ISO情報

内部監査の実践(その19)

「設計審査標準 KDR105」を対象にした内部監査の実践についてお話をしています。
内部監査で発見された事項は次の通りです。

●指摘事項1
過去3年間に行われたDR議事録を見させてもらい、出席者の力量(どんな基準で選出・任命しているのか?)を確認したところ、第8条に決められている「必要な専門知識・経験を有する適切な委員を選出・任命する」ことのうち「必要な専門知識・経験を有する」基準がなかった。
<第8条> DR委員長は各部門から、必要な専門知識・経験を有する適切な委員を選出・任命するものとする。必要な場合、社外からの委員を選出・任命する。

●指摘事項2
DR委員会で抽出された課題について、設計部において「以後の設計及び製造工程に影響を及ばさないように適切な時期までに評価を 完了する」と決められているが、適切な時期が明確でない。
<第10条> DR委員会は検討課題抽出の場とする。課題抽出後の次の検討は設計部が行い効率的な運用を図る。
  ・指摘事項は正しいか
  ・設計変更は必要か
  ・技術的に妥当か
 ② 指摘事項については、以後の設計及び製造工程に影響を及ぼさないように適切な時期までに評価を完了する。

●指摘事項3
DR委員会で指摘された事項について議事録を見せてもらい、DRを行った製品の市場での評価を確認した。
市場で問題が出ている製品について、その問題と該当DR後の対策について聞いたが「具体的対策が設計に反映された」記録は無く、DR活動の実施状況を品質管理部が確認した記録も見ることが出来なかった。
<第14条> 設計部は、DR委員会で指摘された事項について、担当設計部門の採否を踏まえ、その具体的対策が設計に反映されたか否かを確認し委員長に報告する。品質管理部は、DR活動の実施状況を確認する。

内部監査責任者は、3件の指摘はいずれも今後の「改善のネタ」になるので「ナラティブ内部監査」を実施するように内部監査員に指示をした。
(つづく)