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「パフォーマンスの改善」(第20回)

平林良人「パフォーマンスの改善」(2000年)アーカイブ 第20回

要約すると、次の質問が組織マネジメントのためのものです:

適切な部門目標は設定されましたか?
関連する適切なパフォーマンスは評価されますか?
資源は適切に配分されていますか?
部門間のインタフェースは管理されていますか?

要約

組織レベルのパフォーマンスが定められ、設計されても、それが運営管理されていないなら、人とシステムのパフォーマンスに対する脈絡も駆動力もありません。この様な環境の下では、よく計画された活動も、孤立状態で、ほとんど目的を達成できません。組織レベルに関連する考察は、会社全体又は政府公的機関から最も小さな部門までどんな組織単位にとっても重要です。組織レベルに関する変数とツールは、次の人達によって活用できます。

経営者、ビジネスがどのように運用されているかを理解し、組織戦略及び評価指標を推敲し、適切な部門間の関係を築き、実施可能な組織構造を作り出し、部門間のインタフェースを経営管理するために。
マネージャー、ビジネスがどのように運用されているか、そして、どのようにそれらが大きな視野の中に納まるかを理解し、部門の目標を確立し、他部門との関係を強化し、実施可能な組織構造を作り、彼らの管理する部門の下位組織間のインタフェースを経営管理するため。
アナリスト、顧客組織が現在どのように運用されているか、そしてどのように結果を評価しているかを理解し、システム変更とその他の改善の影響を組織全体として決定し、彼らの活動が最も大きい成果を生む領域を特定し、そして組織全体のパフォーマンスに対するプラスの効果を持つ強化すべき事項を提案するため。

組織レベルの3つのパフォーマンス変数の各々に対して示された質問に答えることによって、及び関係マップのようなツールを使うことによって、組織パフォーマンスの方向を示し、そしてそれを管理下に置くことができます。本章は、顧客、供給者、従業員及び株主を含む暗いシナリオから始まりました。組織レベルの効果的なマネジメントは、彼らの展望を変換するまで、長期に渡り役立でしょう。

顧客が組織を見る見方。「我々のニーズに非常に敏感です。彼らは、しばしば我々が認知する前に我々が何を欲し、かつ必要とするかを知っている。製品が良好な限り、我々をリピーターにさせるものは何よりも販売後のサービスです。彼らはできないことを約束しません。我々は顧客担当責任者との確固とした長期的な関係を築きました。我々は、彼らをベンダーとすることを誇りに思っています。」

供給者が組織を見る見方。「彼らは、何をしようとしているのかを知っているようです。彼らは新製品や改良型製品の部品を調達する時に、かなりのリードタイムを提示してくれます。彼らは、競争力の源泉となる部品寸法に特に厳しい仕様を求めますが、我々を、競争力を強めるための開発プロセスに含めています。彼らがビジネスパートナーとして我々を扱うので、我々は彼らのために一層の努力をしていきます。我々は彼らのベンダーであることを誇りに思っています。」

従業員が組織を見る見方。「この組織の誰もが最初から仕事を正しく行うことに対する責任を持っています。我々はどんな誤りも許す余裕はありません。改造した製品、又は顧客への標準外の配達スケジュールを約束する前に、営業部門は製品開発部門、製造部門及び配送部門に話をしています。我々全員が相互依存性と顧客がリピーターになるようにするのに必要な優先事項を理解しているので、私は他の部門と迅速に合意を得ることができます。製品とサービスは、マーケティング部門、製造部門及び製品開発部門から構成されたチームによって開発されます。ミーティングには頻繁に顧客と見込み客が参加しています。全従業員が会社の戦略を理解し、自身の目標がどのようにその戦略に貢献するかを知っています。私は自分の優先事項を理解しています。それらが変更される時には、私はその理由を理解します。要員は、彼らの役割が内部の、又は外部の顧客ニーズの役に立つことであることを理解しています。部門のマネージャーは、供給者及び顧客としての関係を持つ他の部門と協力しなければ、自分達の目標を達成できないことを知っています。私は、仕事に関する課題への挑戦と得られるサポートによって、動機づけられています。私は、私が連鎖の中の欠くことのできない一員であることを理解しています。私はここで働くことを誇りに思っています。」

株主が組織を見る見方。「この会社は私にお金を儲けさせてくれます。」

ユートピア?我々の経験では存在しません。これら優越的な見方は3レベルのパフォーマンスの各々で「強調した活動を行っている」組織の自然な結果であり、また、それはすべて組織レベルから始まります。組織レベルのパフォーマンス変数とツールは、何が行われる必要があるか(目標)、それを行うのに必要な関係(設計)、及びそれを行うための妨害を取り除く実践(マネジメント)を特定する手助けをします。効果的な組織レベルを基礎として我々は、次の2章で扱うプロセスと業務/遂行者レベルにおいてのパフォーマンスを理解、分析、そして運営管理することができます。