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ISO内部監査って何?どうやるの? (その10)

●ISO内部監査は自分の普段行っている仕事のことを話せばよいのだ、ということがわかりました(その1)

営業部の鈴木一郎です。
営業部に来て半年、ついにISO内部監査での監査を受けるというお役目を頂戴することになり、急遽強制的に受けさせられた(???)部長の特別講義に端を発し、このところ部長とはISO内部監査に関するやり取りばかりをしているような気がしてきています。

今日は、改めて内部監査を受ける、ということがどのような意味を持つことなのか、そして何を準備して、どのような心構えで内部監査を受ければよいかのご高説(???部長自らが言っていました(笑))を賜る(ということにしておきましょう)ことになったので、そのお話をお伝えしますね。

「鈴木君、マニュアルについてはだいぶ理解が進み、そして内部監査員が用いるチェックリストのことも説明したので、一応準備段階の最後として、我々監査を受ける側が監査前にどのようなことをすればよいかを確認しておくよ、いいかな」
「はい、お願いします」
「改めて聞いておくが、前の部署では内部監査を受ける側に回ることも君はなかったんだよな」
「はい、ありませんでした。ずっと課長と先輩で対応していたものですから」
「まあそれはそれで構わないので、先に進めよう。今回内部監査を受けるにあたって何か気になっていることはあるかな」
「はい、実は2つほどあります」
「うん、それじゃ、そこから聞いていこう」
「はい、一つ目は不適合指摘を受けることになったらすごく嫌だな、と思っています。そしてもう一つは、いろいろな資料を持ってきて、とか説明して、と言われた際に自分が全部対応できるかな、という不安な気持ちがあります」
「なるほど」
「まあ、二つ目の方は、自分の担当案件でなければわからないことが色々あるので仕方ないだろうとは思うのですが、その時は課長に助け舟を求めればよいのでしょうか」
「うん、それは簡単なこと、その通りでいいよ。すべてのことを一人で答えようと思ったら、たとえ課長であっても対応できないかもしれない。だから監査の際には営業部の場合は、どうしても、という状況以外は外訪禁止にしているわけだ。ある案件に細かく入り込んで確認しなければならない状況になって君の手に負えなくなったら、課長なのか、その案件の担当者なのか、内部監査員の人とも相談しながら適切な人が誰かを特定して、その人を監査の場に連れ出せばよいと思えば安心できるかな」
「ああよかった、これで心配はだいぶ軽くなりました」
「うん、それで一つ目の方は?」
「ああ、はい、不適合指摘ですね。これはどの案件で出るかにもよるのですが、とにかく自分が担当している案件で出ないことだけを祈っています」
「なるほど。内部監査で不適合指摘をもらうと、営業成績上でもダメ評価をもらう、という気持ちに、もしかするとなっているのかな」
「えっ、そうじゃないんですか?」

「そう、そのあたりを今日はしっかり理解してもらうことにしよう。まず基本的には内部監査における不適合指摘は個人の業務パフォーマンスに関する監査ではない、ということをしっかり理解してほしい。
あくまで前提としては、会社として、特に今回は環境内部監査なわけだから、環境に対応する仕組みがしっかり構築され、そして日々の業務運営の中でそれらのことへの取り組みができているかを確認するために行われるもの、ということなんだ。
つまりそこで不適合指摘が出る、ということは会社として仕組みができていないか、あるいは仕組みは作ったものの有効機能していないか、という視点が内部監査員側には求められているんだよ。もし誰か一人の案件をチェックしていて問題かな、と思えることが出てきたら、そのベースにある仕組み自体がどのようになっているかということに監査をする側は踏み込んでくることになる。

例えば、簡単な例で言うと、いつも再生紙で、白色度70の紙を納入している先に、白色度80の紙を納入することに変わったときがあったとしよう。少しかたっ苦しい言い方をすれば、継続発注してくれていた先の仕様変更ということだ。この時にきちんとお客さんと仕様変更に関するやり取りがあれば何も問題ないが、もしその記録が残っていないと後からどうしてその仕様変更が起きたか、ということを説明するのが難しくなることは想像がつくね」
「はい、わかります」
「我々の業務手順上は、環境への影響が出る商品の仕様変更時には原則文書でのやり取りを行ってその記録を3年間保管すること、というルールにしているわけだから、その記録が残っていなければルール違反ということになる。その上で、たまたまそのとき1回だけなのか、複数回、あるいは他のお客様との間でもそのような事象が起きてしまっているのか、によって問題の根深さも変わってくる、ということになるわけだ。誰か1回のケアレスミスであれば口頭注意にとどめておく、ということもあり得るが、複数案件で同じような事象が見つかれば、それは確実に仕組みは存在していても機能していない、ということになる。これが不適合指摘の基本精神ということなるわけだ。どうかな、少し難しいかな」
「はあ、何となくわかったようなわからいような・・・・」

(次回に続けます)