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「パフォーマンスの改善」(第31回)

平林良人「パフォーマンスの改善」(2000年)アーカイブ 第31回

欠陥を診断し克服することは、ヒューマンパフォーマンスシステムの3つの用途の1つだけを表しています。6つの要素は、既に期待を満たしているパフォーマンスを改善するためにも活用できます。例えば、フィードバック或いは考課・評価に関する改善は、良いパフォーマンスをさらに良くするでしょう。またマネージャーやアナリストは、新しく変わった業務のサポート環境を作る手助けに、質問集をチェックリストとして使用することができます。例えば、業務が設定され、人員配置がなされる前に、明確なパフォーマンス仕様を設計し、考課・評価の強化を計画することができます。
まだ別の利便性があります。ヒューマンパフォーマンスシステムの強化は、パフォーマンスの質と効率を改善し、また、職業生活の質を豊かにします。その結果、業務遂行者は、ツールの3様の適用における自発的なパートナーとなります。
Computec社における経理担当者は以下を必要とします。

3つの信用調査目標を理解する
信用調査をするのに必要なマニュアル、電話、顧客の信用歴情報、計算機及びその他の資源を所有する。
業務目標の達成に対して報酬が与えられる。
彼らの信用調査パフォーマンスに関し、頻繁で具体的なフィードバックを受ける。
効果的で効率的な信用調査をする対象、理由、方法を知っている。
精神的、感情的に、経理部門の環境において信用調査を行う能力がある。
以下は、高い視点から見た業務マネジメントのための質問です。

業務遂行者は業務目標(彼らが製造することを期待されるアウトプットと満たすことが期待される基準)を理解していますか?
業務遂行者は十分な資源、明確な指示、優先順位及び論理的な業務設計を持っていますか?
業務遂行者は、業務目標達成に対する報酬を与えられていますか?
業務遂行者は、彼らが業務目標を達成しているかどうか知っていますか?
業務遂行者には、業務目標を達成するのに必要な知識/スキルがありますか?
業務遂行者が上記5つの質問に「はい」と答える環境にいるとして、彼らは、業務目標を達成する肉体的、精神的、感情的な能力を持っているでしょうか?

要約

組織とプロセス目標は、業務/遂行者レベルのパフォーマンスによってのみ達成されます。要員を運営管理することは簡単でありませんが、それは思われるほど神秘的ではありません。能力のある人を雇うことによって、効率的で、質の高いパフォーマンスを期待するより、効果的なマネージャーは、むしろ、その能力のある人が手本とすべきレベルで働くのを可能にする様に要素を運営管理する目的に、ヒューマンパフォーマンスシステムを活用します。マネージャーは、全員が1つのヒューマンパフォーマンスシステムの中に存在していることを認め、そして彼らはそのシステムの有効性に影響を及ぼす6つの要素を認識しています。その上、彼らは4つの環境要因(ほとんど彼らの管理下にある)が、パフォーマンス改善の最大の好機を提供する傾向があるとわかっています。以下のことがわかっています。

経営幹部は、彼らの直接報告者の責任の明確化及びパフォーマンス評価に、ヒューマンパフォーマンスシステムが彼らが発行しようと検討している方針をサポートすることを確実にするために、直接報告者のアウトプットの質、生産性及び職業生活を最大にするヒューマンパフォーマンスシステムを創造するために、彼ら自身のヒューマンパフォーマンスシステムを診断し、改善するために、そして、組織規模の変化が、実施しようとしている諸環境にサポートされていることを確実にするために、業務/遂行者レベルの見方とツールを活用することができます。
マネージャーは、経営幹部が彼らの直接報告、彼ら自身及び創造している変化に対し活用しているのと同じ方法で、業務/遂行者レベルの見解を活用することができます。
アナリスト(特に人材スペシャリスト、工業技術者及びシステムアナリスト)は、パフォーマンスニーズを診断し着目するために、彼らが提案する、或いは、要請された変化がヒューマンパフォーマンスシステムによってサポートされていることを確実にするために、彼らが共に働かなければならない彼らの上司やその他との関係を管理するため、そして彼ら自身のパフォーマンスを診断し、改善し、彼ら自身の職業生活の質を高めるために、業務/遂行者レベルの見解及びツールを活用することができます。

本章の概念とツールは、次に続く「適用」に関する章全体で使用されています。