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【ここでしか読めない!】ISO 9001審査員セミナー「合格の秘訣」!

5.審査・監査がどのように進むかを理解しよう!

ISO9000審査員研修コースを合格修了するためには、規格の知識だけでなく審査・監査を実際に行えるようになることが必要です。もちろん実際の組織で試すわけにはいきませんので、審査員研修コースでは模擬監査のプログラムを用意しています。ここでは実際の審査を想定し、審査員になりきって課題に取り組んでいただきます。なお審査と監査は同じ意味で使っていると考えてください。 審査・監査の流れはJIS Q 19011の第6章「監査の実施」に書かれていますが、コース内ではどのように進むか、イメージをつかんでいただけるよう簡単に紹介します。

【監査の流れ】

① 準備

皆さんは監査員となり、監査対象の組織がどのような文書に従って作業を進めているかを確認します。なおコース内では、講師が被監査者役(監査を受ける側)を担当します。 皆さんはグループで作業を分担し、被監査組織の作業手順書や出来上がった帳票などをチェックします。模擬監査用の資料なので、作業手順書通りに行われていない箇所がきっと見つかるでしょう。

② 監査計画の策定
監査のスケジュールを作成します。監査をどのように進めれば効率的かを考えて計画します。このとき、監査を受ける側の事情も考慮してください。 たとえば初日の午前中はこの部署の責任者を呼んでインタビューしようとか、2日目の午前中は現場に行って担当者にヒアリングしよう、というようにスケジュールを作成していきます。しかしそれが被監査組織の業務を大きく妨げるものであってはいけません。そこには一般的な感覚も必要です。なぜその順番でヒアリングするのか、現場で何を見るのか、ストーリーを考えることも重要な練習です。 監査は一人ですべて進めるのではなくチームで行いますので、誰がどういう作業を担当するか作業の割当てもここで行います。

③ チェックリストの作成
監査の場ではどんなことを確認するか、どのように質問するか、チェックリストにしてまとめておきます。講師が演じる被監査組織の担当者に対し、何をどのように聞けば適合・不適合の判断ができるか、しっかりと考えましょう。効果的な監査を行うためには、このような事前の準備はとても大切なことです。

④ 監査活動の実施
初回会議で被監査組織に監査チームメンバーを紹介し、監査の目的等を伝え、監査活動への協力を依頼します。そしていよいよ監査を開始します。チェックリストに基づいて質問したり、現場を見て状況を確認したりといった作業を進め、被監査組織の品質マネジメントシステムに関する情報をしっかりと収集します。インタビューや文書・記録の確認等を通じて不適合な状況を発見したときは、被監査組織にそれを説明して理解してもらうことが必要です。そして監査所見を作成し監査チーム内で会議を行って結論をまとめます。 コース内でも上記のように、被監査者役にふんする講師を相手にヒアリングをします。模擬監査なので不適合を指摘する箇所が必ずあるような設定にしています。そのときは臆せず指摘し、相手に納得してもらえるよう証拠を示して、きちんと説明をしなければなりません。講師のほうが知識も経験も豊富なので言い訳をしてくるかもしれません。それでも冷静に話を整理し、自説を強引に主張することなく、誠実に粘り強く対応してください。講師も意地悪でやるのではありません。皆さんが審査員として実際の審査に臨んだとき、言葉に詰まって立ち往生しないよう、内心では応援しながらその役を演じているのです。ここは勝負どころとなりますので頑張ってください。

⑤ 監査報告書の作成
監査結論を被監査組織に伝えるために監査報告書を作成します。コース内では個人作業で報告書をまとめます。

⑥ 監査の完了とフォローアップ
被監査組織は監査によって示された是正すべきことや改善が望ましいことなどについて、期間を決めて取り組みます。

さて、コース内でご自身が実際に行う姿を少しはイメージできたでしょうか?模擬監査はグループで行いますが、できるだけ積極的に発言し、チームを引っ張るぐらいの意識で行動すれば、技能も身に付きやすいでしょう。そのためにはやはり規格を熟知していなければ、自信を持って行動できません。将来、審査員になることを目指す人や自社の内部監査を担当する人には大変貴重な体験になることでしょう。

(次号へつづく)

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