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品質マニュアルの作り方(第45回)

平林良人「品質マニュアルの作り方」(1993年)アーカイブ 第45回

条項4.7 顧客による支給品

  • “購入者による支給品”について,条項名を「顧客による支給品」と変え説明している。
  • 1. 顧客が会社に支給する部品については,購買品と同じ工程検証,合格・不合格検査を実施する。
  • 2. これらの支給品は,個別の認識をするために,FI (Free Issue)のコードを下につけられる。
    • サポート文書類
    • 受入検査書           QM 0006
    • 外注評価質問書         QM 0007
    • 外注会社への標準的要求事項書  QM 0008
    • 材料欠陥報告書         QM 0009
    • 初回サンプル報告書       QM 0010
    • 検査報告書           QM 0012
    • 外注会社評価のガイドライン   QM 0013
    • 特別採用書           QM 0018
    • 外注管理・等級基準       QM 0021
    • 外注会社是正処置報告書     QM 0023
    • 修理・検査費用の払戻し     QM 0037
    • 倉庫保管管理者         QM 0011
    • 設計図修正手順書        QM 0061

条項4.8 製品の識別及びトレーサビリティ

  • 関係するサポート文書の一覧を掲げながらポイントを説明している。
  • 1. 会社は,部品の場合,半完成品の場合,完成品の場合,かつ製造工程,検査・試験エ程,梱包,品質監査下にある場合の,すべての場合において,製品の識別に必要な手順を確立し,実行する。
  • 2. すべての製品には,顧客によって注文書に割り振られた認識番号がつけられている。この番号は,会社のスケジュール表,計画書,流動表および関連したすべての品質記録に使用される。
  • 3. 製造工程の最終でロツトごと「製造記録・欠陥分析シート」が完成され,製造段階から梱包に至るすべての工程での,製品の合格・不合格の数が記録される。
  • 4. 梱包終了後に「梱包票」が完成され,そのコピーが送品コンテナーのなかに添付される。
  • 5. 1週間以内の製造品については,識別が可能であり,不適合品の回収については手順書に従う。
    • 注〕ラベル,バッチカード,管理文書に記入される典型的な情報は次の通りである。
    • a)個別製品番号,b)数量,c)工程,d)検査済スタンプ,e)署名者,f)日付。
    • サポート文書類
    • 日付・トレーサビリティ・製品回収基準書  QM0001
    • 製品品質監査書              QM0005
    • 仕様書管理書               QM0026
    • 製品検査・試験書             QM0029
    • 製品品質計画書-1             QM0031
    • 製品巡回検査書              QM0032
    • 製品指示書-1               QM0033
    • 最終検査および試験書           QM0036
    • 製品品質計画書-2             QM0039
    • プレス工場管理基準書           QM0042
    • 電気試験基準書              QM0043

条項4.9 エ程管理

  • “工程管理”について述べている。ポイントは次の通りである。
  • 1. 会社は,新製品の立上げにおいては,現有の設備の活用を最優先する。
  • 2. 現有の設備に据付け変更や工程変更がある場合,文書変更管理を行う。特に検査・試験指示書の変更は,直接品質に影響するために重点をおいて実行する。
  • 3. 会社の工程管理の要諦は製造仕様書に記述されている。この製造仕様書には,工程の重要管理ポイントが記述されており,全従業員によって参照可能である。製造仕様書には次のことが含まれている。
    • ① 部品構成表
    • ② 製造工程
    • ③ 参照文書と図面
    • ④ 検査および試験基準。
  • 4. 会社には3種の仕様書が存在し,それぞれ色によって識別されている。
    • ① 基本仕様書→赤色
    • ② 少量生産仕様書→緑色
    • ③ その他仕様書→青色
  • 5. すべての仕様書の詳細と発行状態は記録されており,これらの記録は文書管理係が保有し,管理する(仕様書管理書QM 0026を参照)。
  • 6. 製造工程管理,また機械,設備・装置の管理などに統計的手法が活用される。統計的手法には工程能力図,了一R管理図,パレート図,ヒストグラムなどが含まれる。また作業の出来映え基準として限度見本が用いられる(製品巡回検査書QM 0032を参照)。

  • 特殊工程
  • 工程終了後の検査および試験では検証できないエ程は,工程の連続的な監視などの方法で品質の保証をする。当社における特殊工程は溶接工程である。
    • サポート文書類
    • 日付・トレーサビリティ・製品回収基準書  M 0001
    • 製品品質監査書              QM 0005
    • 製造指示書-1               QM 0014
    • 製造指示書-2               QM 0016
    • 統計的工程管理基準書           QM 0021
    • 作業指示書-1               QM 0025
    • 仕様書管理書               QM 0026
    • 試験装置セッティング基準書-1       QM 0028
    • 製品検査・試験書             QM 0029
    • 製品評価基準書              QM 0030
    • 製品品質計画書-1             QM 0031
    • 製品巡回検査書              QM 0032
    • 検査指示書-1               QM 0033
    • 検査指示書-2               QM 0034
    • 試験装置セッティング基準書-2       QM 0035
    • 最終検査および試験書           QM 0036
    • 製品品質計画書-2             QM 0039
    • 試験装置セッティング基準書-3       QM 0040
    • 製造指示書-3               QM 0041
    • プレス工場管理基準書           QM 0042
    • 電気試験基準書              QM 0043
    • 作業指示書-2               QM 0045
    • 作業指示書-3               QM 0046
    • 技術図面管理基準書            QM 0053