ISO情報

「パフォーマンスの改善」(第79回)

平林良人「パフォーマンスの改善」(2000年)アーカイブ 第79回

第16章 パフォーマンス改善のアクションプランの開発。

-1,000マイルの旅行も、最初の一歩から始まる。
– Lao Tzu

あなたは、組織のシステム的見方によって業務が遂行される様子が提示されると信じると仮定しましょう。あなたはあなたが管理するシステムの各要素を運営管理するように決められています。あなたはパフォーマンスの全3レベルのツールが、戦略を考案して実行し、品質、生産性、サイクルタイム及びコストを改善し、機能する組織を設計する包括的なあらゆる活動の中心になることに同意しています。あなたは、あなたのマネジメントシステムの基礎として9つのパフォーマンス変数のそれぞれをサポートする質問を使うことを誓いました。しかし、あなたは少し圧倒されると感じるでしょう。この時点でのあなたの第一の疑問は、たぶん「どう始めましょうか?」です。
始める方法の1つは、3レベルのプロジェクトを開始することです。3レベルへの広範囲に渡るコミットメントが組織のあるべき姿となる前に、そのアプローチの価値を示さなければなりません。短期的な貢献をして、長期の可能性を示す最良の方法は、3レベルのツールをあなたの組織が直面する戦略問題に適用することです。以下のステップは初期の3レベルの活動を表します。それには、あなたがアクションプランの基礎として3レベルの活動を使用する方法が述べられています。その記述において、「あなた」は企業全体か又は重要な部門内のトップチームを意味します。

ステップ1:組織レベル

始めは、ビジネスの戦略を開発することです。戦略開発は、6カ月も要する計画業務を始めることを意味しません。あなたのビジョンと方向を確認して、最新化するための2、3時間だけを必要とするくらいです。もしもあなたとあなたの同僚が、第7章に示されている質問の答えに関して合意に達していないなら、どんな改善活動も方向を誤るというリスクを冒すことになります。
戦略が明確になり、最新のものになれば、第10章にフェーズ0として記述した、パフォーマンス改善計画を行うことを推奨します。この活動の間、その戦略と「スーパーシステム」マップ(第2章参照)は、競争優位を確立するか、又は競争上の不利な状況を排除する機会を示す1つ又は複数の重要経営問題(CBIs)を特定する手助けをします。
またフェーズ0は、改善されたあかつきには、最優先の重要経営問題に最大の効果を与えるプロセスを特定する手助けをします。
確かに、あなたが取り掛かりやすい機会から始めるべきですが、そのアプローチが役立つかどうかを確認するためだけに、簡単な又は小さな問題を選ぶ誘惑には抵抗することを提唱します。3レベルのツールはどんなに複雑な問題でも対象にすることができ、実際に問題が多面的なときに、それらは最も威力を発揮します。そのアプローチは重要な問題に適用される場合にその価値を示します。

ステップ2:プロセスレベル

重要経営問題とプロセスを特定し、プロセス改善プロジェクト(PIP)を始めることを勧めます。PIPは、トップチームのあなたと他の者がプロジェクトの目標、役割及び境界を定義するフェーズ1から始まります。上級マネージャーとそのプロセスで働いている要員の両方を巻き込むフェーズ2では、現在のプロセスが文書化されて分析され、将来のプロセスが設計(フェーズ1で規定された目標と同様に本質をついた)され、そして評価指標が開発されます。詳細なアクションプランと実施は、パフォーマンスの全3レベルでのアクションを含むフェーズ3で起こります。

フェーズ1、2及び3で使用されるステップ並びにツールは、第10章で説明されています。

ステップ3:業務/遂行者レベル

フェーズ3の重要な側面は、ステップ2で設計されたプロセス改善の実施の成功に重要な1つ又は複数の業務の特定を含みます。業務毎に(業務の当事者と監督者を伴う)プロセスチームは、新プロセスに求められるアウトプットと目標を記述します。そして、これらの業務の要員に提供されなければならない環境サポートを特定するようにチームに依頼します。
アウトプットと目標を提示するために、第12章に述べた業務モデル様式を使用することを勧めます。新しい業務責任をサポートする資源、フィードバック、報酬及び教育訓練を特定するために、第6章に示されているヒューマンパフォーマンスシステムに関する質問を用いることを提案します。
この3ステップのプロセスによって、参画者と他の者が3レベルのパフォーマンス全てを対象とすることの利益に気付くことができます。彼らは、重要な3レベルツールである、関係マップ、プロセスマップ、業務モデル及びヒューマンパフォーマンスシステムの質問のいくつかで活動することになるでしょう。最も重要なことは、彼らが、組織が直面する重要問題を解決して、継続的改善(第13章参照)を推進する基礎を作成するということです。
しかしながら、我々は、この3レベルは「束ねられた」方法でのみ効果的に使用することができると思って欲しくはありません。「どう始めましょうか?」の2番目の答えが、3レベルのツールの1つか2つを目標とした対象に適用することです。前に(特に第8、10章で)述べたもっと包括的なプロジェクトに加えて、複数の組織が次のような方法で3レベルのツールの個々を首尾よく適用しています。