よくある質問
ISO 14064とは
ISO 14064は、温室効果ガス排出量のモニタリング(算定)、報告、検証等についてのISO規格です。2002年からISO/TC 207において規格づくりが開始され、2006年3月に発行されました。
ISO 14064に関連する規格として、ISO 14065と14066があります。ISO 14065は検証機関等の認定のための要求事項が書かれた規格で2007年4月に発行されました。ISO 14066は検証チームの力量についての要求事項が書かれた規格で2011年4月に発行されました。
ISO 14064は、次の3部から構成されています。
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簡単に言えば、温室効果ガスを排出する事業を行っている組織が算定を行い、それとは別の人が検証人として算定結果が正しいか検証します。検証は多くの場合検証機関が行います。
ISO 14064の第1部はインベントリ型(キャップ&トレード型)での算定について、第2部はプロジェクト型(ベースライン&クレジット型)での算定について、第3部は妥当性確認・検証について記載されています。第1部と第2部は算定者の行うこと、第3部は検証人の行うことが記載されているとも言えます。
ちなみに、規格の中に出てくる用語の
“directed action”と”greenhouse gas project”の違いは、第1部と第2部の違い、つまりキャップ&トレード型とベースライン&クレジット型の違いを理解しなければ、表面的にしか理解できません。本当の意味で理解したと言う為には、広範で深い学習が必要です。テクノファのセミナー「ISO 14064-1温室効果ガス排出量算定コース」(コースID:TM78)をご受講の際はこれだけでも理解してお帰りいただきたいと思います。
ISO 14064-1:2006(JIS Q 14064-1:2010)は、まえがき、序文、本文(全8章)、附属書(A~C)、参考文献のリストから構成されています。本文の章立ては次のようになっています。
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第8章は”検証活動”という言葉がありますが、検証人ではなく、算定を行った”組織”(温室効果ガスを排出する事業を行っている組織)の役割について書かれています。
また、第3章では次の5つの原則を挙げています。
- 適切性(Relevance)
- 適切性(Relevance)
- 完全性(Completeness)
- 一貫性(Consistency)
- 正確性(Accuracy)
- 透明性(Transparency)
ISO 14064-2:2006は、まえがき、序文、本文(全5章)、附属書(A~B)、参考文献のリストから構成されています。この規格が出来た時期が京都議定書によるプロジェクト・ベースのメカニズム(CDM、JI)が動き始めた後だったため、附属書を見るとかなり意識した作りという印象を受けますが、本文は他のISO規格同様、制度中立つまり様々な排出権制度で利用できる根本的なことが書かれています。
本文の章立ては次のようになっています。
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第3章では第1部と共通の5つの原則に加えて、”Conservativeness(保守性)”が挙げられています。これもキャップ&トレード型とベースライン&クレジット型の違いを理解しなければ、表面的にしか理解できません。本当の意味で理解したと言う為には、広範で深い学習が必要です。
ISO 14064-3:2006は、まえがき、序文、本文(全4章)、附属書(A)、参考文献のリストから構成されています。本文の章立ては次のようになっています。
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規格の中に出てくる用語の”materiality(重要性)”と”uncertainty(不確かさ)”の違いを理解しなければ、検証を確実に行うことは出来ません。ある程度の訓練を含む学習が必要です。テクノファのセミナー「温室効果ガス排出量算定者/検証人(ベリファイヤー)養成5日間コース」(コースID:TM16)や「ISO14064/65/66 GHG検証規格解説コース」(コースID:TM17)をご受講の際はこれを学習目標の一つにしていただきたいと思います。