ISO 9001の第3版、2000年に発行された規格から取りこまれた、品質マネジメントを推進していく上でISOとして考える大事な概念。

 ISO 9000において、「2.3品質マネジメントの原則」にQMS(特にISO 9001)を考えていく上で大事にすべき原則を7つにまとめています。その中の一つにプロセスアプローチがあり、ISO 9000の2.3.4項で以下の説明が加えられています。

 2.3.4.1 説明
活動を,首尾一貫したシステムとして機能する相互に関連するプロセスであると理解し,マネジメントすることによって,矛盾のない予測可能な結果が,より効果的かつ効率的に達成できる。

 2.3.4.2 根拠
QMS は,相互に関連するプロセスで構成される。このシステムによって結果がどのように生み出されるかを理解することで,組織は,システム及びそのパフォーマンスを最適化できる。

 2.3.4.3 主な便益
あり得る主な便益を,次に示す。

  • 主要なプロセス及び改善のための機会に注力する能力の向上
  • 密接に関連付けられたプロセスから構成されるシステムを通して得られる矛盾のない,予測可能な成果
  • 効果的なプロセスのマネジメント,資源の効率的な利用,及び機能間の障壁の低減を通して得られるパフォーマンスの最適化
  • 組織に整合性があり,有効でかつ効率的であることに関して利害関係者に信頼感を与えることができるようになる。

 ISO 9001に基づく大事な概念として、ISO 9001の0.3.1項において、「プロセスアプローチを採用することを促進する。(中略)プロセスアプローチは、組織の品質方針及び戦略的な方向性に従って意図した結果を達成するために、プロセス及びその相互作用を体系的に定義し、マネジメントすることに関わる。」と説明されています。

 但し、上記の説明で良く理解できたとはならない場合もあろうと思います。ISO規格の旧版ではありますが、第4版(2008年版)ではプロセスアプローチについて以下の説明がなされています。ご参照ください。

 ISO 9001:2008 0.2 プロセスアプローチ
『組織内において,望まれる成果を生み出すために,プロセスを明確にし,その相互関係を把握し,運営管理することと併せて,一連のプロセスをシステムとして適用することを,“プロセスアプローチ”と呼ぶ。』