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戦略分野における基盤整備 | ISO情報テクノファ

ISO審査員及びISO内部監査員に経産省の白書を参考にした製造業における有用な情報をお届けします。

■ 戦略分野における基盤整備

(1) IoT社会実現に向けた次世代人工知能・センシング等中核技術開発(58億円)
産業競争力を強化し、顕在化する様々な社会課題を解決するキーテクノロジーであるAI 技術を実世界のすみずみまで実装させていくために必要となる次世代AI 基盤技術開発として、「人間と協調できるAI」「実世界で信頼できるAI」「容易に構築・導入できるAI」に関する技術開発、AI 技術とロボット技術を融合させた研究開発成果の社会実装を目指した産学官連携での大規模研究開発、AI 技術を中心とした革新的リモート技術の高度化と実用化を目指す研究開発、リアルデータを高精度・安定的・容易に取得可能とする超微小量センサや過酷環境用センサデバイスの開発及び信頼性評価・向上技術の開発を実施した。

(2) 超低消費電力型光エレクトロニクスの実装に向けた技術開発事業(15億円)
クラウドコンピューティングの進展等により課題となっているデータセンターの消費電力抑制に向けて、電子回路と光回路を組み合わせた光エレクトロニクス技術による光電子融合サーバボードの開発など、最終成果に向けた研究開発を実施した。

(3) 高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業(99億80百万円)
IoT 社会の到来により増加した膨大な量の情報を効率的に活用するため、ネットワークのエッジ側で動作する超低消費電力の革新的AIチップに係るコンピューティング技術や、新原理により高速化と低消費電力化を両立する次世代コンピューティング技術(量子コンピュータ、脳型コンピュータ等)等の開発を実施した。

(4) 省エネエレクトロニクスの製造基盤強化に向けた技術開発事業(20億50百万円)
産業のIoT 化や電動化が進展し、それを支える半導体関連技術の重要性が高まる中、我が国が保有する高水準の要素技術等を活用し、エレクトロニクス製品のより高性能な省エネルギー化を実現するため、次世代パワー半導体や半導体製造装置の高度化に向けた研究開発に着手した。

(5) ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(900億円(2020年度第3次補正)、1,100億3百万円(2021年度補正))
各国で商用サービスが始まりつつある5G に対して、更に超低遅延や多数同時接続といった機能が強化された「ポスト5G」に対応した情報通信システムの開発・製造基盤を強化するため、2019 年度に「ポスト5G 情報通信システム基盤強化研究開発事業」を立ち上げた。2021 年度までに、57 件・事業費1750億円について採択し、引き続き研究開発を実施した。

(6) 健康・医療情報を活用した行動変容促進事業(44億55百万円の内数)
日常生活の健康データは、日常の行動変容の促進による予防・健康増進に加えて、患者の行動変容の促進や重症化予防によるQOL の向上等に資するとして、医療現場での利活用についても期待が高まっている。そのため、糖尿病等の生活習慣病やその他疾患領域において、医療現場と民間企業が連携し、IoT 機器等(ウェアラブル端末等)から取得した日常生活の健康データを用いて予防・健康増進に向けた行動変容を促すアプローチの方法や、医療現場等での健康データの活用手法に関する研究事業を実施した。2021 年度は、新たに6件を新規採択した。

(7) 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(6億57百万円)
サービスロボットの社会実装の促進に向けて、ユーザーの業務フローや施設環境でロボットを導入しやすい” ロボットフレンドリーな環境“に変革するため、メーカーのみならず、ユーザーや情報通信企業等が連携し、研究開発等を実施した。また、産業用ロボットの更なる高度化に向けて、産業界が協調しつつ、大学等研究機関との間で、汎用動作計画・ハンドリング、遠隔制御技術、ロボット新素材に関する基礎応用研究を実施した。

(8) ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(40億円)
物流やインフラ点検等を効率化できるロボットやドローンの性能評価基準、運航管理システム、衝突回避技術等について福島ロボットテストフィールド等を活用し開発した。また、その成果を国際標準化につなげるとともに、世界の最新技術を日本に集め、日本発のルールでロボット・ドローンの開発競争を加速させる仕掛けを構築した。

(9) 無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(57億22百万円)
地域の移動手段を確保し、同時にモビリティの省エネ化に資する、自動走行等の先進モビリティサービス・技術の早期社会実装を促すべく、「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」を新たに立ち上げ、レベル4自動運転移動サービスの実現・普及等に向けた研究開発や実証を推進するとともに、自動運転車の安全性評価基盤の構築、MaaS(Mobility as a Service)の高度化・横展開のためのスマートモビリティチャレンジ等を実施した。また、自動走行など、自動車設計・開発現場の高機能化・複雑化が進む中、開発上流工程の効率化に向け、自動車向け半導体のモデルベース開発(MBD)を進めるべく、2021 年度は、モデルの標準的な作り方のガイドライン策定に向けた検討や、半導体を構成する基本要素のモデルの構築を行った。

(10) 産業系サイバーセキュリティ推進事業(19億40百万円)
重要インフラや我が国経済・社会の基盤を支える産業における、サイバー攻撃に対する防護力を強化するため、(独)情報処理推進機構(IPA)に設置する産業サイバーセキュリティセンターにおいて、官民の共同によりサイバーセキュリティ対策の中核となる人材を育成した。また、制御システムの安全検証等を実施した。

(提案公募型の技術開発支援)
(1)中小企業技術革新制度(SBIR制度)
SBIR 制度を中小企業等経営強化法(平成11 年法律第18 号)から科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成20 年法律第63 号)へ根拠規定を移管したことにより、イノベーション政策として省庁横断の取り組みを強化するとともに、これまでの特定補助金等を指定補助金等、特定新技術補助金等に改めた。指定補助金等ではスタートアップ企業等によるイノベーションの促進に向けて、公募・執行に関する各省庁統一的な運用や、段階的に選抜しながらの連続的支援を実施、また新産業の創出につながる新技術開発のための特定新技術補助金等を指定、支出の目標額等の方針の策定により、国の研究開発予算のスタートアップ企業等への提供拡大及び技術開発成果の事業化を図ることとした。

(2) 戦略的基盤技術高度化支援事業(109億円の内数)
我が国経済を牽引していく重要産業分野の競争力を支える特定ものづくり基盤技術の高度化等に向け、中小企業・小規模事業者が産学官連携して行う製品化につながる可能性の高い研究・開発及び販路開拓への取組を支援することとし、2021 年度は65 件を採択した。

(3) ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(2,300億円(2020年度第3次補正)の内数、2,001億円(2021年度補正)の内数))
働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入など相次ぐ制度変更等に対応するため、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援することとし、2021 年度は「通常枠」で4,346 件を採択した。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、対人接触機会の減少に資する設備投資等を支援するために設けた「低感染リスク型ビジネス枠」においては、2021 年度は3,564 件を採択した。

(4) ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業(10億40百万円)
コネクテッド・インダストリーズの取組を広く普及させるため、また、地域経済を牽引する事業がもたらす地域経済への波及効果を高めるため、中小企業・小規模事業者等が連携して行う高度なプロジェクトの実施に必要な設備投資等を支援することとし、2021 年度は41 件を採択した。

(5) 研究開発型スタートアップ支援事業(21億38百万円(当初)、33億50百万円(2021年度補正))
研究開発型スタートアップの成功モデルを創出し、自律的にイノベーションを創出するエコシステムを構築するため、起業から事業化にいたるまでの事業段階に応じた一貫した支援を実施した。具体的には優れた技術シーズを活用した事業構想を持つ起業家候補に対して、企業の立ち上げ活動の支援や、成長性を秘めた研究開発型スタートアップに対して、支援人材、ベンチャーキャピタル、研究機関、事業会社等の協力を得ることを条件に、実用化開発等に係る研究開発費用等の支援を実施した。また、政府のニーズに基づき設定された研究開発テーマについて、事業化・成長可能性の高い技術シーズを持つスタートアップ等による実現可能性調査等を支援した。

(6) 中小企業等事業再構築促進事業(1兆1,485億53百万円(2020年度第3次補正)、6,123億円(2021年度補正))
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待し難い中、ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することを目的とし、経費の一部を支援した(2022 年3月時点採択件数35,183 件)。

(国家基幹技術の開発・利用によるものづくり基盤の強化)
(1) 大型放射光施設(SPring-8)の整備・共用(95億18百万円※(当初)、10億6百万円(2021年度補正))
大型放射光施設(SPring-8)は、光速近くまで加速した電子の進行方向を変えることで発生する極めて明るいX 線「放射光」を用いて、物質の原子・分子レベルの構造などを解析できる世界最高性能の研究基盤施設である。材料科学や環境・エネルギー、生命科学、創薬等、我が国の経済成長を牽引する様々な分野で革新的な研究開発に貢献している。産業利用の割合は約2割と、諸外国の同様の施設と比べても高い。2021 年度は年間約9,000 人の産官学の研究者に利用された。

(2) X線自由電子レーザー施設(SACLA)の整備・共用(69億16百万円※)
X 線自由電子レーザー施設(SACLA)は、レーザーと放射光の特長を併せ持つ高度な光を発生させ、原子レベルの超微細構造や化学反応の超高速動態・変化を瞬時に計測・分析する世界最先端の研究基盤施設である。光合成メカニズムの解明や、燃料電池の開発、創薬など、学術、産業共に世界最先端の革新的な研究開発成果が創出されている。

(3) スーパーコンピュータ「富岳」の整備・共用(153億29百万円)
スーパーコンピュータ「富岳」は、2021 年3月に共用を開始して以降、研究者・技術者や産業界などの利用者が使いやすい利用環境の整備に取り組んでおり、ものづくりをはじめ、エネルギー、材料・物質などの幅広い分野の研究開発で利用され、画期的な成果が創出されつつある。また、2021 年11 月に発表されたスパコンランキングでは、「富岳」が4つのランキング(TOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500)において4期連続で世界1位を獲得した。

(4) 大強度陽子加速器施設(J-PARC)の整備・共用(154億27百万円(当初)、11億38百万円(2021年度補正))
大強度陽子加速器施設(J-PARC)は、極めて大強度の陽子加速器により生成された中性子やミュオン、ニュートリノ等を利用して、素粒子物理、生命科学、材料科学、環境・エネルギー分野などの幅広い分野の研究開発が可能な研究基盤施設である。特に中性子線施設では、持続可能な社会の構築に資する全固体セラミックス電池や固体冷媒などの開発につながる画期的な研究成果が創出されており、全実験課題のうち2~3割が民間企業による産業利用である。2021 年度は年間のべ約6,000人以上の産学官の研究者に利用された。

(5) 官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進(12億45百万円(当初)、39億90百万円(2021年度補正))
最先端の科学技術は、物質の「構造解析」に加え「機能理解」が重要となっており、物質の電子状態やその変化を高精度で追える次世代放射光施設(軟X 線向け高輝度3GeV 級放射光源)の早期整備が求められている。同施設は、学術・産業ともに高い利用ニーズが見込まれることから、財源負担も含めて官民地域が共同する枠組みにより整備することとされており、2019 年度より仙台市において建設を開始し、2023 年度中の稼働を目指して施設の整備を進めている。

(6) 革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築(18億86百万円)
HPCI は、2012 年9月末に共用を開始して以降、ものづくり分野を含む様々な分野の研究開発において活用されている。例えば、自動車の開発などで従来行われている風洞実験では実現が難しい、高速走行時に車両が蛇行した際の走行安全性をシミュレーションで実現することで、設計期間の短縮、コスト削減による産業競争力の強化への貢献が期待されている。

(7) 政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備等事業(13億円(2020年度当初))
質・量が抜本的に向上している地球観測衛星データは、防災、農林水産業、インフラ管理等の様々な分野での利用が期待されている。しかし、データが有償であることや、膨大なデータ量であるために一般コンピュータでの処理が困難であること等を理由に、産業利用は限定的であった。このため、衛星データや地上データ(人流、統計データ等)、AI や画像解析用のソフトウェアが利用可能な政府衛星データプラットフォーム「Tellus」の開発・運用を行った。2021 年度は、搭載データの拡充や機能追加等を継続して実施し、また、衛星データを用いたデータコンテストや衛星データ利活用促進のためのイベントデータ分析トレーニング等も開催した。

(8) 衛星データ利用基盤強化事業(25億円(2021年度補正))
高解像度衛星でベースマップをもとに、他の衛星データを補正して重ね、地上データとも統合分析を行える環境を政府衛星データプラットフォーム「Tellus」上に構築し、農業分野等の他のプラットフォームとの高度なシステム連携を実施している。これに加え、様々な行政・産業用途で期待される小型衛星向け多波長センサーを開発している。

(大学等の能力を活用した研究開発の促進)
(1) 大学発新産業創出プログラム(START)(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数)
起業前の段階から、公的資金と民間の事業化ノウハウ等を組み合わせることにより、成長性のある大学等発ベンチャーの創出を目指した支援を行った。また、2021 年度より、スタートアップ・エコシステム拠点都市において、大学・自治体・産業界のリソースを結集し、世界に伍するスタートアップの創出に取り組むエコシステムを構築する取組への支援を行った。

(2) 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数)
大学等の研究成果の実用化促進のため、大学や公的研究機関等における有望なシーズ発掘から事業化に至るまで、切れ目なく支援をした。

(3) オープンイノベーション機構の整備事業(17億85百万円)
企業の事業戦略に深く関わる大型共同研究(競争領域に重点)を集中的にマネジメントする体制の整備を通じて、大型共同研究の推進により民間投資の促進を図った。

(4) 共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)
(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数)
社会変革や社会課題解決に繋がる産学官連携によるオープンイノベーションを促進するため、大学等を中核としたバックキャスト型の本格的な共同研究の推進と環境づくりを行う、産学官共創拠点の形成を支援した。

(5) センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数等)
大学や公的研究機関、企業等が集う、世界と戦える大規模産学連携研究開発拠点を構築・運営し、社会実装を目指して産学協働で研究開発を集中的に実施することで、革新的なイノベーションの連続的な実現と、新産業の創出を目指す取組を推進した。

(6) 産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数)
民間企業とのマッチングファンドにより、複数企業からなるコンソーシアム型の連携による非競争領域における大型共同研究と博士課程学生等の人材育成、大学の産学連携システム改革等とを一体的に推進することで、我が国のオープンイノベーションを加速するための支援をした。

(7) 地域イノベーション・エコシステム形成プログラム(30億20百万円)
地域の成長に貢献しようとする地域大学に事業プロデュースチームを創設し、地域の競争力の源泉(コア技術等)を核に、地域内外の人材や技術を取り込み、グローバル展開が可能な事業化計画を策定し、リスクは高いが社会的インパクトが大きい事業化プロジェクトを支援した。

(8) 知財活用支援事業(国立研究開発法人科学技術振興機構運営費交付金の内数)
優れた研究成果の発掘、特許化を支援するために、一貫した取組を進めている。具体的には、大学等における研究成果の戦略的な海外特許取得の支援、各大学等に散在している特許権等の集約・パッケージ化による活用促進を実施するなど、大学等の知的財産の総合的活用を支援した。

(9) 産学連携知的財産アドバイザーによる支援((独)工業所有権情報・研修館運営交付金の内数)
地方創生に資する大学等の活動を促進するため、事業化を目指す産学連携プロジェクトを展開する大学に知的財産の専門家である産学連携知的財産アドバイザーを派遣して知的財産マネジメントを核とする支援を行う「産学連携知的財産アドバイザー派遣事業」を実施している。2021 年度は全18 大学に産学連携知的財産アドバイザーを10 名派遣した。

(オープンイノベーション拠点TIAの取組 <経産省、文科省>)
オープンイノベーション型の研究開発を加速させるため、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、筑波大学、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)、東京大学及び東北大学が連携してオープンイノベーション拠点である「TIA」を推進中である。民間企業がTIA を活用して、優れた性能を有する半導体の研究開発を行うなど、民間企業や大学等と連携網を広げ、産学官に開かれた研究開発拠点として、オープンイノベーションと人材育成を一体的に推進している。2021 年度には、産業競争力強化法を一部改正し、TIA の共用施設であるスーパークリーンルーム産学官連携研究棟(SCR)、その他付随施設及び設備が企業等により柔軟に利用できる環境を整備した。また、TIA 第3期2年目として、「ポスト5G 情報通信システム基盤強化研究開発事業」において産業技術総合研究所つくばセンター内に整備される研究開発拠点をPR すべく、先端半導体製造技術つくば拠点オープニングシンポジウムを経済産業省、NEDO、産業技術総合研究所と共催した。TIA 中核6機関の連携による新領域開拓を図るTIA 連携プログラム探索推進事業「かけはし」においては、「プレベンチャー醸成支援」や「社会課題(SDGs) に伴う共創の場形成支援」等の連携強化の取り組みを行った。また、Web を活用しながら、TIA の人材育成事業として、TIA 連携大学院「サマー・オープン・フェスティバル」や、若手研究人材の育成を目的とする「Nanotech CUPAL」事業を実施した。なお、「Nanotech CUPAL」は自主事業最終年度であることから参加機関による総括報告会をWeb 上にて開催した。

(科学技術イノベーション人材の育成・確保)
(1) 博士後期課程学生の処遇向上と研究環境確保(23億16百万円(当初)、347億20百万円(2021年度補正))
将来の科学技術・イノベーションを担う存在である博士後期課程学生の処遇向上とキャリアパス確保を実施する大学に対して支援を行う「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」や「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」を実施した。

(2) 特別研究員制度(161億28百万円)((独)日本学術振興会運営費交付金の内数)
創造性に富んだ研究者の養成・確保を図るため、優れた若手研究者に対して、研究奨励金を支給し、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者としての能力を向上できるよう支援している。

(3)卓越研究員事業(10億92百万円)
優れた若手研究者が産学官の研究機関において、安定かつ自立した研究環境を得て自主的・自立的な研究に専念できるよう研究者及び研究機関に対して支援を行う取組を実施した。2019 年度から、若手研究者と研究機関をつなぐブリッジプロモーターによるマッチングを促進する新たな取組を導入している。

(4) 次世代アントレプレナー育成事業(EDGENEXT)(3億83百万円)
学部学生や大学院生、若手研究者などに対するアントレプレナー育成プログラムの実施により、我が国全体のアントレプレナーシップ醸成をより一層促進するとともに、我が国のベンチャー創出力の強化に資する取組の支援を実施した。

(5) 科学技術イノベーションを担う女性の活躍促進(19億80百万円)
出産・育児等のライフイベントと研究との両立や、女性研究者の研究力向上を通じたリーダーの育成を一体的に推進する大学等への支援など、科学技術イノベーションを担う女性の活躍促進に向けた取組を実施した。

(6) リサーチ・アドミニストレーター等のマネジメント人材に係る質保証制度の実施(54百万円)
研究者の研究活動活性化のための環境整備や大学等の研究開発マネジメント強化に資する人材であるリサーチ・アドミニストレーター(URA) 等のマネジメント人材の質保証制度の導入に向けた取組を支援した。

(出典)経済産業省 2022年版ものづくり白書
 ・https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/index.html

(つづく)Y.H