によっては組織全体が沈没してしまいます。

 その「プロセスを運用する資源」には、やはり「人」が第一に上げられるでしょう。

「組織は人なり」と簡単にお題目は唱えられても、
実践できている組織は多くはありません。

④の能力でまず実現したい能力は、「必要なプロセス」を分析、理解、抽出することです。

それはとりもなおさず、資源を決定することに繋がります。

■□■ 必要なプロセスとは ■□■

 附属書SLの4.4箇条では次のような要求をしています。

「組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,
品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,継続的に改善しなければならない。」

 ここに、「必要なプロセス」が出てきます。

現在のISO9001:2008も同様ですが、規格はすべてのプロセスを明確にするように
要求していません。

あくまでも組織がQMSに必要であるとしたプロセスを明確にすることを要求しています。

 組織には、さまざまな業務がありそれが網の目のように組織全体を覆っています。

多くある業務すなわちプロセスの中から、QMSに必要なもの、
重要なものを抽出することは重要な能力です。

ここで、敢えて「重要なもの」と追加しました。

規格のいう「必要」という用語の解釈になりますが、
なんでも必要であるとしてプロセスを多く取り上げると本来実施しなければならない
「本当に必要なプロセス」が埋没してしまう副作用を除くため、
重要なプロセスに限定することがよいと考えるからです。

 テクノファにはかって、「方針設定プロセス」がありました。

しかし、数年後にはなくしました。

それは、QMSに必要なプロセスとして取り上げなくてもトップは方針を設定するという
現実を踏まえたなら、「QMSに必要なプロセス」にしなくても現実に不具合は起きないからです。

むしろ、この類のプロセスを公式に取り上げてQMSを複雑にする、
それ故に誰もQMSを振り返らなくなる副作用の方が大きい、という経験を私はしています。

■□■⑤定められた製品特性の監視及び管理をする能力 ■□■

 ⑤の能力は④に比べると定型的であり、
日常管理の中に入れ込めば定着していくと期待できる能力です。

ある人は、決められた通りに実施することは組織人として最低限の責任だ、というでしょう。

しかし、この当たり前のことができない組織が多いという現実は
我々多くの者が経験していることでもあります。

 私が今理事をしている(一社)日本品質管理学会では
今年5月に「日常管理の指針」を発行しました。

詳しいことはその指針に譲りますが、要は日常管理にもノウハウがあるということです。

参考に関係ある目次のみを抜粋します。

5.1 部門の使命・役割の明確化
5.2 業務の分析と展開
5.3 一つの業務のプロセスの明確化
5.4 プロセスの標準化
5.5 管理項目・管理水準の設定と異常の見える化
5.6 異常の検出と共有、応急処置
5.7 異常の原因追究・再発防止
5.8 日常管理の定着

環境教育等促進法 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.68 ■□■
*** 環境教育等促進法 ***
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■□■ 環境教育等促進法 ■□■

 今回は附属書SLからはなれて、環境教育についてお話しします。

みなさん
ちょっと長い名前ですが《環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律》って
法律をご存知ですか?

 旧法である「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が
平成24年10月1日に完全施行され

「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」として公布されました。

略称は”環境教育等促進法”です。

 同法がどんな方向性をもった法律か、第1条目的を読んでみましょう…

■□■ 第1条 目的 ■□■

《この法律は、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な
経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会
(以下「持続可能な社会」という。)

を構築する上で事業者、国民及びこれらの者の組織する民間の団体
(以下「国民、民間団体等」という。)

が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が
重要であることに加え、これらの取組を効果的に進める上で協働取組が重要であることに鑑み、

環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組について、基本理念を定め、
並びに国民、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、

基本方針の策定その他の環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに
協働取組の推進に必要な事項を定め、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の
確保に寄与することを目的とする。》

いかがでしょうか?まさに環境リテラシーをたかめて、企業市民と消費者市民との連携を
はかりながら環境配慮型社会→循環利用型社会→持続可能な社会へと社会構造を変革していく
人材の輩出とその人材を生かしていく機会の創出を目指していくものといえます。

■□■ 環境プランナー資格制度の登録 ■□■

ここで嬉しいニュースをお伝えします。

以前にもお話したかと思いますが、私は一般社団法人 環境プランニング学会副会長を
しておりますが、http://www.kankyo-planning.org/index.html

この度、テクノファが唯一の民間研修機関として展開している環境プランナー資格制度が、
同法の第11条第4項の規定に基づき登録されることとなりました。

同条項には次の記述があります。

(人材認定等事業の登録)
第十一条 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者若しくは
協働取組の促進に必要な能力を有する者を育成し、

若しくは認定する事業又は環境保全の意欲の増進若しくは環境教育に関する教材を開発し、
及び提供する事業であって主務省令で定めるものを行う企業、大学の設置者その他の事業者、

国民及びこれらの者の組織する民間の団体は、当該人材認定等事業について、主務大臣の登録を
受けることができる。

具体的には次の講座とカリキュラムが登録されました。

対象の範囲はTC81とTC87の研修<育成>と合格者等の評価登録<認定>で
それぞれの細目は次の通りです。

■事業の内容
「環境プランナー」の育成。具体的には、組織の置かれている経営的、技術的、
管理的な固有の状況を考慮して、組織が地球環境の視点から長期的に取り組むべき課題を
明らかにし、それに対する対応策を計画することができる人材の育成。
分野:プランニング(その他)

■事業の内容
「環境プランナーER」の育成。具体的には、組織の置かれている経営的、技術的、
管理的な固有の状況を考慮して、組織が地球環境の視点から長期的に取り組むべき課題を
明らかにし、それに対する対応策を計画することができる人材の育成。
「環境プランナー」よりもさらに深い知識・能力の習得した人材の育成。
分野:プランニング(その他)

■事業の内容
環境プランナー認定事業

■環境の保全に関する指導又は協働取組の促進に必要な知識又は技能に関する事項
・環境問題の基礎的知識。

・組織の置かれている経営的、技術的、管理的な固有の状況を考慮して、
 組織が地球環境の視点から長期的に取り組むべき課題を明らかにする知識と技能。

・組織が地球環境の視点から長期的に取り組むべき課題に対する対応策を
 計画するための知識と技能。

環境プランナー有資格者のみなさまは、自らがホールドしている資格制度の法的な
裏付け拠り所ができたことを励みにしていただき、なお一層の活動を祈念致します。

またこれから環境プランナーの資格取得をとお考えのみなさまは、
許多ある環境関連資格のなかで、環境プランナーの扉をノックして頂く、
一助になればと思います。

じつはテクノファは創立20周年を迎えます。

平林といたしまして、皆様に感謝申し上げるとともに、社員にも感謝しております。

それと同時に、これまで以上に魅力的で受講のし易いカリキュラム構成や研修運営を
おこなって参りますので、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようどうぞ
よろしくお願い申し上げます。
                                以上

附属書SLキーワード「組織の能力1」 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.67 ■□■

*** 附属書SLキーワード「組織の能力」***

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■□■ 組織の能力とは ■□■

 今回の附属書SLキーワードは「組織の能力」です。

「4.1組織を取り巻く状況」の冒頭に次のような要求があります。

「組織は、組織の能力に関連し、かつ、そのxxxマネジメントシステムの
 意図した成果を達成する組織の能力に影響を与える、
 外部及び内部の課題を決定しなければならない。」

組織の能力の原文は “organization’s ability”です。

 組織の能力とはまさしく組織が継続して今の良い状態を
今後とも良い状態にしていく力を意味しています。

 能力にはいろいろなものがあると思いますが、
人の力が最も大きいものでしょう。

その他、機械、装置、資源など多くのものの能力が該当するでしょう。

■□■ IAFのコミュニケ ■□■

IAF(International Accreditation Forum:国際認定機関フォーラム)は、
JAB(Japan Accreditation Forum:日本適合性認定協会)などの
世界の国々の認定機関の連合体です。

 そのIAFが2009年に発行したコミュニケには
「QMSを構築した組織がもつべき能力」が記述されています。

あくまでも品質マネジメントシステム(QMS)に関する組織の能力についての記述
ですが、ほかのMSS(Management System Standard)にも参考になるものです。

 ①顧客ニーズ並びに法令規制要求事項の分析及び理解する能力

 ②製品特性が顧客・法令規制要求事項を満たすことを明確にする能力

 ③期待されている成果(適合製品、顧客満足)を達成するプロセスの明確化
 、運営管理する能力

 ④プロセスの運用及び監視に必要な資源を確実に利用する能力

 ⑤定められた製品特性の監視及び管理をする能力

 ⑥不適合防止を志向し、かつ体系的な改善プログラムを運営する能力

 ⑦有効な内部監査及びマネジメントレビュープロセスを実施する能力

 ⑧品質マネジメントシステムの有効性を監視、測定、継続的に改善する能力

■□■ ①顧客ニーズ並びに法令規制要求事項の分析及び理解する能力■□■

 能力の最初に上げられているのが「分析と理解する能力」です。

単に分析、理解する能力ではなく「顧客ニーズ並びに法令規制要求事項」を
分析及び理解する能力が求められています。

以下、顧客ニーズと法令規制要求事項に分けて考えていきたいと思います。

 まず「顧客ニーズ」を分析し、理解する能力は多くの組織には意識しなくても
日常発揮しているものであろうと思います。

 ただ、改めて意識してみるとどうでしょうか?

まず明確にしなければならないことは顧客とは誰かということです。

組織はいろいろな製品(サービスを含む)を扱っていると思いますが、
その中の一つの製品について考えてみましょう。

 その製品の受け手が顧客と考えていいと思いますが、その後ろにいる
顧客も組織にとっては意識しなければならない存在です。

7月に発行されたISO9001:20XXのCD(Committee Draft)には、
附属書SLに追加して次のような要求が追加されています。

 組織は,次に示すような関連する利害関係者を考慮しなければならない。
  a) 直接の顧客
  b) 最終利用者

■□■ 顧客にはいろいろな顧客がいる■□■

 ISO9001:20XXのCD(Committee Draft)は、

  a)直接の顧客、
  b)最終利用者

の2つの対象を顧客(利害関係者)として取り上げていますが、
直接の顧客の後ろには次の顧客がいる、

その後ろにはまた次の顧客がいるという形で世の中のサプライチェーンに
沿った形で幾つもの顧客がいることを忘れてはならないと思います。

 「顧客ニーズ」を分析及び理解する能力には、このように顧客には
どんな種類の顧客がいるのか、サプライチェーンに沿った顧客ごとに

どんなニーズがあるのか、もしかしたら顧客間には相反するニーズが
あるのではないか、といったことを分析する能力が求められます。

 一方で、「法令規制要求事項」を分析及び理解する能力についてですが、
組織が遵守すべき法律、条令、行政指導、業界基準などには多くのものが
あります。

組織は社会的存在ですから、社会から指弾を受けないようにあらゆる
法令規制要求事項を遵守しなければなりません。

海外の規制も含め(製品が輸出される場合)、どの法令規制要求事項に
従うべきかを抽出する能力を保有していることは組織にとって
必須なことであると思います。

以上

附属書SLキーワード「組織の目的」 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.66  ■□■

*** 附属書SLキーワード「組織の目的」***

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■□■ 組織の目的とは ■□■
 今回の附属書SLキーワードは「組織の目的」です。

「4.1組織を取り巻く状況」の冒頭に次のような要求があります。

「組織は、組織の目的に関連し、かつ、そのxxxマネジメントシステムの
意図した成果を達成する組織の能力に影響を与える、外部及び内部の課題を
決定しなければならない。」

組織の目的の原文は “organization’s purpose”であり、
“organization’s objectives”ではないことに注意が必要です。

 組織の目的とはまさしく組織は何のために存在しているか、
何のために活動しているのかを示す言葉です。

多くの組織が「社会に貢献する」、「社会に価値を提供する」、
「社会に雇用を提供する」、「社会の安全安心のため」など、いろいろな理念、
ビジョン、ミッションを発信しています。

■□■ 組織の目的は組織の外にある ■□■
 ここでひとつ紹介したい人物がいます。それはピーター・ドラッカーです。

ドラッカーは20世紀の世界ビジネス界にもっとも影響を及ばした人物であると
いわれています。

彼は1909年生まれ(ウイーン)ですから、1974年に「マネジメント」という書を
世に出した時には65歳となっていました。

彼はドイツ時代にナチスの迫害から逃れイギリスに渡り、その後アメリカで
長く活躍をしてきた人物で、残念ながら2005年にこの世を去りました。

ドラッカーは、その名著「マネジメント」になかで、
           「組織の目的は組織の外にある」と言っています。

その意味は「組織の目的は顧客を創造することである」と説明しています。

■□■ 顧客の創造 ■□■
 顧客の創造とは、文字通り顧客を作り出す(生み出す)ことですから、
どうやって?ということになります。

生み出し方を研究しなければなりませんが、そのためには、誰が顧客なのか、
顧客は何を望んでいるのか或いは望んでいないのかを把握することから
始めなければなりません。

 ドラッカーは、顧客が望んでいる製品、サービスを提供することが
唯一顧客を創造することになるといっています。

すべては顧客からスタートさせ、顧客の欲求、期待、満足を知ることから
始めるべきであると彼は説いています。

顧客は気まぐれです。世の中はいろいろな要素によって日々変化しています。

一度顧客を創造できたからといって、それは4,5年ものあいだ
続かないかもしれません。

ドラッカーは変化こそ組織が重要視しなければならない要素であるとも
説明しています。

■□■ 利益は目的ではない ■□■
 組織は利益を上げなければなりません。

その利益を先行投資して次の製品を開発することで、組織は持続的な発展を
続けていくことができます。

 この投資を実践する過程においては、さまざまな組織活動が行われます。

例えば、顧客のニーズを把握するためのマーケティング活動、
要素技術の開発活動、組織の弱点を補う人材育成活動、素材・設備・機械などの

資源の調達活動、ノウハウ・特許などの知財活動、設計活動、それに続く
展開活動など多くの活動が、すべて顧客が何を期待しているかによって
決まってきます。

 これらの活動は組織の利益のために行っているわけで、それはそれで正しいと
思うのですが、ドラッカーは適切な考えではないと言うのです。

 これらの活動はすべて顧客を生み出す活動であって、
利益のための活動ではないと言うのです。

 利益はその結果付随的についてくる組織運営の手段であり
目的ではないと説くのです。

■□■ 利益は手段であって、目的ではない ■□■
 ドラッカーは、利益は組織の手段であると言い目的はあくまでも
顧客を創造することにあると説明します。

 利益を目的と考えてしまうと、顧客の要望、欲求、期待、望みを正しく
捉えることができず、一時は期待通りにいったとしても必ずどこかで
破綻するとみているのでしょう。

 もちろん、利益は組織の最も重要な要素であり、
これなくして持続的に存続していけません。

 しかし、顧客を得なければ利益は得られないわけで、利益はあくまでも
結果としてもたらされるものである、と考えることがよいのでしょう。

 xxxマネジメントシステムを設計する場合もこのセオリーに沿って
実行していくこと推奨します。

以上

附属書SLキーワード3「プロセス」 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.65  ■□■

*** 附属書SLキーワード3
「プロセス」***

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■□■ プロセスという用語はたくさん出てくる ■□■

 附属書SLにはプロセスという言葉が多く出てきます。

〇 4.4 XXXマネジメントシステム

 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及び
 それらの相互作用を含む,XXXマネジメントシステムを確立し,
 実施し,維持し,かつ継続的に改善しなければならない。

〇 5.1 リーダーシップ及びコミットメント

 - 組織の事業プロセスへのXXXマネジメントシステム要求事項の
 統合を確実にする。

〇 6.1 リスク及び機会への取組み

 組織は,次の事項を計画しなければならない。
 - それらの取組みのXXXマネジメントシステムプロセスへの
 統合及び実施

〇 7.5.1 一般

 組織のXXXマネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。
 - 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類

〇 8.1 運用の計画及び管理

 組織は,次に示す事項の実施によって,要求事項を満たすため,及び,
 6.1で決定した取組みを実施するために必要なプロセスを計画し,
 実施し,かつ管理しなければならない。

 - プロセスに関する基準の設定
 - その基準に従った,プロセスの管理の実施
 - プロセスが計画通りに実施されたという確信をもつために
 必要な程度での,文書化された情報の保持

 組織は,外部委託したプロセスが管理されていることを確実に
 しなければならない。

■□■ プロセスとは何でしょう ■□■

 プロセスとは何でしょうか?

ISO9000用語の定義では「インプットをアウトプットに変換する、
相互に関連する又は相互に作用する一連の活動」としています。

 私はもっと一般的な概念でプロセスを捉えた方がいいと思っています。

私はプロセスとは「道のり」だと思っています。

目的地を東京とした場合、例えば、今いる大阪からどのように
行くのかという道筋のことです。

新幹線で行ってもよいし、東海道線で行っても、あるいは
途中から回り道をして中央本線を使って行ってもよいわけです。

その道筋は目的によって変わります。

早く行きたいときは新幹線を選択するでしょうし、途中の駅弁を
食べたければ在来線、すなわち東海道線で行くでしょう。

また、地方の鄙びた温泉でゆっくりしていきたいと思う時は、
中央本線で行くことがおすすめかもしれません。

 詩人 高村光太郎はその詩「道程」の冒頭で
「僕の前に道はない、僕の後ろに道はできる・・」とうたっていますが、

目的に向かってどのような道筋を通るかは主人公の思いを明確にして、
それに適切なものにすればよいわけです。

■□■ 業務におけるプロセス ■□■

 業務についても同じことが言えます。

Aという製品を完成させるのにどのような道筋を通るのがよいのか、
すなわち、どんな活動を行うのかがプロセスの概念であると思います。

 旅行では道筋でよいのですが、組織のQMSとなると道筋では
大括りすぎますので、一段とブレイクダウンして「活動」が
プロセスの概念であると考えることになります。

 プロセスの代表的対象が道筋から活動に変わっているだけで、
その意味するところは何ら変わっていません。

 つまり、最終の目標に向けてどのような活動をしていくのか、
その順序と相互関係、更にはインプット、アウトプット、責任者、
実施内容、管理を設計することがポイントです。

 この設計に当たっては、旅行と同じで最終目標を見据えて、
最後のアウトプット(直接の顧客に手渡されるもの)から吟味、
検討することが良いと思います。

■□■ プロセスの設計は後ろから ■□■

 後ろから設計するとどのように良いことがあるのでしょうか?

最初の業務から「何をすべきか」を考える組織が多いようですが、
この方法だと必要十分なことを考えることになります。

 旅行の例で言いますと、東海道新幹線、東海道線、中央本線など
いろいろな道筋を考えることになります。

旅行の目的が明確になっている場合は、一本の道筋に決めることが
できますが、業務の実施方法を設計する場合は、試行錯誤するケースが
圧倒的に多く、幾つかの活動の組み合わせを考えることが多いのです。

 最後のアウトプットは顧客へ引き渡されるものですから、
一番明確になっている「もの」です。

この決定的に明確になっている「もの」を出発点にして、
そこへのインプットを明確にしていきます。

次にはその前の活動のアウトプットを明確にする、というように一つづつ
最初の着手点に遡っていく設計は、必要条件しか明確にしないこととなります。

換言すれば、十分条件は選択しない。

この方法は、一般に言われている「バックキャスティング」という
考え方と同質なやりかたです。

■□■ 組織にはいろいろなプロセスがある ■□■

 当然のことですが、組織にはいろいろなプロセスがあります。

 旅行に例えれば、多くの社員がいろいろな目的地に向かって
いるような状況です。

 附属書SLに多く出てくるプロセスがときどき目的地が違う意味で
使用されていることを知っておく必要があります。

 冒頭に掲げた附属書SLに現れるプロセス一つひとつについて
確認してみましょう。

〇 4.4 XXXマネジメントシステム

 組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの
 相互作用を含む,XXXマネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,
 かつ継続的に改善しなければならない。

 【QMSという活動のプロセス/事業という活動のプロセス】

〇 5.1 リーダーシップ及びコミットメント

 - 組織の事業プロセスへのXXXマネジメントシステム要求事項の
 統合を確実にする。
 
 【事業という活動のプロセス】

〇 6.1 リスク及び機会への取組み

 組織は,次の事項を計画しなければならない。
 - それらの取組みのXXXマネジメントシステムプロセスへの統合及び実施

 【QMSという活動のプロセス】

〇 7.5.1 一般

 組織のXXXマネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。
 - 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類

 【事業という活動のプロセス】

〇 8.1 運用の計画及び管理

 組織は,次に示す事項の実施によって,要求事項を満たすため,及び,
 6.1で決定した取組みを実施するために必要なプロセスを計画し,実施し,
 かつ管理しなければならない。

 - プロセスに関する基準の設定
 - その基準に従った,プロセスの管理の実施
 - プロセスが計画通りに実施されたという確信をもつために必要な程度での,
 文書化された情報の保持

 組織は,外部委託したプロセスが管理されていることを確実にしなければならない。

 【事業という活動のプロセス】

以上