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私とマネジメントシステムそしてISO(その16)

第16回

「私とマネジメントシステムそしてISO」の第16回目です。第5回で述べたTQC特徴6項目について話が進んでいます。
 TQC特徴6項目とは、第5回目でお話しした次の6項目です

5.1 全員参加の品質管理
5.2 品質管理の教育・訓練
5.3 QCサークル活動
5.4 QC診断
5.5 統計的方法の活用
5.6 国家的品質管理推進活動

今回は5.3「QCサークル活動その5」から始めることになります。

5.3 QCサークル活動その5
(7) QCサ-クル活動の推進.

「QCサ-クル活動の基本理念」3項目を実現出来る推進の仕方が大切です

 ・人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す.
 ・人間性を尊重して、生き甲斐のある明るい職場を作る.
 ・企業の体質改善・発展に寄与する.

この理念の実現に必要な諸項目は次のようであると思います。

1)QCサークル推進事務局の役割.
事務局は、QCサークル推進委員会のスタッフ組織として、活動推進の企画・運営・指導・支援を行います。この事務局の技量・熱意が発展・停滞かを分ける本当に大事なものです。地区・ブロックの幹事を担当した私共は、痛感している所です。

 ① QCサークル活動の活動方針・推進計画の策定・立案。
 ② QCサークル委員会の開催・運営。
 ③ QCサークルリーダー会の開催。
 ④ 新サークル登録、テーマ登録、テーマ完了報告等の把握。
 ⑤ 全サークルの推進実態の把握と開示。
 ⑥ 個別サークルの指導・援助。
 ⑦ 外部大会の内容の全サークルへの報告。
 ⑧ 社内QCサークル発表大会の開催準備・開催。

2)教育・研修の継続実施。
トップをはじめ、支援者たる部課長をも含めた教育・研修の継続実施が、QCサークルの発展には欠かせません。

① 外部からの講師招聘による全員教育.
QCサークル活動が、「基本理念」の通りであるとの理解を深める意味でも、外部講師による指導と外部情報の収集が必要です。Epsonでは、日本鋼管の今泉先生、川崎製鉄の藤田先生等の講演を頂きました。特にトップへの教育に役立ったと今になっても強く記憶に残っています。

② 固有技術の教育.
問題解決には、固有技術の昇華が必要です。創意工夫が無ければ改善・改良が出来ません。自職場に必要な技術の深い理解こそが改善の手掛かりを与えてくれる事を認識すべきです。

③ QCの知識教育.
管理図・層別・チェックシート・パレート図・ヒストグラム・散布図・特性要因図・PDCA Cycle・連関図等の品質管理の基礎知識を徹底して教育することです。

(8) QCサ-クル活動の運営.
QCサークル活動の大きな目的の一つの、テーマ解決活動は、「テーマの選定」~「活動計画の作成」~「管理・改善活動」~「まとめと発表」~「次期テーマの選定」を継続的に繰り返す事になります。これをメンバー全員が夫々の立場で役割を果たすことにより、その過程で個人の改善・解決能力がUpするというもう一つの目的も果たせることになります。その活動の実施方法は次のようなものであると考えます。

① テーマの選定.
自職場・近隣職場の中にある、問題点を皆なで出し合い、自サークルの実力と照らして、精一杯努力すれば解決できると思うテーマを選ぶ。上司や後工程や他部門から投げ掛けられたテーマも同様に扱うこと。決して背伸びし過ぎ無い事、特に走り始めのサークルは注意すべきである。

② 活動計画の作成.
その件は誰の担当か、何日迄か、と細かにきめる事が必要である。

③ 管理・改善活動.
この活動期間中に於ける次の項目は、
・活動期間中の会合回数は、月2~3回. 
・会合時間は、1時間程度.
・出席率は、80%以上.
・工夫としては、ミニ会合・昼食会合・飲み会会合等も良い.
・就業時間内の活動は上司に話して了解を貰う。これは非常に大切な事で、私共の経験でもいつもしっかり活動しているベテランサークルは、改善活動に就業内の時間を活用しているのを確認している。
・スタッフメンバーの活用は、専門知識・技能を持つ人達の協力を得る事で、早く・大きく解決ができる可能性がある。スタッフメンバーは頼られると普段以上の張り切りで力を貸してくれる。

④ まとめと発表.
テーマの選定から努力して来た活動内容を報告書として、大勢の人達に聞いて貰う事は、メンバーにとって大変名誉のことで生き甲斐を感ずるものである。たとえ発表迄到達出来無かったとて満足は得られる。
・まとめる事により、活動の反省点も分かり、次の活動にプラスになる.
・成果を関係者にアピール出来る.
・発表は、自分達の誇りになる.
・発表は、聴講者のレベルアップにもなる。

この活動の繰り返しを1年毎自己評価して、社内優秀サークル・ブロック優秀サークル・地区優秀サークル・支部優秀サークル・全国優秀サークルとの差がどこに、どの様にあるかを見つけ、自サークルの次年度のレベル向上の糧に出来たら本当に成果の上がる活動になります。

以上