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持続可能な開発目標(SDGs)その4

B.持続可能な開発目標(SDGs)

以上のような国連2030アジェンダを基本にして合意された17の目標と169のターゲットが以下の原則で作成された。

  • 1. SDGsとターゲットは、各国の置かれたそれぞれの現状、能力、発展段階、政策や優先課題を踏まえつつ、一体のもので分割できないものである。
  • 2.地球規模且つすべての国に対応が求められる性質のものである。
  • 3.ターゲットは、地球規模レベルでの目標を踏まえつつ、各国の置かれた状況を念頭に、各国政府が定めるものとなる。
  • 4.各々の政府は、これら高い目標を掲げるグローバルなターゲットを具体的な国家計画プロセスや政策、戦略に反映していくことが想定されている。
  • 5.持続可能な開発が経済、社会、環境分野の進行中のプロセスとリンクしていることをよく踏まえておくことが重要である。
  • 6.最も脆弱な国々、特にアフリカ諸国、後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国が直面している特別な課題とともに、中所得国が直面している特有の課題を強調する。
  • 7.いくつかのターゲットについては、基準データが入手困難であるということを認識する。国及び地球規模レベルの基準データを整備するための加盟国レベルでの能力構築及びデータ収集強化の支援を強く求める。
  • 8.アジェンダの実施の妨げとなり得る課題に関する他のフォーラムでの各国の取組を歓迎する、
  • 9.本アジェンダ及びその実施が、他のプロセスやそこでの決定に対しこれに貢献することはあっても侵害することのないようにする。
  • 10.持続可能な開発の達成に向け、それぞれの国が置かれた状況及び優先事項に基づき各々に違ったアプローチ、ビジョン、モデルや利用可能な手段が変わってくることを認識する。
  • 11.地球という惑星及びその生態系が我々の故郷であり、「母なる地球」が多くの国及び   地域において共通した表現であるということを再確認する。

B-1 17の目標は次のとおりである。

  • 持続可能な開発目標
  • 目標1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
  • 目標2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
  • 目標3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
  • 目標4.すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。
  • 目標5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
  • 目標6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
  • 目標7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
  • 目標8 .包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク:decent work )を促進する。
  • 目標9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
  • 目標10. 各国内及び各国間の不平等を是正する。
  • 目標11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
  • 目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する。
  • 目標13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
  • 目標14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
  • 目標15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
  • 目標16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
  • 目標17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

B-2 169のターゲットは目標別に次のとおりである。

目標1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる.
  • 1 1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
  • 2 1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
  • 3 1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
  • 4. 1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
  • 5. 1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
  • 6. 1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
  • 7. 1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。
目標2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
  • 8. 2.1 2030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
  • 9. 2.2 5歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
  • 10. 2.3 2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
  • 11. 2.4 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
  • 12. 2.5 2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
  • 13. 2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
  • 14. 2.b ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
  • 15. 2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。

次回に続けます。