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内部監査の実践(その10)

本シリーズ「内部監査の実践」では、A社のB事業本部のQMSをISO9001:2015に沿って、具体的にどのように監査するかを、実例を中心に説明したいと思います。
その際、内部監査とマネジメントレビューに関する質問100選2019.11.1」
https://www.technofer.co.jp/iso/mr-qa100-01/)、及び
「ISO 19011に準拠した内部監査に関する質問50選」を随時参考にしていきます。
https://www.technofer.co.jp/iso/hirabayashi-room/

品質マニュアルは従業員全員が知っているべき文書ですが、実際は品質マニュアルを使う場面が来ないと読まないのが現実だと思います。内部監査員も監査の時に品質マニュアルを改めて読むという方が多いと思います。
品質マニュアルは内部監査の基本文書となるもので、内部監査員は事前に必ず読んでおくことが必要です。加えて、品質マニュアルに記載されている標準書を事前に読んでおくことが推奨されます。

A社B事業本部の品質マニュアルの続きです。

【品質マネジメントシステム構成事項】
9 是正処置
(1) 不適合品の再発防止
B事業本部で品質問題が発生した場合には,次の区分による責任部門がリーダーシップをとって再発防止の処置を行う。
 ・市場またはOEM客先で発生した品質問題  品質保証部
 ・製品安全性に関する品質問題       品質保証部
 ・出荷検査における品質問題        品質保証部
 ・最終検査における品質問題        製造部
 ・製造工程内における品質問題       製造部(技術部)
 ・購入検査における品質問題        品質保証部(技術部)
(2) 潜在的原因の検出,報告書の分析
 ① 品質保証部は毎月,1.項で述べた品質問題ごとにデータをまとめ,グラフ化し過去からの傾向を分析するとともに,そのなかから潜在原因の摘出に努める。
 ② 品質保証部は,特別採用申請書,品質記録,サービス報告書,顧客の苦情などの分析をして,品質問題の真の対策を立てる。
(3) 是正処置を伴う改訂および記録
 ① 品質保証部および標準書制定部門は,是正処置にともない関係する品質関連標準書類を改訂する。
 ② 改訂の履歴と記録は,標準書制定部門で保管される。
(4) 業務改善提案制度
 ① B事業本部は業務改善提案制度を品質問題の再発防止策の1つの柱と位置付け,その促進に力を入れる。
 ② B事業本部の業務改善提案制度の事務局は総務部に置く。

☆市場クレーム処理標準  KQM 121
 重要品質問題処理標準  KQM 122
 業務改善提案制度標準  KAS 102

次回もA社品質マニュアルの続きを示します。
(つづく)