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「パフォーマンスの改善」(第80回)

平林良人「パフォーマンスの改善」(2000年)アーカイブ 第80回

関係マップとプロセスマップは、電話会社全体を再組織して顧客への焦点を増加させるために使用されました。
関係マップとプロセスマップは、3年でその総収入を4倍にするため、エレクトロニクスメーカーのアメリカ本社と海外の子会社との歴史的な友好関係を強化し、公式化するのに使用されました。
関係マップは、航空機会社の入社時教育訓練で新入社員に彼らが全体像のどこに配属されるかを素早く示すのに使用されました。
組織、プロセス及び業務の評価指標は、製紙工場で工場経営者から機械運転者に至る全員がそのベクトルを合せるのに使用されました。
役割/責任分担マトリクスと業務モデルは、消費者金融業の支店長の責任を明確にし、1,400店の小売店組織の4階層のマネージャーの責任を明確にするために使用されました。
ヒューマンパフォーマンスシステムは、出版社の高い退職率の原因のいくつかを診断し除去するために使用されました。
業務モデルとヒューマンパフォーマンスシステムは、行政機関のパフォーマンス評価システムの設計の基礎として使用されました。

要約

我々のファイルは、30年間にわたる200以上のパフォーマンス改善プロジェクトに関するデータを含んでいます。それら全ては3レベルのツールの適用を含んでおり、それらは大規模なもの(国際的なエレクトロニクス会社の競争優位としての迅速なサイクルタイム確立)から小規模のもの(スナック食品製造会社の機械運転者のパフォーマンス改善)まで及んでいます。我々は、3区分のすべてのユーザ、経営層、マネージャー及びアナリストが、次のような目的で3レベルを適用していく新しい方法を見つけていきます。

不十分なパフォーマンスを診断して除去する1組のツールとして
適切に働いているシステムを継続的に改善する推進力として
組織を新しい方向に誘導するロードマップとして
新しい存在を設計する青写真として

しかしながら、3レベルのパフォーマンス改善は固有問題への介入にとどまりません。そのツールは、頻繁に議論されるが体系的に追求されていない多くのカルチャー変化を、マネージャーと貢献する個人達が、引き起こすことを可能にします。これらのカルチャー変化には次を含みます。

顧客志向がすべての活動を動かしていることを確実にする。
客観的なパフォーマンス評価による責任を確立する。
部門間の対立を最小にする。
全員参加型のマネジメントを実施する。
より良いパフォーマンスと高い職場生活の質の両方を達成する作業環境を作り出す。

マネジメントの最善の本からでさえ、読者が得る重要な考え又はツールは多くはないと信じます。我々が述べた最も重要な考えは次の通りです:

組織は適応型システムとして行動します。急速に変化する環境の要請に効果的にすばやくプロアクティブに適応するために、全てのシステム要素、インプット、プロセス、アウトプット及びフィードバックが運営管理されなければなりません。
組織戦略及び運用の有効性は、3レベルのパフォーマンス、組織レベル、プロセスレベル及び業務/遂行者レベルの産物です。結果として、全ての改善活動は3レベルのレンズを通して見られなければなりません。
3レベルのそれぞれで満たされるべきパフォーマンスの3つのニーズは、目標、設計、マネジネントです。9つのパフォーマンス変数を運営管理しないことはビジネスを全体的に運営管理しないことです。
組織横断プロセスはどんなビジネスにおいても、品質、生産性、サイクルタイム及びコストに関して特に重要です。
要員の運営管理は、彼らが働いているヒューマンパフォーマンスシステムのすべての要素のニーズを対象とすることを含むべきです。
3レベルのそれぞれにパフォーマンスを文書化し、分析し、改善するのに役立つツールがあります。

我々はパフォーマンス改善の実践者です。我々は結果を得るのに役立つ場合にだけ、理論に興味を持っています。3レベルの枠組みがパフォーマンス改善の理論の統一を我々に提供することがわかりました。もっと重要なことは、それが、説明し示したツール群に我々を導きました。
第1章では、アメリカの会社が直面している課題と我々が見ていることを説明しました。急速に変化する市場、より高い品質水準、激化する競争、重要な資源の不足及び度肝をぬくような技術の発展は、ほとんどすべての分野と世界各地で当たり前になりました。伝統的な解決策はこの新しい現実に対応していません。
我々がこの本で述べたアプローチは即効性を表すものではありません。我々は、投資を伴わない包括的で継続的な組織変化を引き起こすツールを経験したことがありません。3レベルの見方は、あなたがあなたの組織とそのパフォーマンスに影響を与える変数をより理解することを可能にします。この理解を基礎として、あなたはトップから末端至るパフォーマンス改善を引き起こすために、3レベルの手法を使用することができます。我々は、その課題が達成されるものと信じています。

終わり